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番外編
クライスとケビンの1年後
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卒業後も日々、慌ただしく。本当に仕事しまくった1年間。
暇な合間も勿論あったけれど・・・。
実は僕とクライスは1年経った今もまだ清い関係なのだ。
考えてみるとお互いの家が無人になる事は全く無い。親は不在でもメイドや執事とかがいる。
非常にハイリスクであった。
そして今、クライスがとんでもない事を言い出したのだ。
「一緒に住むってどういう事かクライスは解っているの?」
「2人でずっと一緒に居たい。」
気持ちは良く解る。僕も同棲したい。
だがしかし。現状お互いの家事スキルは殆ど無いに等しい。
「クライス。ご飯はどうする気?料理人を連れて行くの?洗濯出来る?掃除はまあ?多分出来るとしても。」
お金はある。出来るんなら速攻で家を借りるくらいの貯金あるし。
問題は親を説得出来るかどうかだ。
「うちはまだ煩く無いよ。クライスの家は流石に問題あるだろう?」
しまった・・・。黙り込むクライス。
傷付けたか。
「ケビン。やっぱり無理なのかなあ?」
そう言われると辛い。将来的には絶対一緒に住もうと思っては居た。
「僕らには下準備が足りない。先ずは何か料理を作れる様になる事。最低でもパスタを茹でるとかピザ生地を作れるとかさ。」
クライスがうんうんと頷く。
「後は洗濯を覚える。僕が家事を全部やる事になったらさあ。多分、フェアじゃないって僕がイライラしそうなんだよね。」
僕は家事分担しないと無理そうな性格。得意で好きなら良いんだが前世から特別家事が好きでは無いダメな所があった。一人暮らしならOKなんだろうけれど2人でとなるときっと無理。
専業主婦になる訳にはいかないし。
「頑張って覚える。絶対に2人で住みたい。」
「うん。そう言ってくれると思ってた!僕も頑張って覚える。何でも出来る様になってクライスの御両親を説得する。」
僕がそう言うと本当に嬉しそうな顔をするクライス。
あー。本当に可愛い。
「クライス。来週、2人で近場に旅行に行かない?ノネットは休み貰おうよ。」
お互い今、足りていないのは2人っきりの時間。
「うん。2人で?良いの?」
ワクワクした顔が僕の目を見詰める。
「勿論。国内旅行1泊か2泊くらいでさ。」
なるべくノネットが売れていない地域。コンサートツアーに行っていない所かな。
テレビがまだ無い世界と言うのはこういう時助かるな。
うちの国民はプライベートを邪魔する事はしないがやっぱり何となくね。
翌週。
休みを貰って2人旅。
ミュッツェと言う市に決めた。ネット社会慣れしていた時代と違ってホテル捜しと予約が面倒だったけれど平日だったし高級ホテルのツインを予約。
「飛行船だと直ぐに着いたね!」
「国内だしねー。いやあ、知らない土地ってワクワクする!」
そういや2人っきりのデートって言うのもかなり久々だ。
年がら年中、ノネットメンバーと共にしてるし。
「おっ。たまには買い物しようよ。」
結構大きい紳士服の店を発見。
「うん!行きたい!」
楽しい。普通に楽しいぞ。
今、必要だったのはやっぱりデートだ。
「ネクタイお揃いにしようよ。」
「うんうん。同じの?色違い?」
あー。悩むなあ。
「こっちは同じので。こっちは色違い!」
「買っちゃおか!!」
オソロコーデとかしちゃうカップルって痛いと昔は思っていたが。
自分の立場になると良いな!!
クライスも嬉しそうだし。
その後は良さそうなカフェで昼ご飯。
「ここのパン美味しい!」
「うん。この味はなかなか出せないね。」
バターたっぷりでフワフワだ。
「お土産買おうか?」
「焼き菓子なら良いよね!」
ノネット皆にお土産も購入。
街を沢山散策してホテルへチェックイン。
「広い!綺麗だよ!ケビン!」
「おー。本当だ。良いねえ。」
ツインの部屋だけど1つのベッドがセミダブルはあるな。等と先ずそっちに目が行く自分。
余裕無いなあ。
晩御飯はホテルのディナー。
これも大満足だ。ミュッツェ市良いな。
この時代にネットのホテルの評価とか付けられるなら☆5付けてあげるのに。
ボードウェンのホテルは割と値段に見合うサービスや部屋や料理。
だから高いと豪華。
「ケビンとずっと一緒ってやっぱり幸せだ。」
「うん。本当に。」
ホテルの最上階のレストランから見える景色もロマンチックだあ。
すっかり幸せモードで盛り上がった僕らだけど・・・。
そう。今日はするのです!
