279 / 369
パルドデアコンサート前編
しおりを挟む
コンサートは14時から。
少しだけ朝食を遅めにしてもらい午前中にはホールへ向かった。
「開場が1時間30分も前なんですよね。早いですよね。」
王子がそう言う。
「普通は30分?早くても1時間だよなあ。指定席だし。」
うんうん。と皆も頷く。
控え室で1時間30分は暇。
ステージに楽器等を準備してロビーの確認。シティホールのステージには緞帳がついていたので下ろして見た。ボードウェンではそう言えばあまり見無い。
「これ良いですよね。登場がし易い。」
王子達は感心していた。
間もなく開場なので控え室へ。控え室は普通。長机と椅子など。
お茶を入れて持たせて頂いたお菓子を摘みながら雑談。
30分程たった頃に警護担当者が控え室のドアをノックして入ってきた。
「凄いです。面白いものが見れます!!」
警護人は目をパチパチさせて信じられないと言う。取り敢えず行ってみるかと舞台裏へそっと向かう。緞帳の隙間から会場を覗くと。。
「これは?!懐中電灯?」
王子がボソリと呟いた。
「ペンライトだ。」
小声で説明する。会場ではペンライトを照らし合わせ何やら練習??
それを仕切っているのは
「アルマーニ王子?!!!」
叫びそうになるクライスの口を王子が押さえて取り敢えず緞帳から離れた。
「待って何やってるんですか?」
カインもクライスも脳が追いつかない様だ。
これはコンサートの曲に合わせたファンの事前練習?ってやつだろうか。
「控え室戻ろう。見てるのバレちゃ不味いよ。」
会長がまだ見たさそうな皆の背中を押す。
控え室に戻り取り敢えずペンライトとは何かの説明から。
「多分、乾電池がパルドデアは発明されているんだよ。マンガン乾電池だろうけどね。」
「液漏れが無いからこう言う小型化された懐中電灯が作れたんだろう。」
会長の説明にいちいち皆が頷く。
「今のはコンサートのファンの打ち合わせ練習だと思うわ。」
キャサリンがそんな感じと説明した。
「なるほど!これは期待に応えないとね!」
全員で気合いを入れる。
ワクワクとドキドキ。そして開演のプザーが鳴る。
ステージにスタンバイ。緞帳がゆっくり上がる。
歓声と拍手が巻き起こる。
さあ、初の海外公演だ!!!
最初の曲はJupiter。
挨拶無しで始まるのはボードウェン国でもやっているスタンス。
ステージは明るく会場は暗く。
キャサリンの歌声が会場に響くと
ペンライトが美しく光る。沢山の蛍の様に。
前世のコンサートを思わせる様な曲に合わせてゆっくりと左右に振られるペンライトがとても綺麗だ。
そして最前列の真ん中に居たのはアルマーニ王子。
何と言うか信じられない・・・・。
1曲目が終わり拍手喝采が巻き起こる。
「パルドデア国の皆様こんにちはー!!!」
「ノネット・クライムでーす!!」
挨拶をするとワーーー!!!と歓声が起こる。
純粋に嬉しい!
そしてアルマーニ王子の「ノネット・クライム!!」と言う叫びと共にノネット!!ノネット!!ノネット!!
まさかのノネットコールが!!
いやもう。信じられないと言うか。びっくりしている暇はない。
「宇宙のファンタジー!!行きますよー!」
会長がコールすると拍手がまた巻き起こる。
会長の美声にうっとりするお客様方。御令嬢だけでない御子息も大人も沢山いるのが解る。まさに老若男女。あっデイビス王子とアンドレ王子も発見。彼等も3列目に居た。幸せそうに聞いている。
宇宙のファンタジーの曲に合わせてペンライトが振られ本当に歌っているこっちも感動する。
「ありがとうー!」
「ノネット・クライムの自己紹介しますね!」
キャサリンがマイクパフォーマンス。皆の自己紹介を行う。会場は盛り上がりまくり。
「次は浪漫飛行行ってみよー!!」
クライスが叫ぶと会場は揺れるほど盛り上がった。
合わせた様に曲が始まるとオールスタンディングとなりノリノリの集団。
「パルドデア国の皆様盛り上がってますねー!!」
「私達も楽しいです!」
私とエミリアが会場に向かって声をかけるとまた拍手が起こる。
「男性陣のカッコイイー!曲を2曲一気に行きまーす!」
「ひとり、そして新曲!!I Want it that way!!」
会場はキャーーー!!!と言う御令嬢達の黄色い声援で最高潮。
ノネット!!ノネット!!ノネット!!
