42 / 53
王子とデート?と卒業までカウントダウン
メリークリスマス
しおりを挟む
「久しぶりだな。」
う・・・うん。私は黙って頷いた。
「そんなに?忙しかったのか?」
全然、気にしてない様に彼は優しく微笑んだ。
そりゃそうか。
私の気持ちは言ってない。
私だけ気不味い。
私の顔を真面目な顔をしてルーカスは見詰める。
「今日は暇そうに見えるが?」
「うん。今日はこれからベイリー家でクリスマスパーティー?だけど。」
ルーカスは軽く頷きながら呆れた様に溜息をついた。
「私も今日は城でパーティーだ。何処も同じだな。全く自由にさせて欲しいものだ。」
そっちの溜息か。
家族仲と言うか王家の皆様は仲良さそうだけど。
ルーカスはパーティーは本来はあまり好きでは無いと言っていたからかな。
「さて、アリス。今度は断るなよ?そのうちメールする。」
「・・・・。解った。強引なんだから。」
ルーカスの自信満々な顔に苦笑しながらやっぱり私はこの人と会いたいと思っているんだなあと実感した。
次・・か。気持ちが友達に戻れるかしらね。
「アリス?」
「何?」
ルーカスは優しく微笑んだ。
「メリークリスマス。」
ポケットから綺麗にラッピングされた小さな箱を取り出して私の目の前に置いた。
「これは?プレゼント?」
に見える。
「お前にやろう。じゃあまたな!」
ニヤリとちょっと照れた様でカッコつけた様な表情でルーカスはクルッと背を向けてまた王族達の元へ戻って行こうと歩きだした。
「あっ。ありがとう!!」
そう呼び止めたけど彼は振り返らずに手を振った。
「ありがとう・・・。照れてんのかしらね。」
私は目の前の小さな箱を見詰める。
このサイズは・・・指輪!?とか?
えっと。えっと?!
コソコソとポケットに仕舞う。
後で開けよう。
あぁ。どうしよう。この気持ちを忘れるとか諦めるとか・・・。
無理!!!
「ねーさん?どうしたの?ぼーっとしてるわよ?」
顔を上げるとグレースちゃんが御挨拶から戻ってきて私の目の前に立っていた。
「あっ!!えっと。ちょっとルーカスと・・ね?」
苦笑するとグレースちゃんは悪そうな顔でニヤニヤと。
「ふーん?良かったじゃない。」
冷やかされながらも私の心情は嬉しい様な嬉しくない様な複雑な気持ちだった。
帰宅後。
ベイリー家では家族だけのクリスマスパーティーが開かれた。
七面鳥の丸焼きとか初めて食べた。
ケーキも美味しかったし他の料理も凄く豪華だったけど。私の心はあのプレゼントの中身が気になって気になって仕方ない!!
普段は控えめなお酒がついつい進んでしまいフラ付きながら部屋へ戻った。
ルーカスめ!全く何考えてんのかしら!!
「それにしても。あー。飲み過ぎたわぁ!」
シャンパンとか久々だったし。
ソファにドサッと座り込む。
さて、机の上には小箱が。
大きく深呼吸して可愛いラッピングを解いていく。
やっぱり宝石っぽい。
そっと箱を開けた。
「わぁ!可愛い!!」
ハートの金のピアスだ。
ちょっとちょっと!指輪じゃなかったけど!これ・・・凄く嬉しいんだけど。
早速付けて見た。
鏡には酒で顔が赤くなった私にハートのピアスが似合ってるわね!
「かーわーいーいー!!」
テンションが高過ぎるのは酒のせい。
だけど嬉しくて舞い上がっているのは恋のせい。
「ありがと。」
ちゃんとルーカスと向き合わないとダメね。
まだ日にち変わって無い。
メール打とう。
『ルーカス!メリークリスマス!!プレゼントありがとう!本当に嬉しいわ!』
うん。本当に嬉しい。
私のメールから何分もしないうちにルーカスから着信が。
「気に入ったか?」
「ありがとう。凄く可愛い。」
良かったとルーカスは少し笑いながら嬉しそうな声。
たわいも無い話は久しぶりだ。
「今度、そのピアスを付けて見せに来い。」
また上からぁ。でも、私の顔は綻んでいた。
「解った。そうする。」
少し沈黙の後でルーカスは言った。
「メリークリスマス。良い夢を。」
「メリークリスマス。ルーカスもね。」
そう言って電話を切った。
やっぱり好きだわ。
叶わない恋だけど。貴方に婚約者が出来るまで。
私は傍に居たい。
募る想いを胸にクリスマスの夜は更けていった。
う・・・うん。私は黙って頷いた。
「そんなに?忙しかったのか?」
全然、気にしてない様に彼は優しく微笑んだ。
そりゃそうか。
私の気持ちは言ってない。
私だけ気不味い。
私の顔を真面目な顔をしてルーカスは見詰める。
「今日は暇そうに見えるが?」
「うん。今日はこれからベイリー家でクリスマスパーティー?だけど。」
ルーカスは軽く頷きながら呆れた様に溜息をついた。
「私も今日は城でパーティーだ。何処も同じだな。全く自由にさせて欲しいものだ。」
