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遺跡
手抜きの異能者
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ハーミット様?
そう思ってはいけないけれど思ってしまった。
ハーミット様はハッキング能力とデバフ系の異能者で。
そりゃ俺よりは遥かに強いけれどカプリス強者ランキングには入って居なかった。
「アルージャのバトル中に金印の場所を全員で察知する。いち早く見付けて盗んで逃げよう。」
ボスはフフっともう盗む気満々で笑う。
1階に降りると空気が殺気に満ちていた。
「ダンジョンマスターは多分、さっきオーガが居た場所付近に居たんだろうな。」
ボスはオーガはダンジョンマスターを護っていたんだろうけれど多分もう移動したよね?と鼻で笑う。
俺もそう言う気がしていた。
「金印は中央に広間がある。ご丁寧に飾ってあるよ。」
元締めがそう言った。
「流石早いね張さん。」
まあねー。と元締めはニヤりと笑う。
「面倒くさいけどバトるね?」
ハーミット様が剣を抜いた。
ん?何?と思った・・・。
気配は全く感じなかった。多分、ボス以外は察知してなかった様で一瞬、動揺が走った。
ハーミット様は勢いよく飛び出し不意を付いて現れたと見せかけた?オーガの剣を楽々と止めた。
・・・・・・・・・・・・・
あっ。来やがった。
全くさあ、大人しく中央広間の金印護っていれば俺が相手しなくても良いのに。
ハーミット。隠者と言う名前が本当に俺には相応しい。
目立たず引き篭ってパソコンでハッキングしているのが1番好きだと常日頃からボスには訴えているんだけど。
了解って言ったもんなあ。
しかも相手はオーガだろ?
「面倒くさいけどバトるね?」
剣を抜いた。
不意打ちを俺達に食らわせたかった?
「バーカ。」
オーガの剣を受け止めた。
「クソ!カプリスめ!こんな所まで来やがって!」
うん。まあ君の言う事も解るよ。
「君こそ此処に何しに来たの?」
オーガの剣を受けながら話しかける。
「はあ?!出張してたんだよ!何だよ貴様!!俺はカプリスのボスを殺りに来たんだ!」
お子ちゃまが吠える。
「ボスは相手したくないんだってさ。出張とかサラリーマンは面倒だねぇ。」
体感で解った。確かに此奴の体術は強いな。短期決戦にしないと体力が持たない。
動きも早いし。一撃も重い。
この動きに付いて来られるのってボスとジハード、バックスレー、ウェンにシアン?くらいかな。
そして俺ね。
「この野郎!」
オーガの剣を躱し剣を振り下ろす。
ガチッと奴も受け止めた。
うーん?埒が明かないな。
「ボス。先に行ってて。」
そう言うとボスが皆を先導する。ミナキは不安そうな顔しているけれど。
ウェンに強引に手を掴まれて金印の方へ向かってくれた。
「お前?死ぬぞ?仲間が居たら何とかなっただろうに。」
オーガはそう言って剣に気を込め出した。
「そうかな?」
あー。面倒くさい。
――電気回路ハッキング――
消灯・・・。
薄明かりのダンジョンの俺達のバトル中の通路の電気が全て消えて暗闇が広がる。
「何!?」
チッと奴の舌打ちが聞こえた。
暗闇は俺のテリトリー。
剣を振るう音だけが聞こえる空間。
躱す。受け止める。
そんな暗闇での攻防が続く。
バシュッと俺の剣が奴の右腕を掠った。
血が飛び散る音さえ聞こえる。
「クッッ!」
オーガは一旦俺から距離を取った。
そろそろ此奴も目が慣れて来る頃。
長引くと体力的に俺が不利だろう。
あと一撃が限界かな?
それに皆、中央広間にもう辿り着きそうだ。遅れたら脱出時に迷惑をかける。
そろそろ終わらなきゃ。
死ねよ?
でも、殺気は全て経つ。威力半減するが悟られない。
オーガの焦りが伝わる。
だから。俺は見えているんだよ?
背後から剣を振り下ろした。
ザシュッ!!!
