都合のいい男

美浪

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計画と実行

その頃のジハードとディード

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シアンとのジム修行を終えて帰宅。
やっぱりあいつの体術は強い。

明日はディードと約束してたな。
ブーブーと携帯のバイブ音が鳴った。
メールか。

「うげげ・・・。」
『明日そちらへ行くよ。ガブリエルも連れて来るから泊めてくれ。』

くそヴェガ!勝手に決めやがって。
『今、修行に明け暮れてるんだよ。迷惑だ。』
返信。

『じゃあ、修行に付き合うよ。もう飛行機乗るから。では。』

はぁー?
全く、勝手過ぎる。この前、相手にしてやらなかったからなあ。
異常に俺の事を好き過ぎるヴェガ。

仕方ない。諦めよう。ディードどうしよう?ガブリエル来ると気不味いかな。

でも、あいつ結構引きづってるんだよね。きちんと会って別れた訳じゃ無いし。
試しに合わせてみるかな。


翌朝早朝

インターホンが鳴った。もう来やがった。

「おはようー!ジハードぉぉ!」
ドアを開けるなりテンション高い兄に此方はテンションだだ下がり。

「まだ眠いんだけど。」
ガブリエルが苦笑いして頭を下げた。2人を部屋に入れて適当に寛いでくれと頼んで俺はもう少し寝る。

「2時間大人しくして居て。」 
自己中過ぎ。それはお互いだけど。俺は寝る。


起きると大人しくテレビを見て適当にご飯を済ませてくれていた。

「今度こそおはよう。俺のジハード!」
「おはよう。」
やっぱり面倒くさい。
相手したくないな。
「ガブリエル。何で来たんだ?いや、来るなとかじゃなくて・・・。ディードもうすぐ家に来るよ?」

「ヴェガが着いて来いと煩くて・・・。」
濁すなあ。

昨日買ったパンでも食うか。珈琲は入れてくれた。

その時にピッキングでドアが開いた。あーあ。ディード来たよ。

「おはよう・・・。ジハードにヴェガに・・・ガブリエル。」
何で居るんだよ?って顔で此方を見た。
俺はすまんと言う目でディードを見る。

「おはよう。ディード。お久しぶり。今日は修行に参加するから。」
ヴェガは相変わらずこんな感じでガブリエルは気不味そうに頭を下げただけだった。

やれやれ。

「取り敢えず行こうか。」
強くなる為。仕方ないか。

道すがらディードが
「何で来てるんだよ!!」
と小声で不満そう。
「突然なんだよ。まあ、お前も色々引きづってたし。決着付けたら?」
「そうなんだけどね。」
はぁー。と大きな溜息。ちょっと申し訳ない事したかな。

ジムは2部屋借りる事になった。
俺と兄貴とディードとガブリエル。
1部屋では効率が悪いから仕方ないが。

予想していた通りになりディードも苦笑した。

「おい!異能は禁止だからな。」
ヴェガにきつく言う。
「監視カメラだろ?」

じゃ。やりますか。

ヴェガと俺。はっきり言ってヴェガの方が強い。

「さあ。来い。マイハニー♪」
「誰がハニーだ!!」

攻撃を仕掛ける。クソ。受けられたか。
一瞬でも気を抜いたら負ける。

良い修行相手ではあるんだけどね。


         ・・・・・・・・・・・・・・

ジム別室

「あの。ディード?怒ってる?」
部屋に入るなりガブリエルが聞いてきた。

「突然来た事にはな。」

別れの原因は遠距離が上手く行かなくなって喧嘩。

気不味い・・・。

あれから会うのは初めてで。

出会いもこんな感じで昔、ヴェガに無理矢理連れて来られたガブリエルと仲良くなったんだったな。

「久々に手合わせしようか。俺も鍛えてる最中なんだよ。」
「うん。やろうか。」

先に仕掛けて来たのはガブリエル。まあ、相変わらず此奴も強い。

少し腕を上げたな。ヴェガに鍛えられているんだろうな。
俺も負けられ無い。

受け止めた拳から俺の蹴り。
クリーンヒット!

「クソ!」
ガブリエルは直ぐに向かって来た。

スピードが上がった。やべ!!
今度はガブリエルの攻撃をまともにくらった。

ガブリエルに負けるのは悔しい。絶対、負けられねー!!

俺もスピードを上げる。詰め寄る。フェイント、フェイント!蹴り!!
ガブリエルは倒れ込んだ。

「グッ!!やっぱり強いな。ディード。」
「お前もな。」

時々、休憩しながら時間いっぱいまで修行した。
たまにカプリスメンバー以外とやるのも良いな。
ちょっと疲れたので座り込む。

「あー。疲れた。ディード。ありがとうな。」
ガブリエルが微笑んで来た。
クソ。やっぱり綺麗な顔してる。

「ふん。たまには良いよ。俺も楽しかったしな。」
だいぶ気不味さも無くなった。

「ディード。」
「何?」
でも、あまり顔は見れない。

「会いたかったんだ。」
「・・・。そうだな。」
俺も会いたかった。

「帰るか?泊まるんだろ?」
「うん。ジハードの家に。」
俺は眉間に皺を寄せてガブリエルの顔を見た。

「邪魔しちゃ悪いだろ?家に来いよ。」
「良いの?」
仕方ない?いや?泊めたい。

時間になりジムを出る。

「ジハード。強くなったなあ。」
「イヤミかよ!!」
相変わらずな2人。ジハードはだいぶやられていた。
ヴェガは強い。
ジハードは俺より強いから俺じゃ足元にも及ばないかもなあ。

「ジハード。あのさあ。ガブリエルは家に泊めるから。」
「まじか?待てよ。兄貴と2人になるじゃん!」
良いだろ?全く素直じゃないなあ。
俺、良い事したぁー!

ジハードはブツブツ言ってるけど。
ヴェガは嬉しそうに俺に
「出来した!ディード。ありがとう!」
と満面の笑み。本当にオッドアイの綺麗な瞳。
ジハードの兄だと解っていても何時も一緒にいるビクターもカッコいいし嫉妬しちゃうんだよなあ。

ガブリエルの方もそうだった。
カプリスメンバーはイケメン揃いだとか言ってて。
似た者同士の嫉妬合戦。

「じゃあな。ジハード。」
「くそ。ディード。また明日な!」
ジハードとヴェガと別れ2階の俺の部屋へ。

久々過ぎる。

「ガブリエル。着替えは?」
「うわ。ジハードの部屋だよ。」

まさかもうって事は無いだろうけど?
取りに行きにくいよな。

「俺の服貸すよ。あとは浄化しとけ。」
「ありがとう。」
気にするな。と部屋着を貸す。

ガブリエルと俺の身長は殆ど変わらない。
残念180センチに届かなかった。

「ディード。やっぱり・・。ディードってイケメンだね。」
ゔっ・・・。何か改めて言われると照れる。
「髪も綺麗な金髪だしね。」
「まー。お前の茶色の髪と目も良いと思うけど。しかし、髪切ったんだな。」
昔はもう少し長かった。今は短髪。

それも似合っているけど。

「取り敢えず飯でも食うか。」
冷食しかないが。

あー。俺達、寄り戻すのかなあ。
解らん。
そもそも夜・・・。するのか?解らん。

モヤモヤしながら冷食をレンジで温め始めた。
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