都合のいい男

美浪

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新生活

キス・・・そして

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まだ入っていなかった部屋に案内された。

ウェンの寝室。シンプルにクローゼットとベッドとベッド横の棚だけ。

ベッドはセミダブルかな。今まで2人で寝たベッドより広い。ピッタリくっついて寝ないで済むかな。

困った。何か目が覚めてしまった。

ウェンは先にベッドに入り
「おいで。」
と言った。俺は無心で眠れるだろうか。

ベッドに腰掛けてソロソロと布団の中に入る。
ギュっとウェンは俺を抱き締める。
「暖かいな。やっぱり。」
ウェンの胸の鼓動。ドキドキしてる。
好きだ。ウェンの腕も温もりもこの鼓動も。
俺もウェンを抱き締める。

あっ。ヤバい!!
ガバっとウェンを引き離す。
「何で?どうした?」
ウェンはムッとした顔で俺を見詰める。

「いや。あの。ごめん。」
今日、買い物しかしてないし。異能使って無いから・・。元気になってきた。

「おいで。」
ウェンはムッとした顔のままそう言う。

もう無理。その顔さえも見たらヤバいんだよぉ。
下半身を咄嗟に抑えた。
「え?」
ウェンの目がパチパチと俺の態度を不思議そうな顔で見た。
「ちょっと。そのね。うん。」

ウェンがそっと俺に近付いて来たかと思うとガバっと捕まえられて抱き締められた。そして確認するかの様に手が俺の下半身へ。

さ・・・さ・・触られた。
赤面と同時に終わったなと思った。

「俺に・・欲情した?」
ウェンに真顔でそう聞かれて俺の表情は赤いまま固まった。

「バカ。」
そう言ってさらにギュっと抱き締められた。
「ミナキ、可愛い。」
「あの。えっと。その。」
予想外の反応にドキドキが止まらない。

「俺・・。もう無理・・・。」
ウェンの顔が近付いて来て。

唇が重なる。
優しくてとろける様な・・。

俺、ウェンとキスしてる。

夢?
夢じゃない。

本当に優しい優しい触れるだけのキスなのに心が満たされて嬉しくて。
涙が自然と溢れる。

「ミナキ?泣いてるの?」
「嬉しくて。」
ウェンは抱き締めて頭を撫でる。

「好き。ミナキが好き。」
好きって言葉がこんなに嬉しいものとは思わなかった。
想いが通じるって何よりも幸せなんだ。

「ウェン。大好き。」
俺、もう離したくない。ずっと抱き締めていたい。
「キス・・。またしたい。」
ウェンに熱く見詰められて頷く。

「ミナキ。」
俺もウェンも止まらなかった。舌が絡む。
何度も何度も。唇を重ねる。

身体がウェンを求める。
快楽が欲しいんじゃない。
ウェンが欲しい。

「ずっと我慢してた。」
ウェンが優しく微笑む。
「俺もずっと我慢してた。」
お互いに。同じ思い。

「ミナキ。俺、優しくしたいから今日は・・その。抱けない。」
ウェンは少し寂しそうな顔をした。
なんで?

「痛いのは絶対ダメ。ゴム無いし。ローションも無いし。」
ウェンは唇をグッと噛み締めていた。

その優しさが嬉しいと同時にゴムも無いって事が何か解るかなあ!嬉しいんだよ!
多分、ずっと特定の相手居ないって事だよね。
俺、結構、嫉妬するんだな。ちょっとそう思った。

「でも大丈夫。ミナキ。」
またウェンに抱き締められる。ウェンの手ははち切れそうな俺の下半身を触る。
「あっ・・。そんなに触られたら。」
ズボンに手が入れられて直接触れられ俺の身体はビクビクと反応した。

「嬉しい。こんなに興奮してくれて。」
はぁ。はぁ。ウェンの手が俺のモノを触る。息遣いが荒くなる。気持ちいい。
「あっ。ウェン・・。」
ウェンは?俺だけこんな気持ち良くなっちゃダメだ。

俺もウェンに触れる。
ウェンの目が興奮していて俺も嬉しくなる。
「ミナキもしてくれるの?」
俺はうん。と頷いた。
ウェンの大きい。硬くなったウェンのモノに触れて更に興奮してしまう。

俺たちはお互いのモノを擦りながら激しくキスをする。
気持ち良すぎて身体がビクビクと反応する。
何もかもが気持ち良い。

「ウェン。そんなにしたら・・。もう出るぅ。」
欲情した目で出してと言われる。

ダメ・・・。俺もう
「イク・・。あっ。ウェン!」
ビクッ、ビクッと身体が震えてウェンの手の中に出した。

「ミナキ。可愛い。」
ウェンがキスをしてきて舌を絡ませる。イったばかりの俺の身体はそれだけでもビクビクと反応した。
ウェンのモノを擦ると気持ち良さそうに反応してくれる。
「嬉しい。俺もイきそ。」
ビクっとウェンの身体が反応してウェンも俺の手の中でビクビクと震えてイッてくれた。
はぁはぁとお互いに肩で息している。

照れる様な恥ずかしさが込み上げてきて見つめ合って微笑んだ。
「浄化するから。」
俺の手の中のウェンの出したものがフッと消える。

「便利な能力だよね。」
「もう1回する?」
へ?ウェンはギュっと俺を抱き締める。
甘いキス。

「俺もう聖人君子辞める。」
「何、それ?もう。ウェンのエッチ。」
もうウェン元気だし。
俺もずっと我慢してきたから歯止めきかない。

そのままもう1回。

そしてウェンの腕の中で眠りについた。
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