そっちの溜息か。
家族仲と言うか王家の皆様は仲良さそうだけど。
ルーカスはパーティーは本来はあまり好きでは無いと言っていたからかな。
「さて、アリス。今度は断るなよ?そのうちメールする。」
「・・・・。解った。強引なんだから。」
ルーカスの自信満々な顔に苦笑しながらやっぱり私はこの人と会いたいと思っているんだなあと実感した。
次・・か。気持ちが友達に戻れるかしらね。
「アリス?」
「何?」
ルーカスは優しく微笑んだ。
「メリークリスマス。」
ポケットから綺麗にラッピングされた小さな箱を取り出して私の目の前に置いた。
「これは?プレゼント?」
に見える。
「お前にやろう。じゃあまたな!」
ニヤリとちょっと照れた様でカッコつけた様な表情でルーカスはクルッと背を向けてまた王族達の元へ戻って行こうと歩きだした。
「あっ。ありがとう!!」
そう呼び止めたけど彼は振り返らずに手を振った。
「ありがとう・・・。照れてんのかしらね。」
私は目の前の小さな箱を見詰める。
このサイズは・・・指輪!?とか?
えっと。えっと?!
コソコソとポケットに仕舞う。
後で開けよう。
あぁ。どうしよう。この気持ちを忘れるとか諦めるとか・・・。
無理!!!
「ねーさん?どうしたの?ぼーっとしてるわよ?」
顔を上げるとグレースちゃんが御挨拶から戻ってきて私の目の前に立っていた。
「あっ!!えっと。ちょっとルーカスと・・ね?」
苦笑するとグレースちゃんは悪そうな顔でニヤニヤと。
「ふーん?良かったじゃない。」
冷やかされながらも私の心情は嬉しい様な嬉しくない様な複雑な気持ちだった。
帰宅後。
ベイリー家では家族だけのクリスマスパーティーが開かれた。
七面鳥の丸焼きとか初めて食べた。
ケーキも美味しかったし他の料理も凄く豪華だったけど。私の心はあのプレゼントの中身が気になって気になって仕方ない!!
普段は控えめなお酒がついつい進んでしまいフラ付きながら部屋へ戻った。
ルーカスめ!全く何考えてんのかしら!!
「それにしても。あー。飲み過ぎたわぁ!」
シャンパンとか久々だったし。
ソファにドサッと座り込む。
さて、机の上には小箱が。
大きく深呼吸して可愛いラッピングを解いていく。
やっぱり宝石っぽい。
そっと箱を開けた。
「わぁ!可愛い!!」
ハートの金のピアスだ。
ちょっとちょっと!指輪じゃなかったけど!これ・・・凄く嬉しいんだけど。
早速付けて見た。
鏡には酒で顔が赤くなった私にハートのピアスが似合ってるわね!
「かーわーいーいー!!」
テンションが高過ぎるのは酒のせい。
だけど嬉しくて舞い上がっているのは恋のせい。
「ありがと。」
ちゃんとルーカスと向き合わないとダメね。
まだ日にち変わって無い。
メール打とう。
『ルーカス!メリークリスマス!!プレゼントありがとう!本当に嬉しいわ!』
うん。本当に嬉しい。
私のメールから何分もしないうちにルーカスから着信が。
「気に入ったか?」
「ありがとう。凄く可愛い。」
良かったとルーカスは少し笑いながら嬉しそうな声。
たわいも無い話は久しぶりだ。
「今度、そのピアスを付けて見せに来い。」
また上からぁ。でも、私の顔は綻んでいた。
「解った。そうする。」
少し沈黙の後でルーカスは言った。
「メリークリスマス。良い夢を。」
「メリークリスマス。ルーカスもね。」
そう言って電話を切った。
やっぱり好きだわ。
叶わない恋だけど。貴方に婚約者が出来るまで。
私は傍に居たい。
募る想いを胸にクリスマスの夜は更けていった。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢の反撃の日々
くも
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


ヒロインだって楽じゃない
ポポロ
恋愛
一介の商人だった父が未曾有の飢饉を通じて男爵家に格上げ。
貴族社会の仲間入りに、寄宿学校への入学?!
しかも入学してみたら、学校一のイケメンに気に入られたせいで、女子のイジメとやっかみの対象に。
いやいや、こんな生活望んでません!!
地味に生きたいヒロインの苦労系ラブコメディー

変な転入生が現れましたので色々ご指摘さしあげたら、悪役令嬢呼ばわりされましたわ
奏音 美都
恋愛
上流階級の貴族子息や令嬢が通うロイヤル学院に、庶民階級からの特待生が転入してきましたの。
スチュワートやロナルド、アリアにジョセフィーンといった名前が並ぶ中……ハルコだなんて、おかしな

王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる