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西アン・デスに向けての修行
駆除屋のお仕事
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待機場と言われる部屋にはさっき着せられた黒の上下に手袋をした異能者が10人程待機していた。
「役には立たねぇがカプリスの新人だ。カプリスは上お得意様だからな!面倒見てやってくれ。」
元締めがそう言うと中に居た人達は声を揃えて返事した。
「ミナキです。宜しくお願いします。」
頭を下げて部屋の隅に移動した。
カプリスはやはりお得意様なのね。
待機場は中央のテーブルの上に飲み物と茶菓子がある以外は椅子は4脚しかなく後の皆は立ったり床に座り込んで居た。
そして部屋の奥には扉がある。予想では魔法陣の部屋?かなあ。
しかし、黒髪が多い。白人系の人の髪も。もしかして染めてる?目立たない様に。
有り得るなあ。
その時部屋に設置してあったスピーカーから
「依頼。アフ・ガン国首都。遺体数5。」
と聞こえた。
「行くぞ!ミナキ!」
そう言われて慌てて扉へ向かった。
俺を含めて3人で?!
「デードリッヒだ。」
黒髪のヨーロッパ系の男性。
「俺はフィグ。」
こちらも黒髪のヨーロッパ系の男性。
魔法陣に乗り転移。アフ・ガン。知らないけれど名前からして怖そうな国。
廃ビルと言うか廃工場?
人の気配はしない。時差があるのか夜だったので一瞬驚いた。
街灯の薄明かりの中に遺体が5体転がるようにあった。
「不味いぞ!急げ!」
デードリッヒさんが焦った声を上げて転がっている遺体に走った。
「待て、撤退が良くないか?!」
フィグさんの顔色が悪く魔法陣から動けないでいる。
何か焦っている?!
上空から見る様に?駄目だ。
全然解らない。
「戻れ!デードリッヒ!」
フィグさんが叫んだ瞬間だった
ドカッ!!!
上空から飛び降りてきた何かに吹っ飛ばされてデードリッヒさんが壁に激突して倒れた。
何が起きた?
「困るんだよねー?遺体を片付けて貰っちゃぁ。なあ?駆除人さん。」
肌がヒリつくような殺気。
薄明かりに佇む長身の男。
「異世界人警官だ。」
フィグさんがボソッと呟いた。
「一先ず転移魔法陣は消去した。数分でヘルプが来る。耐えるぞ。」
フィグさんがそう言った瞬間に間合いを詰められて横に居たフィグさんが蹴り飛ばされて彼も壁に激突し倒れた。
「まじかよ・・・。」
焦る。まさかの警察官登場とか!!ピアスに口ピアスがある。異世界人の黒人。
「おい!駆除人。お前達のアジトへ連れて行けよ。素直に従うなら助けてやるぜ?」
警察官は俺を見てニヤっと笑った。街灯の光で妙に歯が白く光ってゾクっとした。
まさか駆除屋を裏切る訳にはいかない。
しかし、フィグさんもデードリッヒさんも倒れている。
気配では死んではいないと思う。恐らく気絶か。
「断る。」
そう言った瞬間、奴は目の前に居た。
あっ・・。ヤバ・・・い?
ガードはしたが俺は宙を舞っていた。
「痛ってー!!!」
受身を取って倒れたが急いで立ち上がる。
「お前が1番弱そうだから脅したら教えてくれると思ったんだが。少し痛めつける必要があるみたいだな。」
次が来る。
速っやっっ!!避けるので精一杯。
やっぱり体術レベルは相手が上か。
多分、効果は殆ど無い。でも張る!
――結界――
薄い・・・。身体を纏う程度の結界。
「そんなシールドじゃ効かないな。」
警察官のスピードが更に上がり俺は腹を殴られた。
グッはぁっっ!!
食ったもんを吐きそうになった。
結界はかろうじて残っているが張ってもこのダメージかよ。本当に誰かヘルプ来るのか?
「クソ!!」
俺も攻撃を仕掛けるが避けられる。
「なあ?案内しろよ。」
甚振る様に攻撃され俺はまた倒れた。結界を張り直す。
裏切る事はしない。
此処で死ぬ訳にもいかない。
だって俺はまだ・・・。
カプリスを護る使命があるんだ!!
