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どうしたら良い?
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「えーと。そうだ。門番にクライスが帰ったか聞いて来よう!」
焦りながらジェファーソンにそう言うと行きましょう!と彼も焦りを見せる。
ヤバい。クライス何処へ行った?
門番に確認すると明け方に自宅に忘れ物を取りに行くと言われて帰られましたと言われた。バートリー家の車も無い。
「会長!自宅に電話してみましょうか?」
ジェファーソンの意見に頷く。
昨日の出来事のせい?
あれは本気?僕が傷付けた?
頭の中はぐちゃぐちゃだが冷静にクライスの家に電話をかけた。
「もしもし。朝早くすみません。ノネット・クライムのケビンと申します。クライスはいらっしゃいますか?」
電話に出た執事は
「クライス様はお城へお泊まりですよ。」
と言った。やはり・・・。戻って居ないか。
「そうだったんですね。僕は泊まって居なかったもので。解りました。」
クライスが居なくなったなんて心配かける事は絶対に言えない。
「ジェファーソン。僕が探しに行くから。」
こんなイベントあったか?
いや、無い。イベントなんて考えている時点で僕にクライスを好きになる資格なんて無いのに。
急いでバッグを取りに部屋に戻ると異変に気付いた皆が集合していた。
部屋に入るなり何かあった?と聞かれてクライスが朝起きると居なくなっていてと言葉を濁す。
「会長?ジェファーソン?何かあったの?」
キャサリンに聞かれて言葉に詰まる。
「クライスと会長、何かあった?喧嘩したのか?」
ルナリーに言われて自分の中の気持ちの整理とかどうしたら良いか解らず・・・。
「ごめん!ルナリーとキャサリンに話がある!ちょっと来て!」
2人を連れて空いている部屋に連れ込んだ。
ジェファーソンの機嫌が悪くなるのは目に見えているのだが僕の頭はぐちゃぐちゃでごちゃごちゃで。
「どうした?会長?」
「クライスと何かあったのよね?」
2人は心配そうに僕の顔を見る。
「クライスに告白された。」
僕は昨夜の2人の会話を話して聞かせた。
「僕はどうしたら良い?そりゃクライスの事は好きだよ。でも、僕は男に生まれて来たし。クライスは財閥の跡取りだ。」
最後に泣くのは僕なんだよ。好きになっても将来、クライスは結婚しなきゃいけない。
自分で言っていて辛くて涙が溢れて来た。
「ねえ。もし、ルナリーもキャサリンも男性に転生していたらどうした?」
そう聞くと2人は真剣な顔で悩み始めた。
答えなんて出る訳ないよな。
「そーだなあ。私ならルイスには話するよ。男に産まれちまったって。それでもルイスが良いって言うなら付き合うかもなあ。でも。答えでねぇな。」
ルナリーは辛そうな顔で苦笑した。
「私はそもそも婚約者にも慣れない訳だし。諦めるかも。」
キャサリンも同じ様に泣きそうな顔で僕は辛い事考えさせてごめん。と謝った。
「会長は好きなんだろ?クライスも会長が好きだ。だったら突き進めよ。」
ルナリーの言いたい事は良く解るよ。
「先の事より今じゃないかしら。私もクライスに正直に気持ちを伝えた方が良いと思う。」
キャサリンまでそう言うのか。
「僕ってさあ。前世では恋愛は飄々とこなして来たんだよね。本気で人を好きになったのってクライスが初めてかも。」
だからこそ将来を考えてしまう。
クライスが誰かと結婚するなんて見たくなくて心も体も躊躇する。
「会長!応援するから。貫け!言わないと後悔する。」
「そうよ。言わないと絶対に後悔するわ!」
本当にその通りかもね。
「クライスを探しに行く!ちゃんと気持ち伝えてくるよ。皆にはエリザベス様を弄り過ぎてクライスにキレられたとでも言って誤魔化しといて!」
「コンサートには間に合わせるからね!」
2人は誤魔化すのか・・・。と苦笑して僕を送り出してくれた。
探そう。そして、きちんと伝えよう。
僕はクライスが好きだ。
・・・・・・・・・・・・・・・
会長を見送ってキャサリンの顔を見たら凄く悩んだ顔をしていた。
「ねえ。本当に男性に産まれて居たら?私達ってどうなったんだろうね?」
「うん。今の幸せは無いだろうな。」
会長の悩む気持ちが答えの出せない気持ちが解る。
「部屋に戻って誤魔化すか。」
キャサリンは演技出来るかしらと溜息をういた。私も同じく。
部屋に戻ると王子が詰め寄る。
「会長は?何があったんですか?」
「うーん。昨日、エリザベス様を弄り過ぎて喧嘩したって。」
「大人気ないとか言い争ったみたいで。」
モゴモゴ・・・。キャサリンと2人。誤魔化せただろうか。
「本当に?」
本当に・・・。
王子は首を傾げながら
「僕はてっきりクライスが会長に告白して振られたのかと思ってたんですが。」
と言ってきて焦る。何で解った?
キャサリンを見ると誤魔化すわよ!と目で合図。まあ、本人の名誉もあるし。
「僕もそうかと思ってたよ?クライスってぜったい会長の事好きだよね?」
カインまでも?!
