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アンディー君のお誕生日
変人王子
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私の顔を見てジュリエットの顔を見て。
首を傾げるルーカス王子。
パッチリした二重の瞳はグリーン。髪は金髪ベースの茶色。
高貴な顔立ちと言う言葉が似合う。
しかし、やってしまったわぁ。
2人のダンスを止めるためとは言え・・本当に穴があったら入りたいとは正にこれだ。
ただ曲が流れ初めてダンスが始まった。
と・・・とりあえず今、ダンスは止めたわよ。
次でやっぱりジュリエットと王子は踊るのかしら?
王子は溜息をついて一瞬、眉間に皺を寄せたが無表情に戻った。
「えーと?先ずは君。」
ルーカス王子はジュリエットを見た。
「君は私を知っているかもしれないが私は君を知らない。故に踊る気は無いよ。諦めたまえ。」
顔色1つ変えずに王子はそう言った。
「そんな。お願いします。ずっと、私は貴方とお会いしたかったんです。」
ジュリエットは食い下がる。
あーあー。目を潤ませちゃって。攻撃が止まらないわね。
私達の遠巻きに居る男共の顔!
もう俺が誘いますって顔じゃない。
「ちなみに名字は何?」
普通の男ならイチコロの攻撃にもアッサリとした反応だ。
「ホワイトです。ジュリエット・ホワイトと申します。」
ジュリエットは更に両手を胸の前に組んでズイっとまた1歩王子に近付いた。
「知らない。元爵位のある家庭では無いね。では、帰りたまえ。」
見下してる感たっぷりの顔だった。
わー。私もちょっと嫌なタイプだわ。
で、私は何と断られるのかしら?
まあ?ムカつく事言われても仕方ないわね。
「えーと。君は?名前は?」
そう聞かれて自己紹介まだだったと思った。
ちゃんとフルネームで言わないと失礼よねぇ。
「ケンタロウ・アリスガワよ。アリスって呼んでね?」
王子の顔色が変わった。悪い方にじゃなくて。
ある意味良い方?
「じゃあ!アリス!君は男性だよね?私と踊りたいのかい?」
「そうよ。男性だけど心は乙女ですもの。」
もうなる様になれ!!
王子は目をパチパチさせて私の目を見詰めた。
そして、クスクス笑い出す。
「面白い者を見付けたぞ!良い!アリス、私と踊ろうじゃないか!!」
はー???まじか。
面白い者って・・・。
「ちょっ!ちょっと何でそんなオカマと?私を断ってオカマと!?」
ジュリエット・・・。あんた2回もオカマって言ったわね。オカマって呼び方は禁句よお嬢ちゃん。
「その呼び方!失礼な女ね。ふん!悔しい?残念ねぇ。」
「お前とは踊らないと言ったが?さっさと消えろ。」
王子に睨まれてジュリエットは涙目でその場から離れた。
はぁ。疲れた。
しかし、この王子。変人かしら・・。
「アリス!ところで君は留学生かい?外国人みたいだが。ローラン家とはどう言う関係なんだい?」
「あぁ。私はベイリー家に居候しているの。」
王子は結構グイグイと質問してくる。
「ベイリー家か私の弟の婚約者の弟での婚約者の家か。ごちゃごちゃだな。」
「確かにそうですね。」
曲が終わった。
まじで踊るの?!
踊るみたいだわ・・・。
王子は私の手を取り満面の笑みで会場中央へ連れて行く。
言うまでも無く会場にはざわめきが。
目が合ったグレースちゃんだけは嬉しそうだ。
ジュリエットはー?
はいはい。他の男性ゲットしてますね。
あの後、直ぐに誘われた様だ。
同じ場所で踊るのって何か嫌なんだけど仕方ない。
って・・・。
「良く考えたら私、踊れないわ。」
社交ダンスなんてした事ない!
「あははは。大丈夫だ。私に合わせれば良い!」
王子は私の心配はそっちのけで踊る気満々。
本当になんと言うかこの年まで婚約者無しって解るわ。
変人王子だもの。
顔は良いけど。難ありだわ。
ダンスって!!!!
思ったより密着するのね。
久しぶりに・・・男性の手を取り腰を抱かれたわ。
「上手いじゃないか。きちんと踊れているよ。」
耳元で王子がそっと囁く。
近い近い近いぃぃ!
「ルーカス王子って。変わってますよね。」
「変わってるか?そうだね。私にそんな発言をする貴方に益々興味が湧いたよ。」
嫌味通じないわー。
「男と踊ったのは初めてだ。見てみろ。会場の好奇の目とざわつき。」
今にも吹き出しそうな顔でそれは嬉しそう。
「変人王子・・・。」
もう、どうとでもなれ。
「あはははは。変人。確かに!」
曲が終わり。一応、拍手はされた。
ダンスタイムは程なくして終わりジュリエットは目当ての男性とは踊れないという。無事に任務達成した。
そして、私はルーカス王子に何故か気に入られると言う形で誕生日パーティーはお開きとなったのであった。
首を傾げるルーカス王子。
パッチリした二重の瞳はグリーン。髪は金髪ベースの茶色。
高貴な顔立ちと言う言葉が似合う。
しかし、やってしまったわぁ。
2人のダンスを止めるためとは言え・・本当に穴があったら入りたいとは正にこれだ。
ただ曲が流れ初めてダンスが始まった。
と・・・とりあえず今、ダンスは止めたわよ。
次でやっぱりジュリエットと王子は踊るのかしら?
