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エリザベス様
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翌日もコンサートだがもう皆で城に泊まる事にした。
その方が王子も気が楽だろうし。
着替えを家に取りに行きルイスと城へ向かう。
「なあ?そんな不細工じゃないよなあ?」
「日本人的価値観からするとそうだよなあ。」
うんうん。2人で頷き合う。
「俺、転生しても黒髪だし。赤毛って羨ましい。金髪か茶髪にしたい。」
ルイスが不満そうに言う。
「黒髪似合うぞ。寧ろ自然で良いし。」
そんな話をしていると城に到着。
城では晩餐会の準備真っ只中だった。
「どうだ?」
キャサリンを見かけたので声をかける。
「VIPルームに篭ったままっぽい。」
何でも私達が会場の後片付けをしている間に城へ着き王様に挨拶を済ませたっきり部屋から出てない様だ。
「うーん?どうするかな?」
落ち込みまくっているんだろうなあ。
「おっ?来たねお二人さん!」
会長が私達に気が付いて寄ってきた。
「ねぇ?偵察行かないか?」
会長はニヤっと笑う。皇太子の部屋に?
「いや、婚約者の方だよ。幸いスタンディングしてたしウケたと思うからさ。皇太子の様子聞いてきてよ。」
王子と対面する前に対策を練ろうと会長は言う。なるほど。
女性の部屋に男性が行くのは後々面倒な事になると行けないから2人で是非!!
とキャサリンと私に御願いされた。
夏目さん達の時もこうだったよなあ。確かに女性の方が今回は良いか。
「キャサリン行くか。」
キャサリンは苦笑い。15歳の時の嫌な思い出なんだろうか。
「別にエリザベス様には何も言われて無いんだけどねー。何かなあ。」
と言いながらVIPルームのある2階への階段を登る。
「もしさあ。今回の件で婚約破棄とかなったらどうしよう?」
キャサリンが不安そうな顔をする。皇太子と婚約者には温度差があったしなあ。
「うーん。まあ何とも言えないな。」
「でしょ?!クライスとか会長とかカインとかを好きになってたらヤバくない?!!」
少々考え過ぎじゃないか?と言いながら部屋の前に来る。
手前の警護人に話しかけるとエリザベス様の部屋だった。奥が皇太子か。中に声を掛けてもらうと快く入れて貰えた。
「突然申し訳ございません。」
2人で頭を下げて部屋に入る。
エリザベス様は栗色の髪に茶色の瞳の綺麗な御令嬢だった。
「まあまあ!ノネット・クライムの!!どうしましょう!こんな格好で恥ずかしいわ!」
エリザベス様は飾り気の無いロングワンピース姿で恐らく部屋着だったのだろう。顔を赤くして慌てている。
さっとガウンを羽織られてペコりと頭を下げられた。
「どうぞお掛けになられて下さいな。嬉しいですわ!」
ニッコリ笑顔で部屋のテーブル席へ案内してくれた。
めちゃくちゃ好印象だ。
どうぞとお茶まで入れてくれ、何だか偵察に来たのに申し訳無い。
「ありがとうございます。」
と2人で頭を下げる。エリザベス様はうふふっと可愛らしい笑顔で腰掛けられた。
「お聞きしたい事があったのでちょうど良かったですわ。」
聞きたい事?何だろう。取り敢えず聞いてみるか。
「あの。クライス様とケビン様って・・・。」
照れる様にモジモジとされるエリザベス様。まじか!?
キャサリンの顔を見るとやっぱり?と言う顔をしている。
「本当に言い難い事なんですけどね。あっ。えとえと。」
顔を赤くされて可愛いいんだけどこれは不味い事態だ。エリザベス様は決心したように私達を見詰めて
「クライス様とケビン様ってお付き合い」
してる方いるんですか?かー?まじでヤバいぞ。
「されてるんですよね?」
ん?