肌が斬れる音はしたが。
殺せなかったか・・・。
頑丈な肉体だな。
「クソったれー!!」
オーガはフラつきながらも倒れずに剣を降るってきた。
残念。もう目が慣れやがった。
「じゃ、俺はもう行くね。」
勢いよく蹴りを入れて吹っ飛ばした。
逃げよーっと。
そうそう忘れてた。異能は効かないけどこれは効くだろう!!
そっと倒れた奴の足元に転がした。
――簡易的害虫駆除機――
はっはっは!煙で苦しめ!!
俺って良い発明するよなあ。流石天才。
金印へ向かってダッシュ。
遠くで咳き込む音と叫び声が聞こえた。
オーガに恨まれただろうなあ。
プッ笑える。気が向いたら?また相手してやるよ。
でも、多分気は向かないだろう。面倒くさいしね。
「お待たせ。」
あー。走り疲れた。
「アルージャ。お疲れ。久々に本気出した?」
ボスがクスクスと笑う。
「殺せなかったけどね。腕と背中は斬りつけてきた。あとバル〇ン仕掛けて逃げて来た。」
そう報告するとアルージャらしいな。とゲラゲラ笑いだすメンバー達。
「ハーミット様!凄い!!」
ミナキだけはめちゃくちゃ褒めてくる。
そうだね。戦闘を頑張る姿を見せたの初めてかも。
「アルージャは普段、戦闘のやる気スイッチが入ってくれなくてね。手抜きが好きなんだ。」
ボス・・。良く解ってる。
「まあ、そうなんだけどね。たまに?稀に?やるよ。」
ボスとバックスレーと出会って10年?
何回本気出したかな・・・。だって面倒くさいし。
今日のボスの采配は正解だな。
帰りを考えると今、1番体力温存させるのはボスとウェンとバックスレー。異能温存はミナキとユウエン。
「さあ、広間に着くよ。」
ボスが声をかける。
この角を曲がると広間。
敵は5人か。
「敵は5人。ディード、バニラ、エルーカ!やろうか?」
ボスが声をかけた。
俺は見学で良さそう。
後は盗んで逃げるだけ!
そう思ってはいけないけれど思ってしまった。
ハーミット様はハッキング能力とデバフ系の異能者で。
そりゃ俺よりは遥かに強いけれどカプリス強者ランキングには入って居なかった。
「アルージャのバトル中に金印の場所を全員で察知する。いち早く見付けて盗んで逃げよう。」
ボスはフフっともう盗む気満々で笑う。
1階に降りると空気が殺気に満ちていた。
「ダンジョンマスターは多分、さっきオーガが居た場所付近に居たんだろうな。」
ボスはオーガはダンジョンマスターを護っていたんだろうけれど多分もう移動したよね?と鼻で笑う。
俺もそう言う気がしていた。
「金印は中央に広間がある。ご丁寧に飾ってあるよ。」
元締めがそう言った。
「流石早いね張さん。」
まあねー。と元締めはニヤりと笑う。
「面倒くさいけどバトるね?」
ハーミット様が剣を抜いた。
ん?何?と思った・・・。
気配は全く感じなかった。多分、ボス以外は察知してなかった様で一瞬、動揺が走った。
ハーミット様は勢いよく飛び出し不意を付いて現れたと見せかけた?オーガの剣を楽々と止めた。
・・・・・・・・・・・・・
あっ。来やがった。
全くさあ、大人しく中央広間の金印護っていれば俺が相手しなくても良いのに。
ハーミット。隠者と言う名前が本当に俺には相応しい。
目立たず引き篭ってパソコンでハッキングしているのが1番好きだと常日頃からボスには訴えているんだけど。
了解って言ったもんなあ。
しかも相手はオーガだろ?
「面倒くさいけどバトるね?」
剣を抜いた。
不意打ちを俺達に食らわせたかった?