「え?そうか?」
「そう言われるとそうかも?」
「気づかなかった・・・。」
ルイスにエミリア、ジョージの反応はこんな感じだったが一先ず今は誤魔化す事を貫いた。
焦りながらジェファーソンにそう言うと行きましょう!と彼も焦りを見せる。
ヤバい。クライス何処へ行った?
門番に確認すると明け方に自宅に忘れ物を取りに行くと言われて帰られましたと言われた。バートリー家の車も無い。
「会長!自宅に電話してみましょうか?」
ジェファーソンの意見に頷く。
昨日の出来事のせい?
あれは本気?僕が傷付けた?
頭の中はぐちゃぐちゃだが冷静にクライスの家に電話をかけた。
「もしもし。朝早くすみません。ノネット・クライムのケビンと申します。クライスはいらっしゃいますか?」
電話に出た執事は
「クライス様はお城へお泊まりですよ。」
と言った。やはり・・・。戻って居ないか。
「そうだったんですね。僕は泊まって居なかったもので。解りました。」
クライスが居なくなったなんて心配かける事は絶対に言えない。
「ジェファーソン。僕が探しに行くから。」
こんなイベントあったか?
いや、無い。イベントなんて考えている時点で僕にクライスを好きになる資格なんて無いのに。
急いでバッグを取りに部屋に戻ると異変に気付いた皆が集合していた。
部屋に入るなり何かあった?と聞かれてクライスが朝起きると居なくなっていてと言葉を濁す。
「会長?ジェファーソン?何かあったの?」
キャサリンに聞かれて言葉に詰まる。
「クライスと会長、何かあった?喧嘩したのか?」
ルナリーに言われて自分の中の気持ちの整理とかどうしたら良いか解らず・・・。
「ごめん!ルナリーとキャサリンに話がある!ちょっと来て!」
2人を連れて空いている部屋に連れ込んだ。
ジェファーソンの機嫌が悪くなるのは目に見えているのだが僕の頭はぐちゃぐちゃでごちゃごちゃで。
「どうした?会長?」
「クライスと何かあったのよね?」
2人は心配そうに僕の顔を見る。
「クライスに告白された。」
僕は昨夜の2人の会話を話して聞かせた。
「僕はどうしたら良い?そりゃクライスの事は好きだよ。でも、僕は男に生まれて来たし。クライスは財閥の跡取りだ。」
最後に泣くのは僕なんだよ。好きになっても将来、クライスは結婚しなきゃいけない。
自分で言っていて辛くて涙が溢れて来た。
「ねえ。もし、ルナリーもキャサリンも男性に転生していたらどうした?」
そう聞くと2人は真剣な顔で悩み始めた。
答えなんて出る訳ないよな。
「そーだなあ。私ならルイスには話するよ。男に産まれちまったって。それでもルイスが良いって言うなら付き合うかもなあ。でも。答えでねぇな。」
ルナリーは辛そうな顔で苦笑した。
「私はそもそも婚約者にも慣れない訳だし。諦めるかも。」
キャサリンも同じ様に泣きそうな顔で僕は辛い事考えさせてごめん。と謝った。
「会長は好きなんだろ?クライスも会長が好きだ。だったら突き進めよ。」
ルナリーの言いたい事は良く解るよ。
「先の事より今じゃないかしら。私もクライスに正直に気持ちを伝えた方が良いと思う。」
キャサリンまでそう言うのか。
「僕ってさあ。前世では恋愛は飄々とこなして来たんだよね。本気で人を好きになったのってクライスが初めてかも。」
だからこそ将来を考えてしまう。
クライスが誰かと結婚するなんて見たくなくて心も体も躊躇する。
「会長!応援するから。貫け!言わないと後悔する。」
「そうよ。言わないと絶対に後悔するわ!」
本当にその通りかもね。
「クライスを探しに行く!ちゃんと気持ち伝えてくるよ。皆にはエリザベス様を弄り過ぎてクライスにキレられたとでも言って誤魔化しといて!」
「コンサートには間に合わせるからね!」
2人は誤魔化すのか・・・。と苦笑して僕を送り出してくれた。
探そう。そして、きちんと伝えよう。
僕はクライスが好きだ。
・・・・・・・・・・・・・・・
会長を見送ってキャサリンの顔を見たら凄く悩んだ顔をしていた。
「ねえ。本当に男性に産まれて居たら?私達ってどうなったんだろうね?」
「うん。今の幸せは無いだろうな。」
会長の悩む気持ちが答えの出せない気持ちが解る。
「部屋に戻って誤魔化すか。」
キャサリンは演技出来るかしらと溜息をういた。私も同じく。
部屋に戻ると王子が詰め寄る。
「会長は?何があったんですか?」
「うーん。昨日、エリザベス様を弄り過ぎて喧嘩したって。」
「大人気ないとか言い争ったみたいで。」
モゴモゴ・・・。キャサリンと2人。誤魔化せただろうか。
「本当に?」
本当に・・・。
王子は首を傾げながら
「僕はてっきりクライスが会長に告白して振られたのかと思ってたんですが。」
と言ってきて焦る。何で解った?
キャサリンを見ると誤魔化すわよ!と目で合図。まあ、本人の名誉もあるし。
「僕もそうかと思ってたよ?クライスってぜったい会長の事好きだよね?」
カインまでも?!
「え?そうか?」
「そう言われるとそうかも?」
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