ヤンキー乙女ゲームの主人公になる!虐め?上等!夜露死苦!

美浪

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クライスと会長

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何故かポスター貼りにクライスが着いてくる。

別に良いんだけど。



「大した仕事じゃないよ?」

「でもさあ、曲も4つも作ったでしょ?ポスター貼りにまで行くなんて働き過ぎ!!」

クライスはムスッとした顔で言う。



曲は大司教様に教えて貰って全然考えてないんだけどね。

新たに歌詞を考えて作曲しようとする君らの方が余程頭使っているんだけど。

しかし、大司教様って凄い。曲も良く知ってるし何か今度はベースギターの作成に取り掛かっているらしい。



「会長?何かぼーっとしてる。」

「ああ、ごめん。何か大司教様が新しい楽器をまた開発してるらしくてね。」

クライスは凄いね!と言いつつ何か面白くなさそうな顔で。



なんだ最近のクライス!!とちょっと突っ込みを入れたくなる。



「うちの車で良いかな?」

「勿論!」

運転手にレコード店を回るように頼む。



何話そ。。意識し過ぎると会話に困る。



「クライス、ユニット曲さあダンスも付けて良い?」

「わー。踊りながらかー。何とか頑張る。」

少〇隊、ダンスは必須だよね。君だけにが良かったかなー。御令嬢がバタバタ倒れるのが目に浮かぶ。



「ねえ!何で会長とユニット一緒じゃないの?」

ええ?!そこ?

「僕とやりたかった?」

そう聞くと素直に頷く。



「会長と張り合うのが楽しいんだもん!」

「何だよそれー!声援の数とかか?」

クライスはくすくすと笑う。本当に何だよそれだよ!全く。



1軒目のレコード店に到着。

「すみません。」

店に入ると店主は目を輝かせる。

「これはノネット・クライム!!」

どうもノネット・クライムです。とご挨拶。



「レコードまだ売れてますよ!本当に凄い人気です!」

店主にもお金入るしそれはもう嬉しそう。

「あのですね。今度のコンサートの予告ポスター貼らせて下さい。」

そう言うと快くOKしてくれた。

「私も行こうかなあ。店休むかなあ。」

店主はブツブツと悩みながら店舗の入口にドーンと貼ってくれた。これは有難い。

「ありがとうございます。ではまた!」

お礼を言って次の店へ。



車に乗ると

「よし!次は僕が交渉するね!」

とクライスが笑顔。張り合ってるのかな?

もしかしてライバル認識か?それなら納得だ。ノネット・クライムのナンバー1人気狙いか。

そうかもなあ。元々モテ男君だしね。



次のレコード店。

「こんにちはー!」

2軒目の店でも同様の反応。

「本物ですよね?」

ノネット・クライムです。お世話になっております。とご挨拶。



「すみません、今度コンサートをやるんですがこちらのポスターを貼らせて貰えませんか?」

クライスは笑顔で店主に声をかける。

「そりゃ勿論、どうぞどうぞ!」

嫌がる事も無く店主は今度は僕らのレコードを並べてある所の上にポスターを貼ってくれた。

ありがとうございました!丁寧にお礼をして車に戻る。



「限定ジャケットで顔バレたのかもねー。」

ルナリーのコンクールの件で思った。顔が売れてきた!

まあ、テレビ無いしそのくらいしないと知名度上がらない世界だからね。

「そうだね。会長の案が良かったんだよ。」

クライスが微笑む。

本当に可愛い笑顔だ。



学校から1番遠いレコード店までポスター貼り完了!

帰りの車でクライスが躊躇った様に時々見詰めてくる。待て!何事だ!理性が持たなくなる!



「ねえ会長?お願い聞いてくれる?」

じっと見詰める碧眼の瞳。

「う、うん。」

最近、意識しすぎてキツい。



「妹が婚約する。。助けて。」

クライスはゲンナリした様に視線を逸らして窓の外を見る。

「え?!妹さん婚約するんだ?」

それは益々、クライスも婚約しろと圧がかかるって事か!?

なんだ最近のクライスの言動の原因はコレかぁ!情緒不安定だったんだな。と勝手に納得。



「うん。だから婚約パーティーでまた踊って。」

視線を逸らしたまま少し顔を赤くして呟く様に言った。



踊る?踊る。ダンス?王子の誕生日パーティーの時みたいに?



「自分の家のパーティーだよね?大丈夫なの?」

流石に御両親の前でやるのはちょっと・・・。



「だって御令嬢と踊りたくないんだもん。」

むーっと頬を膨らませるクライス。

ずっとつつきたいと思っていた衝動を今日は行動に移してしまった。

ちょん!と膨れた頬をつつく。ぷッ。

くそー!可愛いーーーー!!!

つつかれたクライスはむーっとした顔をしている。



「本当に大丈夫なら踊るから。」

そう言うとクライスの顔がパッと笑顔になる。クソ単純。

きちんと御両親に前もって許可を取ることが条件!

そこはキツく言い聞かせた。



「何て言おう・・。」

そうなんだよなあ。男と踊るって。異例過ぎるし。

変な噂が立たないとは限らないし。



「ノネットからは誰を呼ぶの?」

メンツによっては良い案が閃くかも?

「全員呼びたいけど僕のパーティーじゃないし。ジェファーソンとキャサリン?ルイスとルナリー?と会長だけかな。」

基本は財閥だけの所を無理矢理、僕を呼ぶとの事。

カイン達には申し訳ないけれど致し方ないか。



「シャッフルダンスにしようか?」

全員でやれば怖くない。



「シャッフルダンス?」

クライスが首を傾げる。

僕とクライス。ジェファーソンとルイス。ルナリーとキャサリン。

そう言うとクライスは関心した様に何度も首を縦に震った。



「お願いしたらいけるだろ?」

どうしても女性と踊らないといけない時はルナリーとキャサリンに頼めば良いし。



クライスは凄く嬉しそうに安心したーと呟いた。

相当、悩んでいたんだろうなあ。



「じゃ、帰るか!」

そう言うと笑顔で頷く。



また接近するんだな。最近、心が女性化している。本当に気をつけなければ。。

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