「バーカ。」
オーガの剣を受け止めた。
「クソ!カプリスめ!こんな所まで来やがって!」
うん。まあ君の言う事も解るよ。
「君こそ此処に何しに来たの?」
オーガの剣を受けながら話しかける。
「はあ?!出張してたんだよ!何だよ貴様!!俺はカプリスのボスを殺りに来たんだ!」
お子ちゃまが吠える。
「ボスは相手したくないんだってさ。出張とかサラリーマンは面倒だねぇ。」
体感で解った。確かに此奴の体術は強いな。短期決戦にしないと体力が持たない。
動きも早いし。一撃も重い。
この動きに付いて来られるのってボスとジハード、バックスレー、ウェンにシアン?くらいかな。
そして俺ね。
「この野郎!」
オーガの剣を躱し剣を振り下ろす。
ガチッと奴も受け止めた。
うーん?埒が明かないな。
「ボス。先に行ってて。」
そう言うとボスが皆を先導する。ミナキは不安そうな顔しているけれど。
ウェンに強引に手を掴まれて金印の方へ向かってくれた。
「お前?死ぬぞ?仲間が居たら何とかなっただろうに。」
オーガはそう言って剣に気を込め出した。
「そうかな?」
あー。面倒くさい。
――電気回路ハッキング――
消灯・・・。
薄明かりのダンジョンの俺達のバトル中の通路の電気が全て消えて暗闇が広がる。
「何!?」
チッと奴の舌打ちが聞こえた。
暗闇は俺のテリトリー。
剣を振るう音だけが聞こえる空間。
躱す。受け止める。
そんな暗闇での攻防が続く。
バシュッと俺の剣が奴の右腕を掠った。
血が飛び散る音さえ聞こえる。
「クッッ!」
オーガは一旦俺から距離を取った。
そろそろ此奴も目が慣れて来る頃。
長引くと体力的に俺が不利だろう。
あと一撃が限界かな?
それに皆、中央広間にもう辿り着きそうだ。遅れたら脱出時に迷惑をかける。
そろそろ終わらなきゃ。
死ねよ?
でも、殺気は全て経つ。威力半減するが悟られない。
オーガの焦りが伝わる。
だから。俺は見えているんだよ?
背後から剣を振り下ろした。
ザシュッ!!!
肌が斬れる音はしたが。
殺せなかったか・・・。
頑丈な肉体だな。
「クソったれー!!」
オーガはフラつきながらも倒れずに剣を降るってきた。
残念。もう目が慣れやがった。
「じゃ、俺はもう行くね。」
勢いよく蹴りを入れて吹っ飛ばした。
逃げよーっと。
そうそう忘れてた。異能は効かないけどこれは効くだろう!!
そっと倒れた奴の足元に転がした。
――簡易的害虫駆除機――
はっはっは!煙で苦しめ!!
俺って良い発明するよなあ。流石天才。
金印へ向かってダッシュ。
遠くで咳き込む音と叫び声が聞こえた。
オーガに恨まれただろうなあ。
プッ笑える。気が向いたら?また相手してやるよ。
でも、多分気は向かないだろう。面倒くさいしね。
「お待たせ。」
あー。走り疲れた。
「アルージャ。お疲れ。久々に本気出した?」
ボスがクスクスと笑う。
「殺せなかったけどね。腕と背中は斬りつけてきた。あとバル〇ン仕掛けて逃げて来た。」
そう報告するとアルージャらしいな。とゲラゲラ笑いだすメンバー達。
「ハーミット様!凄い!!」
ミナキだけはめちゃくちゃ褒めてくる。
そうだね。戦闘を頑張る姿を見せたの初めてかも。
「アルージャは普段、戦闘のやる気スイッチが入ってくれなくてね。手抜きが好きなんだ。」
ボス・・。良く解ってる。
「まあ、そうなんだけどね。たまに?稀に?やるよ。」
ボスとバックスレーと出会って10年?
何回本気出したかな・・・。だって面倒くさいし。
今日のボスの采配は正解だな。
帰りを考えると今、1番体力温存させるのはボスとウェンとバックスレー。異能温存はミナキとユウエン。
「さあ、広間に着くよ。」
ボスが声をかける。
この角を曲がると広間。
敵は5人か。
「敵は5人。ディード、バニラ、エルーカ!やろうか?」
ボスが声をかけた。
俺は見学で良さそう。
後は盗んで逃げるだけ!
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