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小学校へ行こう!
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翌日。
「博物館見学後は本日は自由行動です。なるべくグループ行動して下さい。警護の方は1組に最低1人は付き添う様にお願いします。」
博物館前で教師が今日の自由行動についての注意を言っている。
私達の所には勿論、王子の私設兵が居るので安心だ。
海外旅行ってこういうのが面倒だから修学旅行も国内ばかりだったのかもなあ。今回、許可がおりて良かった。
博物館見学は小一時間。歴史資料を見て回った。アーシェンバードは帆船があるんだなあ。模型の展示がカッコよかった。
さて、もう皆は自由行動がしたくて堪らない様子。
他の生徒達も街へ行くとか美術館へ行くとか色々と盛り上がっていた。
「じゃあ行きましょうか!」
王子がニヤっと微笑む。
「相手は小学生なんだから穏便にね。」
会長が苦笑する。
「本当に暴走族より王子の暴走は時々タチ悪い。」
会長が言うのも良く解る。
アーシェンバード小学校は博物館から徒歩で15分程の所にあった。
ボードウェンも近隣諸国もそうだが国立の学校に行くのがお金持ちのステータス。日本は私立の方がお金持ちが通っていたイメージがある。
校門には文化発表会と立て看板。
文字はボードウェン語と殆ど同じなんだなあ。ちょっと語尾が違うだけで普通に読める。会話も標準語と方言くらいの違いだ。
文化祭という事で大人の姿も沢山見えるし出入り自由そうだ。
校門を潜ると教師らしき方がパンフレットを配っていた。
「ありがとうございます。」
と皆受け取る。
学校はお洒落な洋館。校内は結構広そうだ。
「取り敢えず探しましょうか?」
クライスはそう言ったが闇雲に探してもなあ。
「パンフレットの2ページ目開いて。」
カインが今日の発表会演目のページを指す。
「体育館で6年生の演劇か。時間は30分後と。」
一先ず体育館へ向かう。
体育館では3年生の合唱中だった。可愛い。
後方の席以外は殆ど埋まっており私達は取り敢えず1番後ろの席に並んで座った。
可愛い合唱を聞きながらパンフレットを見ていると今日は体育館で合唱や合奏、演劇、弁論等の発表会。日本で言うなら学芸会、お遊戯会?って所かな?
明日は教室で展示物や手作りお菓子を売ったりすると言う文化祭的な事をするっぽい。小学生なのになかなか大人びた事する学校だ。
「美少女&美少年コンテストだって。」
パンフレットを見ながらコソコソとキャサリンに話しかける。また変な事する学校だ。
「これ。出そうよね?王子。」
うんうん。こりゃ明日も見に来るべきか?
体育館は何処の国も似たような作り。舞台があって普段は体育で使用しているのだろう。
前の方の席は生徒達。中央より後ろは保護者一般席って所かな。
生徒数はそう多くない。アリア学院も生徒数少ないし国立の良い学校はそうなのかも。
「始まりますよ。」
6年生全員による演目ロミオとジュリエット。
解りやすい。ロミオは絶対ヨーゼフ王子だ。
遠くからでも金髪で目立つし何より
「わー。黄色い声援飛んでますねぇ。」
下級生の女の子達がキャーキャー言っている。
「ジュリエット役は婚約者?」
王子に質問したが違う様な気がする。と答えた。
ダミアン皇太子と仲が悪かったのでアーシェンバードに外交に行く事が殆ど無かったらしい。
ヨーゼフ王子と婚約者と会ったのも1度きり。記憶では婚約者は茶髪だった?と首を傾げる。
今、演じているジュリエット役の子は黒髪ロングだ。
何か小学生だしね。演技力を求めても仕方ないがもっと可愛い演目は無かったのだろうか。
ヨーゼフ王子はひたすら目立っていた。
ジュリエットとのキスシーンは本当にしたのでは無いだろうか?