王子は溜息をついて一瞬、眉間に皺を寄せたが無表情に戻った。
「えーと?先ずは君。」
ルーカス王子はジュリエットを見た。
「君は私を知っているかもしれないが私は君を知らない。故に踊る気は無いよ。諦めたまえ。」
顔色1つ変えずに王子はそう言った。
「そんな。お願いします。ずっと、私は貴方とお会いしたかったんです。」
ジュリエットは食い下がる。
あーあー。目を潤ませちゃって。攻撃が止まらないわね。
私達の遠巻きに居る男共の顔!
もう俺が誘いますって顔じゃない。
「ちなみに名字は何?」
普通の男ならイチコロの攻撃にもアッサリとした反応だ。
「ホワイトです。ジュリエット・ホワイトと申します。」
ジュリエットは更に両手を胸の前に組んでズイっとまた1歩王子に近付いた。
「知らない。元爵位のある家庭では無いね。では、帰りたまえ。」
見下してる感たっぷりの顔だった。
わー。私もちょっと嫌なタイプだわ。
で、私は何と断られるのかしら?
まあ?ムカつく事言われても仕方ないわね。
「えーと。君は?名前は?」
そう聞かれて自己紹介まだだったと思った。
ちゃんとフルネームで言わないと失礼よねぇ。
「ケンタロウ・アリスガワよ。アリスって呼んでね?」
王子の顔色が変わった。悪い方にじゃなくて。
ある意味良い方?
「じゃあ!アリス!君は男性だよね?私と踊りたいのかい?」
「そうよ。男性だけど心は乙女ですもの。」
もうなる様になれ!!
王子は目をパチパチさせて私の目を見詰めた。
そして、クスクス笑い出す。
「面白い者を見付けたぞ!良い!アリス、私と踊ろうじゃないか!!」
はー???まじか。
面白い者って・・・。
「ちょっ!ちょっと何でそんなオカマと?私を断ってオカマと!?」
ジュリエット・・・。あんた2回もオカマって言ったわね。オカマって呼び方は禁句よお嬢ちゃん。
「その呼び方!失礼な女ね。ふん!悔しい?残念ねぇ。」
「お前とは踊らないと言ったが?さっさと消えろ。」
王子に睨まれてジュリエットは涙目でその場から離れた。
はぁ。疲れた。
しかし、この王子。変人かしら・・。
「アリス!ところで君は留学生かい?外国人みたいだが。ローラン家とはどう言う関係なんだい?」
「あぁ。私はベイリー家に居候しているの。」
王子は結構グイグイと質問してくる。
「ベイリー家か私の弟の婚約者の弟での婚約者の家か。ごちゃごちゃだな。」
「確かにそうですね。」
曲が終わった。
まじで踊るの?!
踊るみたいだわ・・・。
王子は私の手を取り満面の笑みで会場中央へ連れて行く。
言うまでも無く会場にはざわめきが。
目が合ったグレースちゃんだけは嬉しそうだ。
ジュリエットはー?
はいはい。他の男性ゲットしてますね。
あの後、直ぐに誘われた様だ。
同じ場所で踊るのって何か嫌なんだけど仕方ない。
って・・・。
「良く考えたら私、踊れないわ。」
社交ダンスなんてした事ない!
「あははは。大丈夫だ。私に合わせれば良い!」
王子は私の心配はそっちのけで踊る気満々。
本当になんと言うかこの年まで婚約者無しって解るわ。
変人王子だもの。
顔は良いけど。難ありだわ。
ダンスって!!!!
思ったより密着するのね。
久しぶりに・・・男性の手を取り腰を抱かれたわ。
「上手いじゃないか。きちんと踊れているよ。」
耳元で王子がそっと囁く。
近い近い近いぃぃ!
「ルーカス王子って。変わってますよね。」
「変わってるか?そうだね。私にそんな発言をする貴方に益々興味が湧いたよ。」
嫌味通じないわー。
「男と踊ったのは初めてだ。見てみろ。会場の好奇の目とざわつき。」
今にも吹き出しそうな顔でそれは嬉しそう。
「変人王子・・・。」
もう、どうとでもなれ。
「あはははは。変人。確かに!」
曲が終わり。一応、拍手はされた。
ダンスタイムは程なくして終わりジュリエットは目当ての男性とは踊れないという。無事に任務達成した。
そして、私はルーカス王子に何故か気に入られると言う形で誕生日パーティーはお開きとなったのであった。
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