354 / 369
もうすぐ卒業
しおりを挟む
年が明けて段々と卒業シーズンとなってきた。
私達は次のコンサートの曲を決めたり結婚式の準備をしたりと何かと忙しい毎日だ。
「答辞って王子?」
成績1番だもんなあ。
「ピアノ何弾きましょうかねぇ。卒業式ってやはりクラシックですもんね。」
と言いつつ何か私達へ期待している。
「会長、何かピアノ曲って何か無いんですか?」
会長がまた難しい事聞くねーと苦笑した。
「超絶技巧曲とか弾いたら?」
ジョージに言われて王子は黙る。
「良いよなあ。たまには真面目にそう言うのも。」
私も昔は結構良い感じだったけどとピアノに触れる。
パガニーニ超絶技巧練習曲。
ぐはっ。指訛ってるなあ。
「姐さん、流石だね。」
「全く、声楽科の癖に。」
カインに褒められキャサリンに嘆かれる。
「いやー?昔はもう少し弾けた記憶が。ダメだな。」
こんなレッスンルームでの日々がもう少しで終わると思うと寂しいものだ。
「まあ、ジェファーソンの答辞は後回しで卒業後のコンサートはやっぱり卒業ソングにしたいよね。」
会長は幾つか考えているんだ。と嬉しそうに言った。
「私も考えたわよ。栄光の架橋!」
会長は来たー!名曲と満足そうだ。楽譜と歌詞を見せて貰うとこれは感動するなと想像がついた。
「僕はね。中島みゆきの糸。後、時代。」
「それは解るかも。やっぱり知ってる。名曲だ。」
うん。コンサートにぴったり。
「あんまり泣かせる曲ばかりも何だから後は明るめの曲かなあ?」
春の曲とかも良いかなーと会長はウキウキしている。
そうか。何か会長が嬉しそうだと思って見ていたのだが。
私達が卒業したら同じ立場だもんなあ。
もっとコンサートも地方公演や海外公演も出来るし。
レコード販売や曲作りも何時でも出来るようになるし。
「あっ。森山直太朗のさくら独唱も追加しよう。」
「良いわねー。」
会長とキャサリンがコンサートの新曲を着々と進めるのを王子が詰まらなさそうに見ている。
ピアノ曲か。悩むよなあ。
前世ではピアノのピの字も弾いてなかったし。
「あっ。待てよ?」
記憶にある曲があるある。
戦場のメリークリスマス?映画はそうだったが曲名は記憶に無い。
試しに弾いてみる。
「何のピアノ曲?!」
王子は食いつく。
「あー。懐かしいねー。映画見た事無いけど。曲は知ってる。」
と会長とキャサリンはそう言った。
「それ。弾こうかな。」
王子が皆が知らない曲って良いですよねぇとしみじみと言うが。
「卒業って言うか?戦場のメリークリスマスって話の曲なんだけどな。」
場違いと言えばそう。
王子は悩みながら少しアレンジして題名は誤魔化したらいけるかなあ?と決断。
「後で大司教さんに題名聞いとくよ。あの人なら何でも知ってそうだし。」
「お願いします。」
うん。大司教さんなら知ってるだろう。
「本当にもう直ぐ卒業ですね。」
エミリアもちょっと寂しそうにレッスンルームを眺める様に見渡した。
日常が変わる事への不安と期待。
皆、そんな思い。
卒業まであと少し。
私達は次のコンサートの曲を決めたり結婚式の準備をしたりと何かと忙しい毎日だ。
「答辞って王子?」
成績1番だもんなあ。
「ピアノ何弾きましょうかねぇ。卒業式ってやはりクラシックですもんね。」
と言いつつ何か私達へ期待している。
「会長、何かピアノ曲って何か無いんですか?」
会長がまた難しい事聞くねーと苦笑した。
「超絶技巧曲とか弾いたら?」
ジョージに言われて王子は黙る。
「良いよなあ。たまには真面目にそう言うのも。」
私も昔は結構良い感じだったけどとピアノに触れる。
パガニーニ超絶技巧練習曲。
ぐはっ。指訛ってるなあ。
「姐さん、流石だね。」
「全く、声楽科の癖に。」
カインに褒められキャサリンに嘆かれる。
「いやー?昔はもう少し弾けた記憶が。ダメだな。」
こんなレッスンルームでの日々がもう少しで終わると思うと寂しいものだ。
「まあ、ジェファーソンの答辞は後回しで卒業後のコンサートはやっぱり卒業ソングにしたいよね。」
会長は幾つか考えているんだ。と嬉しそうに言った。
「私も考えたわよ。栄光の架橋!」
会長は来たー!名曲と満足そうだ。楽譜と歌詞を見せて貰うとこれは感動するなと想像がついた。
「僕はね。中島みゆきの糸。後、時代。」
「それは解るかも。やっぱり知ってる。名曲だ。」
うん。コンサートにぴったり。
「あんまり泣かせる曲ばかりも何だから後は明るめの曲かなあ?」
春の曲とかも良いかなーと会長はウキウキしている。
そうか。何か会長が嬉しそうだと思って見ていたのだが。
私達が卒業したら同じ立場だもんなあ。
もっとコンサートも地方公演や海外公演も出来るし。
レコード販売や曲作りも何時でも出来るようになるし。
「あっ。森山直太朗のさくら独唱も追加しよう。」
「良いわねー。」
会長とキャサリンがコンサートの新曲を着々と進めるのを王子が詰まらなさそうに見ている。
ピアノ曲か。悩むよなあ。
前世ではピアノのピの字も弾いてなかったし。
「あっ。待てよ?」
記憶にある曲があるある。
戦場のメリークリスマス?映画はそうだったが曲名は記憶に無い。
試しに弾いてみる。
「何のピアノ曲?!」
王子は食いつく。
「あー。懐かしいねー。映画見た事無いけど。曲は知ってる。」
と会長とキャサリンはそう言った。
「それ。弾こうかな。」
王子が皆が知らない曲って良いですよねぇとしみじみと言うが。
「卒業って言うか?戦場のメリークリスマスって話の曲なんだけどな。」
場違いと言えばそう。
王子は悩みながら少しアレンジして題名は誤魔化したらいけるかなあ?と決断。
「後で大司教さんに題名聞いとくよ。あの人なら何でも知ってそうだし。」
「お願いします。」
うん。大司教さんなら知ってるだろう。
「本当にもう直ぐ卒業ですね。」
エミリアもちょっと寂しそうにレッスンルームを眺める様に見渡した。
日常が変わる事への不安と期待。
皆、そんな思い。
卒業まであと少し。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【完結】100日後に処刑されるイグワーナ(悪役令嬢)は抜け毛スキルで無双する
みねバイヤーン
恋愛
せっかく悪役令嬢に転生したのに、もう断罪イベント終わって、牢屋にぶち込まれてるんですけどー。これは100日後に処刑されるイグワーナが、抜け毛操りスキルを使って無双し、自分を陥れた第一王子と聖女の妹をざまぁする、そんな物語。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる