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諦めて下さい feat.アキラ
俺の想い
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ジュンが心配で駆け付けてみたら・・・。
まさかヒロさんの思考回路が予測不可能な状態だったとは。
恐ろしい程に思い込みの激しいタイプ。
こういう人は絶対人の言うことを聞かない。
本来は関わってはならない人種なんだよな。
さて、どうやってお引き取り願おうか。
経験上解る。説得しても堂々巡りになるだろう。
キレるか?それの効果があるのは自分が強い場合だけなんだよなあ。
うーん。明らかに喧嘩したら負けそうな風貌。
でも。何か言わなきゃ。
ヒロさんを見て次の一言を悩んでいると向こうから話しかけてきた。
「アキラ、覚えているかい?初めてチーム内でチャットを始めた時の事。」
え?えー?
俺が首を捻っているとまたヒロさんは話し出した。
「君は若いのに礼儀正しくて本当に良い子だって言うのが解ったよ。」
「そりゃあ。普通そうでしょう?過大評価し過ぎですよ。」
かなり美化されてる。
この人の言いたい事は俺と付き合いたい訳では無く独り身になって欲しいと言っていたが。
果たしてそれだけ?
もしかすると・・ヒロさんは自分に自信が無いだけか?
好きじゃなかったらアイドル化もしないよなあ。
じゃあ、路線変更だ。
「ヒロさん。残念だけどあの日、ジュンがゲームを辞めた日に2人で既に会っていたんですよ。」
きっと知らなかった事実な筈。
予想通りヒロさんの顔は激しく強ばった。
「あの日会った時、いやその前からずっと俺はジュンに恋していました。直ぐその日に告白は出来なかったけれど本当に会う前から好き。会って更に好きになった。」
畳み掛ける様に俺は惚気けた。
「無駄だったんです。ゲームを辞めても連絡取れなくなっても。俺は5年間ずっとジュンに片思いしていたから。」
ヒロさんは耳を塞いで凄い顔で睨んで来た。
「聞きたくない!!」
「聞いて下さい。」
少しキツめに俺もビシッと言い少し睨みつけた。
「俺は当時、やり取りしましたが貴方とは付き合おうとも好きにもなりませんでした。」
「初めてジュンとやり取りした事は今でも覚えています。言いたい事解りますよね?ヒロさんには興味が無かったから記憶に無いんです。」
トドメを刺す様に告げた。
「アキラさん。」
ジュンが俺の手をギュッと握った。
「うん。ヒロさんごめんなさい。俺達は別れません。」
ジュンの手をギュッと握り返した。
「クッ・・・。」
ヒロさんは苦虫を噛み潰したような顔をしたかと思うと頬にツーッと涙が伝った。
「くうぅぅ・・・!」
座り込んだ彼は顔を伏せて子供の様に泣き出した。
な・・・泣かせてしまった!!
あー。どうしよ?!
泣かないでって言いたくなるけど。それじゃダメよなあ。優しくし過ぎたらまた勘違いの元になりそうだ。
「クソ。笑えば・・良いさ!グスっ・・・。良いおっさんが。」
意地けた様に彼はブツブツ言いながら泣いていた。
俺が悪者になるのが1番丸く収まりそうだな。
「笑いませんよ。同性愛者が大変なのは俺は良く解ります。だけどね?ヒロさん。俺はアイドルでも何でも無い普通の会社員です。それはこれからも変わりません。だからお引き取り下さい。」
俺も昔は隠さないといけないと思っていたし。
実際まだ親にカミングアウトもしていない・・・。
まだまだ世の中の偏見ってあるもんなあ。
「40過ぎると相手を探すのも大変でね。」
ヒロさんは涙を拭ってボソボソと話始めた。
「昔は楽しかったなあ。」
そう言って空を見上げた。
俺にもいつか・・こんな日が来るのかな。
パートナーシップ制度なんて一部だし。
基本は同性婚は養子縁組だ。
「アキラ。」
ヒロさんは座ったまま俺の顔を見た。
「はい。」
少しの沈黙・・。5月らしい暖かい風が心地良く吹いていた。
「君は俺の元彼に似てた。勿論、若い頃のね。」
忘れられない思い出か。この人を狂わせるくらいの懐かしい過去。
「すみません。彼の代わりに慣れなくて。やっぱり俺は俺ですから。」
あまり同情するなと自分に言い聞かせながら。
言葉を選んだ。
「もう・・良いさ。」
ヒロさんはフッと苦笑し立ち上がった。
開き直ったのか彼はまた上から目線に戻りジュンの顔を睨んだ。
「大濠君・・。君、アキラを悲しませたら許さないからな!」
ドスの効いた声でジュンはビクッとなりながらも大きく頷いた。
「アキラさんを幸せにします!」
誓うようにジュンは力強く。
「あーあ。つまんねー!」
ヒロさんは頭をボリボリ掻きむしって叫んだ。
「おら!お前ら!帰るぞ!!!」
遠目で眺めて居た店の女の子達に声をかけた。
「オーナー?大丈夫ですか?」
アイちゃんがそう聞くとめちゃくちゃ睨んでる。
「大丈夫じゃねーよ!あー!失敗した!!」
ブツブツ文句を女の子達に言いながら彼女達もヒロさんも車に乗り込んだ。
車の窓が最後に開き・・。
「お幸せに!!もう二度と顔見せるな!」
子供の捨て台詞の様な憎まれ口。
ヒロさんの精一杯の意地だろう。
「お気をつけて。」
「須佐さん!俺!本当にアキラさんを幸せにします!!」
発車した車から「うるせー!」と聞こえた。
ジュンと顔を見合わせて漸く笑顔が出た。
「ジュン、お疲れ様。」
「巻き込んでごめんね。アキラさん。」
2人で手を握ったまま走り去る車を見送った・・・。
まさかヒロさんの思考回路が予測不可能な状態だったとは。
恐ろしい程に思い込みの激しいタイプ。
こういう人は絶対人の言うことを聞かない。
本来は関わってはならない人種なんだよな。
さて、どうやってお引き取り願おうか。
経験上解る。説得しても堂々巡りになるだろう。
キレるか?それの効果があるのは自分が強い場合だけなんだよなあ。
うーん。明らかに喧嘩したら負けそうな風貌。
でも。何か言わなきゃ。
ヒロさんを見て次の一言を悩んでいると向こうから話しかけてきた。
「アキラ、覚えているかい?初めてチーム内でチャットを始めた時の事。」
え?えー?
