ヤンキー乙女ゲームの主人公になる!虐め?上等!夜露死苦!

美浪

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クリスマスミサコンサート

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本日はクリスマスミサコンサート。

教会の大礼拝堂は今年も満員御礼。そしてガヤガヤと座れずに外にも人が溢れていた。

「去年より増えましたねー。」
王子が控え室からそっと覗き見。
「若い人が増えたかも。」
そうそう。御令嬢や御子息率が本当に増えた。

大司教さんが出て来たので私達も控え室の扉を閉めた。

「着替えるか。」
ちゃんと伸びた身長に合わせてサンタ衣装は補正済。

「ジョージは本当に伸びたよなあ。」
補正していて思った。
「165センチになったよ。でもそろそろ限界かも。」
ジョージは他の男性陣を見て溜息を付いた。
皆、デカいもんなあ。
それがサンタ衣装になると可愛くなる。

「ミサコンサートも3回目。本当に早いわね。」
昨日、キャサリンはウエディングドレス選びをしたらしい。キャサリンのドレス姿って可愛いだろうなあ。王子じゃないけどワクワクする。
ちなみに私達は単車で楽しく郊外へ行ってきた。
今日が私の18歳の成人式に当たるのでマッケンジー家でお祝いする事になっている。初飲酒だ。

「普通の賛美歌も良いよね。」
会長が扉の外から聞こえる大学生コーラスをしみじみと聞き入っている。

「うん。ある意味歌えなくなったからなあ。ロックアレンジとかにしてみるか?」
ルイスも隣で頷く。
お客さんの望んでいるのは新しい曲。
それは仕方ないんだけどたまにはクラシックも歌いたいと思う私達。

「さあ、お待ちかね。ノネット・クライムの皆様に今年も登場して頂きましょう。」

大司教さんがそう言った途端。
拍手が巻き起こった。
「行きますか!」
王子が扉に手を掛ける。
「今年も頑張ろー!」「おー!!」

登場と共に更に拍手は大きくなった。

礼拝者の皆様。今日はクリスマスで神様に祈りに来たんだろー?
ノリはもうコンサートだ。

「メリークリスマス!!」
王子がフランクに挨拶をするとメリークリスマス!!と合わせた様に大きな声が返って来た。
「今年もノネット・クライムのクリスマスミサコンサート楽しんで下さいね。」
わっ!!と歓声が起きる。

「曲は明るい曲とちょっとしっとりした冬の曲を御用意しました。」

「では1曲目。ノネットのクリスマス」
拍手と歓声が起こった。
この作詞作曲オリジナル曲。多分大丈夫だと思うけれど。少し緊張する。
メインボーカルは交代で歌ったりハモったりする事にした。ピアノは王子でギターはルイス。

「今年も皆にお届けするよ。」

「ノネットのクリスマスソング。」

「受け取ってね。  僕らの愛のメッセージ。」

「皆と一緒に過したいんだ!」

「キラキラのネオン。」

「ピカピカのクリスマスツリー。」

「一緒に歌おう!!」

「キラキラのネオン。」

「ピカピカのクリスマスツリー。」

「今年も来年もずっと。ノネットと一緒に。」

「ノネットと一緒に。」


大丈夫だよな?とドキドキと反応を見ていたが途中のノリも良かったし。
歌い終わると拍手喝采とノネットコールと個人へのコールが始まった。

あー。良かったぁ。ホッとした。
会長やルイスにキャサリンの顔もホッとした様に見える。
ノネットコールが少し落ち着いた所で。
「では、次の曲です。白い恋人達。」

男性陣が前に出る。
ギターは私とエミリア。ピアノはキャサリンだ。

しっとりと時に激しく。
桑田佳祐さんの様な声は出せないがそこはオリジナルな感じで。

御令嬢達が幸せそうだ。
そして泣くね。やっぱり泣くよな。
座っているから倒れる事は無いけれど立ってたら倒れる御令嬢居そうだ。
大人のウケも良いし。

沢山の拍手喝采に包まれて。
無事に2曲終了。

「ありがとうございました!」
「良いクリスマスを!」

ノネットコールとアンコールが混じっているが控え室に退場した。
まだ拍手は続いている。

「去年もこんな感じだったねー。」
「アンコールはしなかったよね?」
「したよ。確か。」
カイン、キャサリン、ルイスがそんな感じで会話をしている。

「何か歌うか。」
アンコール鳴り止まないし。

と言う訳で再登場。

わぁ!!!と歓喜に満ちた歓声が聞こえた。

「アンコールありがとうございます。」
「1曲だけですよ?」

期待に満ちた礼拝者達の目がキラキラしてる。

「oh happy day!」
今年もアンコールはこれにした。
即座に歌えるし我が国ではメジャー曲になってきている。

会長が高らかに歌い上げる。

クライスとキャサリンとユニゾン。

礼拝者達も共に手拍子で一緒に盛り上がる。

「では、また来年!!」
「ありがとうございました!」
歓声と拍手の中で今度こそ退場。

控え室に入ると大司教さんが終わりの挨拶で纏めてくれている。

「お疲れ様ー!」
「今年も楽しかったですね。」

控え室に置いてあった。ジュースで乾杯。
「メリークリスマス!」
「メリークリスマス!!」

今年も礼拝者達達が帰るまで暫くかかるだろうなあ。

「今年はちょっとドキドキしたわ。」
「僕らの歌詞良かったですねー。」
王子が満足そう。
皆で作った曲もウケた事だし。これからも作っていけたら良いし。

大半の礼拝者達が帰宅した様なので大礼拝堂に出た。
私達の両親達もすっかり仲良くなって談笑している。
うちの両親とエミリアの両親はちょっと緊張しているけれど。

私達も両親の元へ。
皆、今年も褒められて嬉しそう。

「来てくれてありがとう。」
うちの両親も嬉しそうで何よりだ。
「ルナリーは冬休みはマッケンジー様のお宅に居るのよね?粗相の無いようにね!」
うんうん。それは大丈夫。

「んじゃ新学期前にまた帰るね。」
親は外面のグレンさんとローズさんにご挨拶して帰って行った。

「よーし。誕生日だ。酒だな。」
ローズさんが背後からガバっと肩を組んで来た。
「飲むぜー!」
グレンさんも。

と言う事でマッケンジー家で誕生日パーティーとなりました。
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