またコールがかかる。
女性陣はギターとピアノのスタンバイ。ひとりはアカペラなので待機中。
クライスと会長の相変わらずの美声に酔いしれるお客様方。
御令嬢だけじゃない。
アルマーニ王子が幸せそうだ。スタンバイしてじっくり観察すると解る。この人、本気のファンだ。
「I Want it that way!」
パルドデア国初披露のこの曲の時はペンライトは消されてスタンディングの手拍子になった。
本当にこの曲はカッコイイ。後ろでギターを弾いているのだがいやぁ。御令嬢達の幸せそうな顔。
それ以上に王子3人が・・・。大ファンなんっすね。
歌い終わると
ジェファーソン様!!クライス様!!ケビン様!!カイン様!!ジョージ様!!
と叫び声と拍手喝采。
「ありがとうー!」
「みんなー!盛り上がってるかーい?!」
イエーイ!!!!
ひたすら会場のノリが良い。
ボードウェン国の初コンサートよりも盛り上がっている。
「Your song行くよー!」
ワーーー!!!拍手と歓声。
会場は再びペンライトが点灯し美しい光景が広がった。
少しだけ朝食を遅めにしてもらい午前中にはホールへ向かった。
「開場が1時間30分も前なんですよね。早いですよね。」
王子がそう言う。
「普通は30分?早くても1時間だよなあ。指定席だし。」
うんうん。と皆も頷く。
控え室で1時間30分は暇。
ステージに楽器等を準備してロビーの確認。シティホールのステージには緞帳がついていたので下ろして見た。ボードウェンではそう言えばあまり見無い。
「これ良いですよね。登場がし易い。」
王子達は感心していた。
間もなく開場なので控え室へ。控え室は普通。長机と椅子など。
お茶を入れて持たせて頂いたお菓子を摘みながら雑談。
30分程たった頃に警護担当者が控え室のドアをノックして入ってきた。
「凄いです。面白いものが見れます!!」
警護人は目をパチパチさせて信じられないと言う。取り敢えず行ってみるかと舞台裏へそっと向かう。緞帳の隙間から会場を覗くと。。
「これは?!懐中電灯?」
王子がボソリと呟いた。
「ペンライトだ。」
小声で説明する。会場ではペンライトを照らし合わせ何やら練習??
それを仕切っているのは
「アルマーニ王子?!!!」
叫びそうになるクライスの口を王子が押さえて取り敢えず緞帳から離れた。
「待って何やってるんですか?」
カインもクライスも脳が追いつかない様だ。
これはコンサートの曲に合わせたファンの事前練習?ってやつだろうか。
「控え室戻ろう。見てるのバレちゃ不味いよ。」
会長がまだ見たさそうな皆の背中を押す。
控え室に戻り取り敢えずペンライトとは何かの説明から。
「多分、乾電池がパルドデアは発明されているんだよ。マンガン乾電池だろうけどね。」
「液漏れが無いからこう言う小型化された懐中電灯が作れたんだろう。」
会長の説明にいちいち皆が頷く。
「今のはコンサートのファンの打ち合わせ練習だと思うわ。」
キャサリンがそんな感じと説明した。
「なるほど!これは期待に応えないとね!」
全員で気合いを入れる。
ワクワクとドキドキ。そして開演のプザーが鳴る。
ステージにスタンバイ。緞帳がゆっくり上がる。
歓声と拍手が巻き起こる。
さあ、初の海外公演だ!!!