「すみません。もう1回御願いします。」
何か上手く聞き取れなかった。キャサリンは解ったのか驚愕の顔をしている。
「クライス様とケビン様ってお付き合いされてるんですよね?本当にお似合いでした。素敵でしたもの。あっジョージ様は?やっぱりカイン様とお付き合いされているんですか?」
キラキラとした目でうっとりとエリザベス様が捲し立てる様に話続ける。
あれ?何か思っていたのと違う。
『腐女子だわ。』
キャサリンが日本語でボソリと呟いた。腐女子とは?私が首を傾げるとキャサリンは知らないのかとまた日本語で呟き
『男性同士の恋愛を愛でるのが好きな女性よ。』
とやはりエリザベス様には解らない様に日本語で教えてくれた。
衆道好きかあ。
まじか。世の中色んな趣味嗜好があって良いと思う。しかし、そう来るとは思わなかったなー。
「あら。ごめんなさい。一方的に話し込んでしまいましたわ。」
エリザベス様は私達が話した日本語等全く耳に入っていなかった様に1人の世界で話まくっていた様だ。
「えーと。残念ながらまだ付き合ってないですね。」
まだって何だよと思ったが会長、クライスとジョージ好きだしキャサリンの発言に突っ込みは止めておこう。
「それは残念です。本当にお似合いですのに。あー。御結婚されているのに申し訳無いのですがルイス様とジェファーソン様もお似合いですよねー!」
止まらないっすね。
暫くエリザベス様の妄想にお付き合いした後に本題に入れた。
「ダミアン様ですか?私もはしゃいでしまったからかしら。落ち込まれてしまって。婚約破棄されたらどうしましょうかとちょっと悩んでいたんです。」
その後、ダミアン様ってジェファーソン様とお似合いなんですよね。きっとダミアン様はジェファーソン様が好きだと思います。と嬉しそうに言う。これが腐女子か。なるほど。
思考が少々ズレている気がする・・・。
「私、趣味がこうなのでなかなか婚約が決まらなくて。ダミアン様の婚約者になれたのなんて奇跡なんですよね。」
エリザベス様はそう仰った。
「エリザベス様って皇太子様の事好きなの?」
そう聞くとニッコリと頷いた。
「だって赤毛が可愛いんですもの。うふふ。」
そっかあ。好きなら良いか。
「えーと。皇太子さんに趣味の話はしてるの?」
あー。もう何かタメ口になってるけど。
「言ってません。嫌われたくないし!!」
深いなー。今回、拗れまくってないか?
「きちんと仲直りした方が良いです。きっと解ってくれますよ!」
キャサリンがエリザベス様を励ますと小さく頷かれた。
「また後でゆっくりお話ししましょう!」
と約束して部屋を出る。
警護人に頭を下げお礼を言って下に降りる。
「びっくりしたーー!」
「これは拗れてるねー。」
キャサリンと顔を見合わせる。王子と皇太子の仲直り。皇太子とエリザベス様の仲直りか。エリザベス様は性癖も話すっと。
「会長に相談しようか。」
だよねー。と会長達の待つ客間へ向かった。
その方が王子も気が楽だろうし。
着替えを家に取りに行きルイスと城へ向かう。
「なあ?そんな不細工じゃないよなあ?」
「日本人的価値観からするとそうだよなあ。」
うんうん。2人で頷き合う。
「俺、転生しても黒髪だし。赤毛って羨ましい。金髪か茶髪にしたい。」
ルイスが不満そうに言う。
「黒髪似合うぞ。寧ろ自然で良いし。」
そんな話をしていると城に到着。
城では晩餐会の準備真っ只中だった。
「どうだ?」
キャサリンを見かけたので声をかける。
「VIPルームに篭ったままっぽい。」
何でも私達が会場の後片付けをしている間に城へ着き王様に挨拶を済ませたっきり部屋から出てない様だ。
「うーん?どうするかな?」
落ち込みまくっているんだろうなあ。
「おっ?来たねお二人さん!」
会長が私達に気が付いて寄ってきた。
「ねぇ?偵察行かないか?」
会長はニヤっと笑う。皇太子の部屋に?
「いや、婚約者の方だよ。幸いスタンディングしてたしウケたと思うからさ。皇太子の様子聞いてきてよ。」
王子と対面する前に対策を練ろうと会長は言う。なるほど。
女性の部屋に男性が行くのは後々面倒な事になると行けないから2人で是非!!