俺が首を捻っているとまたヒロさんは話し出した。
「君は若いのに礼儀正しくて本当に良い子だって言うのが解ったよ。」
「そりゃあ。普通そうでしょう?過大評価し過ぎですよ。」
かなり美化されてる。
この人の言いたい事は俺と付き合いたい訳では無く独り身になって欲しいと言っていたが。
果たしてそれだけ?
もしかすると・・ヒロさんは自分に自信が無いだけか?
好きじゃなかったらアイドル化もしないよなあ。
じゃあ、路線変更だ。
「ヒロさん。残念だけどあの日、ジュンがゲームを辞めた日に2人で既に会っていたんですよ。」
きっと知らなかった事実な筈。
予想通りヒロさんの顔は激しく強ばった。
「あの日会った時、いやその前からずっと俺はジュンに恋していました。直ぐその日に告白は出来なかったけれど本当に会う前から好き。会って更に好きになった。」
畳み掛ける様に俺は惚気けた。
「無駄だったんです。ゲームを辞めても連絡取れなくなっても。俺は5年間ずっとジュンに片思いしていたから。」
ヒロさんは耳を塞いで凄い顔で睨んで来た。
「聞きたくない!!」
「聞いて下さい。」
少しキツめに俺もビシッと言い少し睨みつけた。
「俺は当時、やり取りしましたが貴方とは付き合おうとも好きにもなりませんでした。」
「初めてジュンとやり取りした事は今でも覚えています。言いたい事解りますよね?ヒロさんには興味が無かったから記憶に無いんです。」
トドメを刺す様に告げた。
「アキラさん。」
ジュンが俺の手をギュッと握った。
「うん。ヒロさんごめんなさい。俺達は別れません。」
ジュンの手をギュッと握り返した。
「クッ・・・。」
ヒロさんは苦虫を噛み潰したような顔をしたかと思うと頬にツーッと涙が伝った。
「くうぅぅ・・・!」
座り込んだ彼は顔を伏せて子供の様に泣き出した。
な・・・泣かせてしまった!!
あー。どうしよ?!
泣かないでって言いたくなるけど。それじゃダメよなあ。優しくし過ぎたらまた勘違いの元になりそうだ。
「クソ。笑えば・・良いさ!グスっ・・・。良いおっさんが。」
意地けた様に彼はブツブツ言いながら泣いていた。
俺が悪者になるのが1番丸く収まりそうだな。
「笑いませんよ。同性愛者が大変なのは俺は良く解ります。だけどね?ヒロさん。俺はアイドルでも何でも無い普通の会社員です。それはこれからも変わりません。だからお引き取り下さい。」
俺も昔は隠さないといけないと思っていたし。
実際まだ親にカミングアウトもしていない・・・。
まだまだ世の中の偏見ってあるもんなあ。
「40過ぎると相手を探すのも大変でね。」
ヒロさんは涙を拭ってボソボソと話始めた。
「昔は楽しかったなあ。」
そう言って空を見上げた。
俺にもいつか・・こんな日が来るのかな。
パートナーシップ制度なんて一部だし。
基本は同性婚は養子縁組だ。
「アキラ。」
ヒロさんは座ったまま俺の顔を見た。
「はい。」
少しの沈黙・・。5月らしい暖かい風が心地良く吹いていた。
「君は俺の元彼に似てた。勿論、若い頃のね。」
忘れられない思い出か。この人を狂わせるくらいの懐かしい過去。
「すみません。彼の代わりに慣れなくて。やっぱり俺は俺ですから。」
あまり同情するなと自分に言い聞かせながら。
言葉を選んだ。
「もう・・良いさ。」
ヒロさんはフッと苦笑し立ち上がった。
開き直ったのか彼はまた上から目線に戻りジュンの顔を睨んだ。
「大濠君・・。君、アキラを悲しませたら許さないからな!」
ドスの効いた声でジュンはビクッとなりながらも大きく頷いた。
「アキラさんを幸せにします!」
誓うようにジュンは力強く。
「あーあ。つまんねー!」
ヒロさんは頭をボリボリ掻きむしって叫んだ。
「おら!お前ら!帰るぞ!!!」
遠目で眺めて居た店の女の子達に声をかけた。
「オーナー?大丈夫ですか?」
アイちゃんがそう聞くとめちゃくちゃ睨んでる。
「大丈夫じゃねーよ!あー!失敗した!!」
ブツブツ文句を女の子達に言いながら彼女達もヒロさんも車に乗り込んだ。
車の窓が最後に開き・・。
「お幸せに!!もう二度と顔見せるな!」
子供の捨て台詞の様な憎まれ口。
ヒロさんの精一杯の意地だろう。
「お気をつけて。」
「須佐さん!俺!本当にアキラさんを幸せにします!!」
発車した車から「うるせー!」と聞こえた。
ジュンと顔を見合わせて漸く笑顔が出た。
「ジュン、お疲れ様。」
「巻き込んでごめんね。アキラさん。」
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