最初の曲はJupiter。
挨拶無しで始まるのはボードウェン国でもやっているスタンス。
ステージは明るく会場は暗く。
キャサリンの歌声が会場に響くと
ペンライトが美しく光る。沢山の蛍の様に。
前世のコンサートを思わせる様な曲に合わせてゆっくりと左右に振られるペンライトがとても綺麗だ。
そして最前列の真ん中に居たのはアルマーニ王子。
何と言うか信じられない・・・・。
1曲目が終わり拍手喝采が巻き起こる。
「パルドデア国の皆様こんにちはー!!!」
「ノネット・クライムでーす!!」
挨拶をするとワーーー!!!と歓声が起こる。
純粋に嬉しい!
そしてアルマーニ王子の「ノネット・クライム!!」と言う叫びと共にノネット!!ノネット!!ノネット!!
まさかのノネットコールが!!
いやもう。信じられないと言うか。びっくりしている暇はない。
「宇宙のファンタジー!!行きますよー!」
会長がコールすると拍手がまた巻き起こる。
会長の美声にうっとりするお客様方。御令嬢だけでない御子息も大人も沢山いるのが解る。まさに老若男女。あっデイビス王子とアンドレ王子も発見。彼等も3列目に居た。幸せそうに聞いている。
宇宙のファンタジーの曲に合わせてペンライトが振られ本当に歌っているこっちも感動する。
「ありがとうー!」
「ノネット・クライムの自己紹介しますね!」
キャサリンがマイクパフォーマンス。皆の自己紹介を行う。会場は盛り上がりまくり。
「次は浪漫飛行行ってみよー!!」
クライスが叫ぶと会場は揺れるほど盛り上がった。
合わせた様に曲が始まるとオールスタンディングとなりノリノリの集団。
「パルドデア国の皆様盛り上がってますねー!!」
「私達も楽しいです!」
私とエミリアが会場に向かって声をかけるとまた拍手が起こる。
「男性陣のカッコイイー!曲を2曲一気に行きまーす!」
「ひとり、そして新曲!!I Want it that way!!」
会場はキャーーー!!!と言う御令嬢達の黄色い声援で最高潮。
ノネット!!ノネット!!ノネット!!
またコールがかかる。
女性陣はギターとピアノのスタンバイ。ひとりはアカペラなので待機中。
クライスと会長の相変わらずの美声に酔いしれるお客様方。
御令嬢だけじゃない。
アルマーニ王子が幸せそうだ。スタンバイしてじっくり観察すると解る。この人、本気のファンだ。
「I Want it that way!」
パルドデア国初披露のこの曲の時はペンライトは消されてスタンディングの手拍子になった。
本当にこの曲はカッコイイ。後ろでギターを弾いているのだがいやぁ。御令嬢達の幸せそうな顔。
それ以上に王子3人が・・・。大ファンなんっすね。
歌い終わると
ジェファーソン様!!クライス様!!ケビン様!!カイン様!!ジョージ様!!
と叫び声と拍手喝采。
「ありがとうー!」
「みんなー!盛り上がってるかーい?!」
イエーイ!!!!
ひたすら会場のノリが良い。
ボードウェン国の初コンサートよりも盛り上がっている。
「Your song行くよー!」
ワーーー!!!拍手と歓声。
会場は再びペンライトが点灯し美しい光景が広がった。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【完結】100日後に処刑されるイグワーナ(悪役令嬢)は抜け毛スキルで無双する
みねバイヤーン
恋愛
せっかく悪役令嬢に転生したのに、もう断罪イベント終わって、牢屋にぶち込まれてるんですけどー。これは100日後に処刑されるイグワーナが、抜け毛操りスキルを使って無双し、自分を陥れた第一王子と聖女の妹をざまぁする、そんな物語。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる