都合のいい男

美浪

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ボディーガードミッション

お疲れ様

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「あー!!疲れましたよ!!」
やっと運転からも解放され車の後部座席に乗った。

「プッ!!あはははは!!いやあー!面白かったねー!」
運転席に座ったボスが爆笑。
「フッ!フフ!確かにね。」
シアンもクスクスと笑い出す。

俺だけムッとした顔。
「まあまあ。ゆっくり晩飯でも食って泊まって帰ろうよ。ね?」
笑いながらボスが宥めるんだけど俺はまだちょっといじけたままだ。成長出来たのは嬉しいんだけれども。

「ほら。何食べたい?」
そう聞かれて高級料理?何かそう言う畏まった感じじゃなくて・・。
「高い焼肉!!」
と答えた。ボスもシアンもニヤっと笑って了解と車を出発させた。
「シアン、ナビ操作して。」
ボスに言われてシアンは焼肉屋をナビで検索している。
「ジ・パングで御飯?泊まりも?大丈夫なんですか?」
やっぱりちょっと政府組織本部って言うのが不安。

「勿論、そのつもりだけど?」
「大丈夫だよ。そんなに怖い国じゃないから。」
2人がへっちゃら過ぎるんだが。大丈夫なんだろう。

まだこの辺はジ・パングの端の方なんだろうなあ。全然位置関係が解らない。
「ジ・パングって広いんですか?首都までどのくらい?」
そう聞くと
「飛行機で2時間弱?くらい?遠いよ。ここは本当に地方都市だね。」
ボスに言われてちょっと安心した。飛行機でその時間かかるなら日本なら九州と関東くらい離れている。

安心すると腹が急に減ってきた。
グルるるる。
「腹鳴ってるよ。」
ボスがまた爆笑する。
「ミナキはわかり易い子だよね。」
シアンも笑うし。いや、脳内本当に肉食いたいモード。

「もう着くからね。」
道を曲がると比較的大通り。
文字は読めないが飲食店やカラオケ店とか本屋とかの看板が色々ある。
ボスがウインカーを出して店の駐車場へ入って行く。
おお!焼肉屋っぽい!!

車を停め降りて店内へ。
個室もある焼肉屋だった。迷わずボスは個室を指定した。
めちゃくちゃ良い匂いするー!腹減った。

「さあ!好きなの頼め。」
ウキウキでメニューを見る。やっぱり文字は読めないが日本と似たようなものみたい。

「読めないんですが!!ロースとカルビが食べたいです!」

「あー。そうか。本当に文字は何とかしないとね。」
ボスはそう言って他は?と言いながら特上と上のロースや特上カルビ、ホルモンにご飯等も頼んでくれた。

肉を焼く。そして食う!
「うっまーい!!」
とろける肉。まじで美味い!

「ここの肉、結構良いね。」
「焼肉は久々だなあ。」
ボスとシアンも堪能している。

「何か身体が回復していくのが解る。」
特上ロース1皿を完食したあたりでそう思った。
不思議だよなあ。
「食う、寝る。基本ね。」
ボスも結構なハイペースで食べている。

「肉をチョイスしたって事は相当疲れてたんだろうね?」
シアンはそう言った。
疲労が激しい時は肉と米がベストらしい。

「疲れましたよ。結界も運転も。本当に!!なんで黙ってたんですか?」
腹が満たされてくるとまたいじけたくなった。

「言ったら警戒しただろ?上手く演技出来たかい?」
シアンにそう言われて言葉に詰まる。

「君の為。命の危険を感じると異能は大きく成長する。勿論、大丈夫だと計算した上での今日のミッションだ。」

「確かに大丈夫だったけれど・・。」
本当に怖かった。

「気づいてると思うけれど。結界内に僕らが居なくても薄い結界は張れる様になったよね?」
ボスに言われて確かにそうだと思った。
この世界に来た時は出来なかった。

「強い結界は護る仲間が居ないと無理だろう。だが薄い結界なら見える範囲にメンバーが居たら張れる。」
ボスは俺の顔をまじまじと見詰めてそう言った。異能の成長を見られている感じ。
ボスって本当にそう言うの解るんだな。

「後ね・・・?」
ボスが難しい顔をして首を傾げる。
「あの四神ってやつはまだ他にも居る。でもまだミナキは使えない。」
まだ居る?!
俺も首を傾げてボスと見詰め合う。

「あっ。九字切り・・・。後、5体居ます。」
「それかあ。まだ眠っている。」
居るのか!!文王とか玉女とか!ちょっとワクワクしてきた。

「いいねぇ。」
ボスとシアンは顔を見合わせてニヤりと笑う。
やっぱり何かこの2人あるよなあ。

「あのー。ボスとシアンって付き合っているんですか?」
この前の直球のお返しだ。

シアンは真顔になり。
ボスはクスクスと笑った。
「そう見えたのかい?」
「はい!!」
2人を見る。

「言ったら殺すよ?」
シアンにそう言われた。殺気ないけどこれ本気の目付き!!思わずビクッとしてしまった。
「言いません。」
もうそう言うしか無く。ボスはこの話はお終い!と笑うし。

そう言う事なんだろうな。

肉食おう・・・。
「あー!カルビ美味い!」
何事も無かった様に肉と御飯を堪能。

満腹になり焼肉屋を出る。支払いはボスが全部払ってくれた。
「ご馳走様でした!!」
食べたら後は寝る!

焼肉屋近くに見えていたそこそこ高そうな見た目のホテルに泊まれるか聞きに入った。
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