都合のいい男

美浪

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ボディーガードミッション

ミッション終了

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「本当に誰も居ませんか!?」
めちゃくちゃ見回す。
「居ないよ。大丈夫。」
「うん。居ないね。」
ボスとシアンがそう言うので大丈夫なんだろう。本当に海誠先生は何もしない気だったのかな。

「さて、詳しく話を聞こうか?」
ボスもシアンもワクワクした顔をしている。

「名前はマコト・ソトメ。」

「シアン、その名前アルージャにメールして。調べる様にね。」
ボスはシアンにそう言っている。なるほどハーミット様がハッキングしてくれたら詳しく解りそう。

「俺の世界で彼は有名な漫画家で・・。」
と聞いた話を教えた。

「非常に興味深いね。特に3年契約って事と脳内チップの話だ。」
ボスもシアンもそう言って考え始めた。

「あっ。後、ジ・パング闘技場でリュートとオーガが修行しているから近寄るなって言われました。」

「ふーん?ちょっと理解し難い人物だな。本当に脳内チップが入っていないのか?何の為に近づいたのか。連絡しちゃダメだよ。解ってるよね?」

ボスに言われて勿論、何も話して居ないしこれからも連絡するつもりは無いと言った。
実際に怖いし。連絡を取ってカプリスに迷惑だけはかけたくない。


「あの!彼は強いんですよね?」
結局、あの警察達の中に向かって行ったのはバックスレーさんとラズにジハード、ボスの4人その後でウェンも向かった。でも死んで無い。

「彼の完全記憶メモリーは厄介だったから本当は殺したかったね。使った異能や戦闘方法も全て記憶されるから。でも、もう1つの異能の方がもっと厄介でね。殺すには時間切れ。」

ちなみにあの時はボスは皆に海誠先生の異能を教えてボスもジハード、バックスレーさん、ラズは体術のみでしかバトルしていないから時間がかかったと言った。
そうそうとシアンも頷く。

「あの時点で15分。悩んだ末のギリギリ半殺しで撤退した。ミナキの能力は彼には記憶されているんだろう。他に彼の位置から見えたシアンとウェンもね。」
見られていたと言う事は能力も記憶されたと言う話か。

「それと、勘違いしている様だがリュートの次に強かった警察官は殺したよ?マフィアを半分壊滅させた奴ね。」

・・・?あれ、そうだった?
「うん。殺したね。」
シアンもそう言った。

「じゃあ彼の厄介な異能って?」
そんなのは先生から聞いていない。

紛れるゲットロストだよ。」
「紛れる?」

ボスが言うには他に攻撃を受ける者が居たら何故か存在感が薄くなる。他の人と存在がダブったり解らなくなったり。
攻撃を受ける確率が大幅に減る。
ただし自分1人の場合は使っても無駄な異能らしい。

「ミナキは最後に生き残った彼を1番強い奴だと勘違いしたんだと思う。実際あのマフィアを含めた多人数で戦っているとフッと彼の存在感が消えるし他とダブるんだ。」
1人になる迄彼の存在感は解りにくかった。とボスは苦笑。

「彼がミナキに何もしなかったのは一対一だと不利だからだと思う。結界も見てるからね。攻撃しても破れないと思ったんだろう。」

なるほど。俺の結界は仲間が居ないとダメって言うのはバレていないって事か。

「でも。マコトの体術レベルはミナキよりは強いよ。」
ボスがサラッと言った。そーでしょうね。俺、弱いし。

海誠先生の異能って漫画を描くため。3年間生き残る為の異能な感じだな。
転移する前の強い想いって異能に反映されるのかもしれない。


「ねえ。シアンってあの自分が危ない状況でバトルしていて良くボスの事見てたね。やっぱり好きだから?」
俺はこの不用意な発言に寄ってシアンに縛られる事になってしまった・・。

ボスは爆笑しているし。

「もー!解いてよ!!あー!クソ!」

「リュートは自力で解けたよ?頑張って!」
シアンはクスクスと嫌味の様に笑うし。

こう。ブチッと!!切れません!

「ミナキー!頑張りなー!」
ボス笑い過ぎ。このドS共ぉぉ!
素直じゃ無い。
全く、ボスが居るなら何で俺は襲われたんだろう?ちょっと絆された自分に腹立つし。
「シアンのバカ!アホ!」
「はいはい。そろそろ解いてやろうか?」

結局、シアンにごめんなさいするまで解いて貰えなかった。

「さあ、我が家が近いぞ。」
見慣れた街が見えてきた。

「本当に追っ手無かったね。」
シアンはちょっと詰まらなさそうだが俺は本当に安心した。

車庫のシャッターを開けてアジトに入る。

「終わったー!何かめちゃくちゃ嬉しい!」
家に帰るまでが遠足な感じ。帰宅すると本当にミッション終了したんだと思えた。

「ウェンに会ってきな。後でアジトに来て。アルージャが調べているだろうから確認しよう。」
ボスにそう言われて急いでウェンの部屋に向かう。早く会いたい!

インターホンを鳴らす。
「ミナキ!」
笑顔でウェンが扉を開けた。

「ただいま!!」

ウェンを見ると本当に安心してやっと会えたそんな気持ちが高ぶって。

扉が閉まると同時に抱き着いた。

「お帰り。」
ウェンが優しく抱き締める。
「会いたかった。」
うん。ウェンは笑顔で頷いてそっとキスをしてきた。

照れる。幸せ。
怖かったミッションも今朝の恐怖も帳消しにする癒し。
「ほら、着替えな。」
「はーい!」

部屋に入り着替えてアジトへは2人で向かった。
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