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ルイスのお兄様
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「絶対、親父もお袋もびっくりするぞ!」
「だよなあー!」
単車に扇風機が乗らないので電話で迎えに来てもらった。扇風機2つ抱えて後ろに乗るのも平気なんだけど。昔は危ない乗り方も良くやってし。でも、ルイスが「危ないからダメだ!!」とキレるので諦めた。
夏休みは殆どマッケンジー家で過ごしている。一応、嫁だし。
「ただいま!」
「お帰りなさいませ!」
執事さんが今日も笑顔で迎えてくれる。
「お兄様がお帰りですよ。」
執事さんにそう言われて2人で顔を見合わせる。扇風機どうする?
俺の部屋に置いておくか?と決めて一旦2階へ。
「面倒だな。」
ルイスはボソッと呟いた。噂の真面目なお兄さん。
リビングルームに入ると見た事が無い2人が。もう1人はもしかして?
畏まるルイス。真面目そうな顔のグレンさんとローズさん。
「お久しぶりです。お兄様とブレンダ様。」
やはり婚約者さんか。
2人と目が合う。私はお辞儀をした。
「初めまして。ルナリーです。」
「初めまして。兄のアルフィです。こちらは婚約者のブレンダ。」
「こんばんは。初めまして。ブレンダです。」
2人とも立ち上がってお辞儀をしてきた。
黒髪でルイスより背は低い。顔立ちは似ていて眼鏡かけてるお兄さん。見るからに真面目そう。
ブレンダさんは茶髪の髪を後ろで1つに結びこちらも眼鏡で。えーと女史って感じだ。うん。
挨拶する2人の後ろで座っているグレンさんとローズさんがすまん!と言う顔をしていた。
さあ、どうしよう。帰った方が良いのかな。
「こちらへどうぞ。」
社交モードのローズさんに座る様に促されルイスと私は席に着いた。
「ルイス。結婚したんですね?」
改まった様子でお兄さんがルイスに聞いてきた。
「はい。入籍しました。」
ルイスも真面目に答えている。
「おめでとうございます。」
お兄さんも婚約者さんも顔色変えず驚かずペコりと頭を下げてきた。こちらも「ありがとうございます。」と頭を下げる。
食事の支度が出来たらしくダイニングルームへ向かう。
今日は和食じゃ無いな。そこの所良かった。
あまり話さずに笑顔で乗り切るかな。
話を聞いた内容ではお兄さんと婚約者さんは大学3年生。留学先はダナブルランドって近隣諸国の1つ。
しかし、グレンさんとローズさん。何故こんな真面目青年に育てる事が出来たのだろう。凄いな。
まあ、ルイスもグレンさんもローズさんも隠し続けて真面目に生きて来たみたいだからなあ。
印象は良い人達だ。
「ルイスは将来は歌手活動をするんですか?」
お兄さんがまじまじとルイスを見てそう聞いた。
「はい。勿論そのつもりです。」
ルイスが答えるとお兄さんは顎に手を当ててうーん?と首を傾げて考え始めた様だ。
「どうした?アルフィ。何か不満があるのか?」
グレンさんがお兄さんの様子を見て尋ねた。
「うーん?どうしましょう。ブレンダ。」
「きちんとお話した方が宜しいかと?」
2人は顔を見合わせてグレンさんとローズさんを見た。
「お父様。お母様。大変申し訳ないのですが。大学院まで行きたいのです。」
「院か。なるほど。まあ、跡を継ぐのは何歳になっても構わないが。」
グレンさんとローズはうんうんと頷く。