会場からはちょっと悲鳴も聞こえたし。
「何か可愛げ無い。」
クライスがボソッと呟く。
「確かに。キスしたっぽいよね。」
ジョージも可愛く無いと呟く。
ウケが悪い。
6年生の演劇発表が終わり取り敢えず拍手をする。
うーん?まだどんな人物か良く解らない。
「ちょっと聞き込みしようか?」
会長が言うので少し校内をウロウロしてみる事にした。
今日は展示は無さそうなのだが露店がある様だ。
「うちの小学校ではここ迄豪華じゃ無かったわよね?」
キャサリンが王子やクライスに確認している。
「文化祭は無かったですね。音楽発表会だった。」
うんうん。と顔を見合わせていた。
「文化祭は中学からだったよ?」
うんうん。そうだったとエミリアと私以外は頷いた。
市立の中学は文化祭はささやかな物だった。
露店のスイーツは国らしさが出ている。
「エッグタルトだな。あれはパンデロー、カステラみたいなやつ。」
会長が説明してくれた。
焼き菓子が多いんだな。
皆でエッグタルトを購入してモグモグ。
「甘くて美味しい。」
「コクがあるね。」
楽しく立ち食いしていると
「あれ。ヨーゼフ王子だ。」
王子がちょっと嫌な者を見るような目で遠くを見る。
女子の集団を連れた金髪男子。
女子はざっと10人は居る。その中心にヨーゼフ王子。
「これは大火事ですね。」
「煙立ってますねー。」
クライスとカインも呆れた様に呟いた。
「博物館見学後は本日は自由行動です。なるべくグループ行動して下さい。警護の方は1組に最低1人は付き添う様にお願いします。」
博物館前で教師が今日の自由行動についての注意を言っている。
私達の所には勿論、王子の私設兵が居るので安心だ。
海外旅行ってこういうのが面倒だから修学旅行も国内ばかりだったのかもなあ。今回、許可がおりて良かった。
博物館見学は小一時間。歴史資料を見て回った。アーシェンバードは帆船があるんだなあ。模型の展示がカッコよかった。
さて、もう皆は自由行動がしたくて堪らない様子。
他の生徒達も街へ行くとか美術館へ行くとか色々と盛り上がっていた。
「じゃあ行きましょうか!」
王子がニヤっと微笑む。
「相手は小学生なんだから穏便にね。」
会長が苦笑する。
「本当に暴走族より王子の暴走は時々タチ悪い。」
会長が言うのも良く解る。
アーシェンバード小学校は博物館から徒歩で15分程の所にあった。
ボードウェンも近隣諸国もそうだが国立の学校に行くのがお金持ちのステータス。日本は私立の方がお金持ちが通っていたイメージがある。
校門には文化発表会と立て看板。
文字はボードウェン語と殆ど同じなんだなあ。ちょっと語尾が違うだけで普通に読める。会話も標準語と方言くらいの違いだ。
文化祭という事で大人の姿も沢山見えるし出入り自由そうだ。
校門を潜ると教師らしき方がパンフレットを配っていた。
「ありがとうございます。」
と皆受け取る。
学校はお洒落な洋館。校内は結構広そうだ。
「取り敢えず探しましょうか?」
クライスはそう言ったが闇雲に探してもなあ。
「パンフレットの2ページ目開いて。」
カインが今日の発表会演目のページを指す。
「体育館で6年生の演劇か。時間は30分後と。」
一先ず体育館へ向かう。
体育館では3年生の合唱中だった。可愛い。
後方の席以外は殆ど埋まっており私達は取り敢えず1番後ろの席に並んで座った。
可愛い合唱を聞きながらパンフレットを見ていると今日は体育館で合唱や合奏、演劇、弁論等の発表会。日本で言うなら学芸会、お遊戯会?って所かな?
明日は教室で展示物や手作りお菓子を売ったりすると言う文化祭的な事をするっぽい。小学生なのになかなか大人びた事する学校だ。
「美少女&美少年コンテストだって。」
パンフレットを見ながらコソコソとキャサリンに話しかける。また変な事する学校だ。
「これ。出そうよね?王子。」
うんうん。こりゃ明日も見に来るべきか?
体育館は何処の国も似たような作り。舞台があって普段は体育で使用しているのだろう。
前の方の席は生徒達。中央より後ろは保護者一般席って所かな。
生徒数はそう多くない。アリア学院も生徒数少ないし国立の良い学校はそうなのかも。
「始まりますよ。」
6年生全員による演目ロミオとジュリエット。
解りやすい。ロミオは絶対ヨーゼフ王子だ。
遠くからでも金髪で目立つし何より
「わー。黄色い声援飛んでますねぇ。」
下級生の女の子達がキャーキャー言っている。
「ジュリエット役は婚約者?」
王子に質問したが違う様な気がする。と答えた。
ダミアン皇太子と仲が悪かったのでアーシェンバードに外交に行く事が殆ど無かったらしい。
ヨーゼフ王子と婚約者と会ったのも1度きり。記憶では婚約者は茶髪だった?と首を傾げる。
今、演じているジュリエット役の子は黒髪ロングだ。
何か小学生だしね。演技力を求めても仕方ないがもっと可愛い演目は無かったのだろうか。
ヨーゼフ王子はひたすら目立っていた。
ジュリエットとのキスシーンは本当にしたのでは無いだろうか?
会場からはちょっと悲鳴も聞こえたし。
「何か可愛げ無い。」
クライスがボソッと呟く。
「確かに。キスしたっぽいよね。」
ジョージも可愛く無いと呟く。
ウケが悪い。
6年生の演劇発表が終わり取り敢えず拍手をする。
うーん?まだどんな人物か良く解らない。
「ちょっと聞き込みしようか?」
会長が言うので少し校内をウロウロしてみる事にした。
今日は展示は無さそうなのだが露店がある様だ。
「うちの小学校ではここ迄豪華じゃ無かったわよね?」
キャサリンが王子やクライスに確認している。
「文化祭は無かったですね。音楽発表会だった。」
うんうん。と顔を見合わせていた。
「文化祭は中学からだったよ?」
うんうん。そうだったとエミリアと私以外は頷いた。
市立の中学は文化祭はささやかな物だった。
露店のスイーツは国らしさが出ている。
「エッグタルトだな。あれはパンデロー、カステラみたいなやつ。」
会長が説明してくれた。
焼き菓子が多いんだな。
皆でエッグタルトを購入してモグモグ。
「甘くて美味しい。」
「コクがあるね。」
楽しく立ち食いしていると
「あれ。ヨーゼフ王子だ。」
王子がちょっと嫌な者を見るような目で遠くを見る。
女子の集団を連れた金髪男子。
女子はざっと10人は居る。その中心にヨーゼフ王子。
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