とキャサリンと私に御願いされた。
夏目さん達の時もこうだったよなあ。確かに女性の方が今回は良いか。
「キャサリン行くか。」
キャサリンは苦笑い。15歳の時の嫌な思い出なんだろうか。
「別にエリザベス様には何も言われて無いんだけどねー。何かなあ。」
と言いながらVIPルームのある2階への階段を登る。
「もしさあ。今回の件で婚約破棄とかなったらどうしよう?」
キャサリンが不安そうな顔をする。皇太子と婚約者には温度差があったしなあ。
「うーん。まあ何とも言えないな。」
「でしょ?!クライスとか会長とかカインとかを好きになってたらヤバくない?!!」
少々考え過ぎじゃないか?と言いながら部屋の前に来る。
手前の警護人に話しかけるとエリザベス様の部屋だった。奥が皇太子か。中に声を掛けてもらうと快く入れて貰えた。
「突然申し訳ございません。」
2人で頭を下げて部屋に入る。
エリザベス様は栗色の髪に茶色の瞳の綺麗な御令嬢だった。
「まあまあ!ノネット・クライムの!!どうしましょう!こんな格好で恥ずかしいわ!」
エリザベス様は飾り気の無いロングワンピース姿で恐らく部屋着だったのだろう。顔を赤くして慌てている。
さっとガウンを羽織られてペコりと頭を下げられた。
「どうぞお掛けになられて下さいな。嬉しいですわ!」
ニッコリ笑顔で部屋のテーブル席へ案内してくれた。
めちゃくちゃ好印象だ。
どうぞとお茶まで入れてくれ、何だか偵察に来たのに申し訳無い。
「ありがとうございます。」
と2人で頭を下げる。エリザベス様はうふふっと可愛らしい笑顔で腰掛けられた。
「お聞きしたい事があったのでちょうど良かったですわ。」
聞きたい事?何だろう。取り敢えず聞いてみるか。
「あの。クライス様とケビン様って・・・。」
照れる様にモジモジとされるエリザベス様。まじか!?
キャサリンの顔を見るとやっぱり?と言う顔をしている。
「本当に言い難い事なんですけどね。あっ。えとえと。」
顔を赤くされて可愛いいんだけどこれは不味い事態だ。エリザベス様は決心したように私達を見詰めて
「クライス様とケビン様ってお付き合い」
してる方いるんですか?かー?まじでヤバいぞ。
「されてるんですよね?」
ん?
「すみません。もう1回御願いします。」
何か上手く聞き取れなかった。キャサリンは解ったのか驚愕の顔をしている。
「クライス様とケビン様ってお付き合いされてるんですよね?本当にお似合いでした。素敵でしたもの。あっジョージ様は?やっぱりカイン様とお付き合いされているんですか?」
キラキラとした目でうっとりとエリザベス様が捲し立てる様に話続ける。
あれ?何か思っていたのと違う。
『腐女子だわ。』
キャサリンが日本語でボソリと呟いた。腐女子とは?私が首を傾げるとキャサリンは知らないのかとまた日本語で呟き
『男性同士の恋愛を愛でるのが好きな女性よ。』
とやはりエリザベス様には解らない様に日本語で教えてくれた。
衆道好きかあ。
まじか。世の中色んな趣味嗜好があって良いと思う。しかし、そう来るとは思わなかったなー。
「あら。ごめんなさい。一方的に話し込んでしまいましたわ。」
エリザベス様は私達が話した日本語等全く耳に入っていなかった様に1人の世界で話まくっていた様だ。
「えーと。残念ながらまだ付き合ってないですね。」
まだって何だよと思ったが会長、クライスとジョージ好きだしキャサリンの発言に突っ込みは止めておこう。
「それは残念です。本当にお似合いですのに。あー。御結婚されているのに申し訳無いのですがルイス様とジェファーソン様もお似合いですよねー!」
止まらないっすね。
暫くエリザベス様の妄想にお付き合いした後に本題に入れた。
「ダミアン様ですか?私もはしゃいでしまったからかしら。落ち込まれてしまって。婚約破棄されたらどうしましょうかとちょっと悩んでいたんです。」
その後、ダミアン様ってジェファーソン様とお似合いなんですよね。きっとダミアン様はジェファーソン様が好きだと思います。と嬉しそうに言う。これが腐女子か。なるほど。
思考が少々ズレている気がする・・・。
「私、趣味がこうなのでなかなか婚約が決まらなくて。ダミアン様の婚約者になれたのなんて奇跡なんですよね。」
エリザベス様はそう仰った。
「エリザベス様って皇太子様の事好きなの?」
そう聞くとニッコリと頷いた。
「だって赤毛が可愛いんですもの。うふふ。」
そっかあ。好きなら良いか。
「えーと。皇太子さんに趣味の話はしてるの?」
あー。もう何かタメ口になってるけど。
「言ってません。嫌われたくないし!!」
深いなー。今回、拗れまくってないか?
「きちんと仲直りした方が良いです。きっと解ってくれますよ!」
キャサリンがエリザベス様を励ますと小さく頷かれた。
「また後でゆっくりお話ししましょう!」
と約束して部屋を出る。
警護人に頭を下げお礼を言って下に降りる。
「びっくりしたーー!」
「これは拗れてるねー。」
キャサリンと顔を見合わせる。王子と皇太子の仲直り。皇太子とエリザベス様の仲直りか。エリザベス様は性癖も話すっと。
「会長に相談しようか。」
だよねー。と会長達の待つ客間へ向かった。
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