僕はそう決めてきた。
部屋に戻るとクライスがソファに腰掛けた。
「ケビン・・・。えーと。イチャイチャしたい。」
「うん。勿論。」
こう言うの初めてだからドキドキするけれど。クライスの隣にそっと腰掛けた。
クライスがギュッと肩を抱いてくる。
「ケビン。大好き。」
チュッとクライスがキスをしてくる。
舌が絡む。甘いキス。
僕らは1年でキスだけは上手くなった。
「クライス。今日は最後までしたい。」
そう言うとクライスは頬を赤くする。
「うん・・・。したい。」
可愛いなあ。クライス。
僕もドキドキしてる。本当に大丈夫か不安だけれど。
「えーと。一緒にお風呂入ろうか。」
「え!?」
僕としては一大決心。だけどどうせするなら風呂でもイチャイチャだ。
お互いの全裸を見るのは初めてだ。
好きって凄いな・・・。クライスも元気だし僕もだ。
「ケビン。」
「クライス。」
肌が触れて抱き合うとお互いの熱が伝わって。より愛しさが増した。
「1回・・抜いとく?」
ちょっと僕から言うのも何だけど。
収まる気がしない。
「ケビン・・。気持ち・・良い。」
「ん・・。僕も・・・。」
やり出すと止まらなもので。
お風呂後にはベッドに一緒に入った。
正直凄く時間かかったけれど。
その日僕らは漸くエッチをした。
目覚めてクライスが寝てる姿が可愛い。
そして、僕は少々、身体が痛い。
これは慣れだろうな・・・。
その1年後、僕らは同棲生活を始める事になる。
暇な合間も勿論あったけれど・・・。
実は僕とクライスは1年経った今もまだ清い関係なのだ。
考えてみるとお互いの家が無人になる事は全く無い。親は不在でもメイドや執事とかがいる。
非常にハイリスクであった。
そして今、クライスがとんでもない事を言い出したのだ。
「一緒に住むってどういう事かクライスは解っているの?」
「2人でずっと一緒に居たい。」
気持ちは良く解る。僕も同棲したい。
だがしかし。現状お互いの家事スキルは殆ど無いに等しい。
「クライス。ご飯はどうする気?料理人を連れて行くの?洗濯出来る?掃除はまあ?多分出来るとしても。」
お金はある。出来るんなら速攻で家を借りるくらいの貯金あるし。
問題は親を説得出来るかどうかだ。
「うちはまだ煩く無いよ。クライスの家は流石に問題あるだろう?」
しまった・・・。黙り込むクライス。
傷付けたか。
「ケビン。やっぱり無理なのかなあ?」
そう言われると辛い。将来的には絶対一緒に住もうと思っては居た。
「僕らには下準備が足りない。先ずは何か料理を作れる様になる事。最低でもパスタを茹でるとかピザ生地を作れるとかさ。」
クライスがうんうんと頷く。
「後は洗濯を覚える。僕が家事を全部やる事になったらさあ。多分、フェアじゃないって僕がイライラしそうなんだよね。」
僕は家事分担しないと無理そうな性格。得意で好きなら良いんだが前世から特別家事が好きでは無いダメな所があった。一人暮らしならOKなんだろうけれど2人でとなるときっと無理。
専業主婦になる訳にはいかないし。
「頑張って覚える。絶対に2人で住みたい。」
「うん。そう言ってくれると思ってた!僕も頑張って覚える。何でも出来る様になってクライスの御両親を説得する。」
僕がそう言うと本当に嬉しそうな顔をするクライス。
あー。本当に可愛い。
「クライス。来週、2人で近場に旅行に行かない?ノネットは休み貰おうよ。」
お互い今、足りていないのは2人っきりの時間。
「うん。2人で?良いの?」
ワクワクした顔が僕の目を見詰める。
「勿論。国内旅行1泊か2泊くらいでさ。」
なるべくノネットが売れていない地域。コンサートツアーに行っていない所かな。