「良かった。大学卒業したら直ぐにでも跡継ぎにならねばいけないかと。少し不安でした。ルイスに跡継ぎを譲ってでもやはり今の学業をもう少し続けたいのです。」
お兄さん。。めっちゃ頭良いのね。
「まだ当分、気にせずに大丈夫だ。私もやりたい事がまだまだある。今、ラジオ放送をこの国では開始してな。」
「ラジオ?!」
お兄さんと婚約者さんは驚いた声をあげてグレンさんの説明を詳しく聞いていた。
「パルドデア国はやはり進んでいますね。そちらの大学に留学した方が良かったのかな。」
お兄さんと婚約者さんは少し落ち込み気味だった。
「えっと。何学部なんですか?」
私が聞くとお兄さんが工学科、婚約者さんが数学科だそうで何とも次元の違う世界の頭脳だ。
「気にせず学業に励んで大丈夫よ。」
ローズさんは優しくお兄さんに言う。お兄さんは笑顔で頑張りますと言っていた。笑顔はルイスに似てるなあ。
「私はそろそろ。あの、私の両親も説得したくて。本日はアルフィ様を我が家にお招きして宜しいですか?」
婚約者さんも大学院に行きたいそうだ。
「どうぞ。行ってらっしゃい。」
グレンさんとローズさんは素が出るからか飲酒も控えているし。もしかしたら願ったり叶ったりなのかもしれない・・。
「では!ブレンダの家へ行ってきます。」
私達はお2人を見送ってダイニングルームへ戻った。
「はぁーーー。疲れた。飲むぞローズ!」
「悪かったなあ。ルナリー。気を使わせた。」
グレンさん、ローズさん砕けすぎっす。
「すげー真面目だろ?兄貴もブレンダさんも。」
ルイス、お前も砕けすぎだ。
グレンさんはきゅーっとワインを一気飲み。
「本当に真面目なお2人ですね。まあ、総長達も最初そう見えたし。」
「何故こんなにクソ真面目に育てたんだろう。」
ローズさんが遠い目をしながらワインを飲む。
我が子は可愛い。でももう少し砕けて欲しいんだよなあ。
「それは、私達の素性を暴露になるんじゃないすか?」
だよなあ。と溜息。
「あっ!扇風機!」
ルイスが思い出した様に部屋に取りに上がった。
「扇風機?!出来たのか?」
落ち込み気味の2人のテンションが少し上がった。パトリックが作成した話をしているとルイスが運んで来てそれを見て感動してくれた。
販売の話は思った通り即答でOKだった。
「ガードナーの親父に内緒で金くれか。やるなあの小僧。」
と笑いながら。
一緒に将来暮らすとなると素性を話さないといけない日も来るのかな。
そこはグレンさんとローズさんに任せよう。
「今日は扇風機かけて寝よう!!」
「だなー!」
まだ飲む!と言う2人におやすみなさい!と言って部屋に上がる。
「風呂入ってくる!いやー。風呂上がりが涼しいよなあ。」
ルイスが風呂へ。
確かに!夏の風呂上がりが涼しくなる。
ワクワクしながらその後私も風呂へ入った。
「だよなあー!」
単車に扇風機が乗らないので電話で迎えに来てもらった。扇風機2つ抱えて後ろに乗るのも平気なんだけど。昔は危ない乗り方も良くやってし。でも、ルイスが「危ないからダメだ!!」とキレるので諦めた。
夏休みは殆どマッケンジー家で過ごしている。一応、嫁だし。
「ただいま!」
「お帰りなさいませ!」
執事さんが今日も笑顔で迎えてくれる。
「お兄様がお帰りですよ。」
執事さんにそう言われて2人で顔を見合わせる。扇風機どうする?
俺の部屋に置いておくか?と決めて一旦2階へ。
「面倒だな。」
ルイスはボソッと呟いた。噂の真面目なお兄さん。
リビングルームに入ると見た事が無い2人が。もう1人はもしかして?