「負けるかよ!!」
必死で食らいつく様にスピードを上げる。
当たらねぇ。
ドカッ!!
相手の蹴りは簡単に食らうのに。
バキッ!!!
「はぁはぁ。痛てぇ。」
殴り飛ばされて地面に突っ伏した。
「仕方ないか。教えろよ。殺すよ?」
そう聞こえて慌てて立ち上がる。
炎の異能者か。水、風、火の異能はイメージしやすいから多いとウェンが言ってたな。
良く見ろ。絶対避けてやる。
「発火!」
奴がそう言った瞬間、デードリッヒさんの服に火が付いた。
まじかよ!
「デードリッヒさん!!」
慌てて火消しに向かう。
「熱っっ!」
デードリッヒさんは気絶から目は覚めたが腕の形が・・・。骨折か。
火は踏みつけて消した。
「ほらほら今度はそっちだよ?」
フィグさん!!
絶対、弄ばれている。意地でもアジトへ案内させたいんだろう。
「フィグさん!!」
慌てて火を消すがフィグさんは目を覚まさない。こっちが重症か。
ギロっと警察官を睨みつける。
何とかして2人を助けなければ!!
殺る!!
警察官に向かって走る。
間合いを詰めた瞬間に相手の手から出たのは激しい炎の弾丸。
嘘・・・。そんな炎を食らったらヤバいって。
結界!!!
腕をクロスさせて更にガードをしたが俺は吹っ飛んだ。
痛てぇ。
両腕はかなりの火傷。
「ちっ!防御系は面倒だな。」
もう1発食らわせてやるよ!!!
炎の弾丸が再び飛んできた。
ヤバい!!
――結界――
弱い。これじゃまた食らう。
その時だった
「すまん!待たせた!」
背後から聞きなれた声。
そしてまた見えた。・・・コマ送りのように。
「ラズ!?」
ラズの声と共に結界の強度が上がるのが解る。
結界は炎の弾丸ごときでは破壊されず警察官の面食らった顔が解った。
「役には立たねぇがカプリスの新人だ。カプリスは上お得意様だからな!面倒見てやってくれ。」
元締めがそう言うと中に居た人達は声を揃えて返事した。
「ミナキです。宜しくお願いします。」
頭を下げて部屋の隅に移動した。
カプリスはやはりお得意様なのね。
待機場は中央のテーブルの上に飲み物と茶菓子がある以外は椅子は4脚しかなく後の皆は立ったり床に座り込んで居た。
そして部屋の奥には扉がある。予想では魔法陣の部屋?かなあ。
しかし、黒髪が多い。白人系の人の髪も。もしかして染めてる?目立たない様に。
有り得るなあ。
その時部屋に設置してあったスピーカーから
「依頼。アフ・ガン国首都。遺体数5。」
と聞こえた。
「行くぞ!ミナキ!」
そう言われて慌てて扉へ向かった。
俺を含めて3人で?!
「デードリッヒだ。」
黒髪のヨーロッパ系の男性。
「俺はフィグ。」
こちらも黒髪のヨーロッパ系の男性。
魔法陣に乗り転移。アフ・ガン。知らないけれど名前からして怖そうな国。
廃ビルと言うか廃工場?
人の気配はしない。時差があるのか夜だったので一瞬驚いた。
街灯の薄明かりの中に遺体が5体転がるようにあった。
「不味いぞ!急げ!」
デードリッヒさんが焦った声を上げて転がっている遺体に走った。
「待て、撤退が良くないか?!」
フィグさんの顔色が悪く魔法陣から動けないでいる。
何か焦っている?!
上空から見る様に?駄目だ。
全然解らない。
「戻れ!デードリッヒ!」
フィグさんが叫んだ瞬間だった
ドカッ!!!
上空から飛び降りてきた何かに吹っ飛ばされてデードリッヒさんが壁に激突して倒れた。
何が起きた?