テレビがまだ無い世界と言うのはこういう時助かるな。
うちの国民はプライベートを邪魔する事はしないがやっぱり何となくね。
翌週。
休みを貰って2人旅。
ミュッツェと言う市に決めた。ネット社会慣れしていた時代と違ってホテル捜しと予約が面倒だったけれど平日だったし高級ホテルのツインを予約。
「飛行船だと直ぐに着いたね!」
「国内だしねー。いやあ、知らない土地ってワクワクする!」
そういや2人っきりのデートって言うのもかなり久々だ。
年がら年中、ノネットメンバーと共にしてるし。
「おっ。たまには買い物しようよ。」
結構大きい紳士服の店を発見。
「うん!行きたい!」
楽しい。普通に楽しいぞ。
今、必要だったのはやっぱりデートだ。
「ネクタイお揃いにしようよ。」
「うんうん。同じの?色違い?」
あー。悩むなあ。
「こっちは同じので。こっちは色違い!」
「買っちゃおか!!」
オソロコーデとかしちゃうカップルって痛いと昔は思っていたが。
自分の立場になると良いな!!
クライスも嬉しそうだし。
その後は良さそうなカフェで昼ご飯。
「ここのパン美味しい!」
「うん。この味はなかなか出せないね。」
バターたっぷりでフワフワだ。
「お土産買おうか?」
「焼き菓子なら良いよね!」
ノネット皆にお土産も購入。
街を沢山散策してホテルへチェックイン。
「広い!綺麗だよ!ケビン!」
「おー。本当だ。良いねえ。」
ツインの部屋だけど1つのベッドがセミダブルはあるな。等と先ずそっちに目が行く自分。
余裕無いなあ。
晩御飯はホテルのディナー。
これも大満足だ。ミュッツェ市良いな。
この時代にネットのホテルの評価とか付けられるなら☆5付けてあげるのに。
ボードウェンのホテルは割と値段に見合うサービスや部屋や料理。
だから高いと豪華。
「ケビンとずっと一緒ってやっぱり幸せだ。」
「うん。本当に。」
ホテルの最上階のレストランから見える景色もロマンチックだあ。
すっかり幸せモードで盛り上がった僕らだけど・・・。
そう。今日はするのです!
僕はそう決めてきた。
部屋に戻るとクライスがソファに腰掛けた。
「ケビン・・・。えーと。イチャイチャしたい。」
「うん。勿論。」
こう言うの初めてだからドキドキするけれど。クライスの隣にそっと腰掛けた。
クライスがギュッと肩を抱いてくる。
「ケビン。大好き。」
チュッとクライスがキスをしてくる。
舌が絡む。甘いキス。
僕らは1年でキスだけは上手くなった。
「クライス。今日は最後までしたい。」
そう言うとクライスは頬を赤くする。
「うん・・・。したい。」
可愛いなあ。クライス。
僕もドキドキしてる。本当に大丈夫か不安だけれど。
「えーと。一緒にお風呂入ろうか。」
「え!?」
僕としては一大決心。だけどどうせするなら風呂でもイチャイチャだ。
お互いの全裸を見るのは初めてだ。
好きって凄いな・・・。クライスも元気だし僕もだ。
「ケビン。」
「クライス。」
肌が触れて抱き合うとお互いの熱が伝わって。より愛しさが増した。
「1回・・抜いとく?」
ちょっと僕から言うのも何だけど。
収まる気がしない。
「ケビン・・。気持ち・・良い。」
「ん・・。僕も・・・。」
やり出すと止まらなもので。
お風呂後にはベッドに一緒に入った。
正直凄く時間かかったけれど。
その日僕らは漸くエッチをした。
目覚めてクライスが寝てる姿が可愛い。
そして、僕は少々、身体が痛い。
これは慣れだろうな・・・。
その1年後、僕らは同棲生活を始める事になる。
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