畏まるルイス。真面目そうな顔のグレンさんとローズさん。
「お久しぶりです。お兄様とブレンダ様。」
やはり婚約者さんか。
2人と目が合う。私はお辞儀をした。
「初めまして。ルナリーです。」
「初めまして。兄のアルフィです。こちらは婚約者のブレンダ。」
「こんばんは。初めまして。ブレンダです。」
2人とも立ち上がってお辞儀をしてきた。
黒髪でルイスより背は低い。顔立ちは似ていて眼鏡かけてるお兄さん。見るからに真面目そう。
ブレンダさんは茶髪の髪を後ろで1つに結びこちらも眼鏡で。えーと女史って感じだ。うん。
挨拶する2人の後ろで座っているグレンさんとローズさんがすまん!と言う顔をしていた。
さあ、どうしよう。帰った方が良いのかな。
「こちらへどうぞ。」
社交モードのローズさんに座る様に促されルイスと私は席に着いた。
「ルイス。結婚したんですね?」
改まった様子でお兄さんがルイスに聞いてきた。
「はい。入籍しました。」
ルイスも真面目に答えている。
「おめでとうございます。」
お兄さんも婚約者さんも顔色変えず驚かずペコりと頭を下げてきた。こちらも「ありがとうございます。」と頭を下げる。
食事の支度が出来たらしくダイニングルームへ向かう。
今日は和食じゃ無いな。そこの所良かった。
あまり話さずに笑顔で乗り切るかな。
話を聞いた内容ではお兄さんと婚約者さんは大学3年生。留学先はダナブルランドって近隣諸国の1つ。
しかし、グレンさんとローズさん。何故こんな真面目青年に育てる事が出来たのだろう。凄いな。
まあ、ルイスもグレンさんもローズさんも隠し続けて真面目に生きて来たみたいだからなあ。
印象は良い人達だ。
「ルイスは将来は歌手活動をするんですか?」
お兄さんがまじまじとルイスを見てそう聞いた。
「はい。勿論そのつもりです。」
ルイスが答えるとお兄さんは顎に手を当ててうーん?と首を傾げて考え始めた様だ。
「どうした?アルフィ。何か不満があるのか?」
グレンさんがお兄さんの様子を見て尋ねた。
「うーん?どうしましょう。ブレンダ。」
「きちんとお話した方が宜しいかと?」
2人は顔を見合わせてグレンさんとローズさんを見た。
「お父様。お母様。大変申し訳ないのですが。大学院まで行きたいのです。」
「院か。なるほど。まあ、跡を継ぐのは何歳になっても構わないが。」
グレンさんとローズはうんうんと頷く。
「良かった。大学卒業したら直ぐにでも跡継ぎにならねばいけないかと。少し不安でした。ルイスに跡継ぎを譲ってでもやはり今の学業をもう少し続けたいのです。」
お兄さん。。めっちゃ頭良いのね。
「まだ当分、気にせずに大丈夫だ。私もやりたい事がまだまだある。今、ラジオ放送をこの国では開始してな。」
「ラジオ?!」
お兄さんと婚約者さんは驚いた声をあげてグレンさんの説明を詳しく聞いていた。
「パルドデア国はやはり進んでいますね。そちらの大学に留学した方が良かったのかな。」
お兄さんと婚約者さんは少し落ち込み気味だった。
「えっと。何学部なんですか?」
私が聞くとお兄さんが工学科、婚約者さんが数学科だそうで何とも次元の違う世界の頭脳だ。
「気にせず学業に励んで大丈夫よ。」
ローズさんは優しくお兄さんに言う。お兄さんは笑顔で頑張りますと言っていた。笑顔はルイスに似てるなあ。
「私はそろそろ。あの、私の両親も説得したくて。本日はアルフィ様を我が家にお招きして宜しいですか?」
婚約者さんも大学院に行きたいそうだ。
「どうぞ。行ってらっしゃい。」
グレンさんとローズさんは素が出るからか飲酒も控えているし。もしかしたら願ったり叶ったりなのかもしれない・・。
「では!ブレンダの家へ行ってきます。」
私達はお2人を見送ってダイニングルームへ戻った。
「はぁーーー。疲れた。飲むぞローズ!」
「悪かったなあ。ルナリー。気を使わせた。」
グレンさん、ローズさん砕けすぎっす。
「すげー真面目だろ?兄貴もブレンダさんも。」
ルイス、お前も砕けすぎだ。
グレンさんはきゅーっとワインを一気飲み。
「本当に真面目なお2人ですね。まあ、総長達も最初そう見えたし。」
「何故こんなにクソ真面目に育てたんだろう。」
ローズさんが遠い目をしながらワインを飲む。
我が子は可愛い。でももう少し砕けて欲しいんだよなあ。
「それは、私達の素性を暴露になるんじゃないすか?」
だよなあ。と溜息。
「あっ!扇風機!」
ルイスが思い出した様に部屋に取りに上がった。
「扇風機?!出来たのか?」
落ち込み気味の2人のテンションが少し上がった。パトリックが作成した話をしているとルイスが運んで来てそれを見て感動してくれた。
販売の話は思った通り即答でOKだった。
「ガードナーの親父に内緒で金くれか。やるなあの小僧。」
と笑いながら。
一緒に将来暮らすとなると素性を話さないといけない日も来るのかな。
そこはグレンさんとローズさんに任せよう。
「今日は扇風機かけて寝よう!!」
「だなー!」
まだ飲む!と言う2人におやすみなさい!と言って部屋に上がる。
「風呂入ってくる!いやー。風呂上がりが涼しいよなあ。」
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確かに!夏の風呂上がりが涼しくなる。
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