「困るんだよねー?遺体を片付けて貰っちゃぁ。なあ?駆除人さん。」
肌がヒリつくような殺気。
薄明かりに佇む長身の男。
「異世界人警官だ。」
フィグさんがボソッと呟いた。
「一先ず転移魔法陣は消去した。数分でヘルプが来る。耐えるぞ。」
フィグさんがそう言った瞬間に間合いを詰められて横に居たフィグさんが蹴り飛ばされて彼も壁に激突し倒れた。
「まじかよ・・・。」
焦る。まさかの警察官登場とか!!ピアスに口ピアスがある。異世界人の黒人。
「おい!駆除人。お前達のアジトへ連れて行けよ。素直に従うなら助けてやるぜ?」
警察官は俺を見てニヤっと笑った。街灯の光で妙に歯が白く光ってゾクっとした。
まさか駆除屋を裏切る訳にはいかない。
しかし、フィグさんもデードリッヒさんも倒れている。
気配では死んではいないと思う。恐らく気絶か。
「断る。」
そう言った瞬間、奴は目の前に居た。
あっ・・。ヤバ・・・い?
ガードはしたが俺は宙を舞っていた。
「痛ってー!!!」
受身を取って倒れたが急いで立ち上がる。
「お前が1番弱そうだから脅したら教えてくれると思ったんだが。少し痛めつける必要があるみたいだな。」
次が来る。
速っやっっ!!避けるので精一杯。
やっぱり体術レベルは相手が上か。
多分、効果は殆ど無い。でも張る!
――結界――
薄い・・・。身体を纏う程度の結界。
「そんなシールドじゃ効かないな。」
警察官のスピードが更に上がり俺は腹を殴られた。
グッはぁっっ!!
食ったもんを吐きそうになった。
結界はかろうじて残っているが張ってもこのダメージかよ。本当に誰かヘルプ来るのか?
「クソ!!」
俺も攻撃を仕掛けるが避けられる。
「なあ?案内しろよ。」
甚振る様に攻撃され俺はまた倒れた。結界を張り直す。
裏切る事はしない。
此処で死ぬ訳にもいかない。
だって俺はまだ・・・。
カプリスを護る使命があるんだ!!
「負けるかよ!!」
必死で食らいつく様にスピードを上げる。
当たらねぇ。
ドカッ!!
相手の蹴りは簡単に食らうのに。
バキッ!!!
「はぁはぁ。痛てぇ。」
殴り飛ばされて地面に突っ伏した。
「仕方ないか。教えろよ。殺すよ?」
そう聞こえて慌てて立ち上がる。
炎の異能者か。水、風、火の異能はイメージしやすいから多いとウェンが言ってたな。
良く見ろ。絶対避けてやる。
「発火!」
奴がそう言った瞬間、デードリッヒさんの服に火が付いた。
まじかよ!
「デードリッヒさん!!」
慌てて火消しに向かう。
「熱っっ!」
デードリッヒさんは気絶から目は覚めたが腕の形が・・・。骨折か。
火は踏みつけて消した。
「ほらほら今度はそっちだよ?」
フィグさん!!
絶対、弄ばれている。意地でもアジトへ案内させたいんだろう。
「フィグさん!!」
慌てて火を消すがフィグさんは目を覚まさない。こっちが重症か。
ギロっと警察官を睨みつける。
何とかして2人を助けなければ!!
殺る!!
警察官に向かって走る。
間合いを詰めた瞬間に相手の手から出たのは激しい炎の弾丸。
嘘・・・。そんな炎を食らったらヤバいって。
結界!!!
腕をクロスさせて更にガードをしたが俺は吹っ飛んだ。
痛てぇ。
両腕はかなりの火傷。
「ちっ!防御系は面倒だな。」
もう1発食らわせてやるよ!!!
炎の弾丸が再び飛んできた。
ヤバい!!
――結界――
弱い。これじゃまた食らう。
その時だった
「すまん!待たせた!」
背後から聞きなれた声。
そしてまた見えた。・・・コマ送りのように。
「ラズ!?」
ラズの声と共に結界の強度が上がるのが解る。
結界は炎の弾丸ごときでは破壊されず警察官の面食らった顔が解った。
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