ヤンキー乙女ゲームの主人公になる!虐め?上等!夜露死苦!

美浪

文字の大きさ
上 下
225 / 369

卒業式

しおりを挟む
「卒業生代表答辞。3年声楽科ケビン・フォワード。」



本日はアリア学院卒業式。



壇上に会長が上がって行く。成績優秀な生徒が勿論、送辞と答辞は行う。



「本日は御来賓の皆様、保護者の皆様、ご臨席頂き誠にありがとうございます。」



そしてここで1曲披露。答辞と送辞に選ばれた生徒は学科に応じて演奏すると言うアリア学院ならでは。

ちなみに先程の送辞は王子がピアノを弾いた。



声楽科の生徒の場合アカペラになる。



会長の声はやはり綺麗だ。カウンターテノールの美声が会場に響く。『お前を讃える栄光のために』久しぶりに会長の声楽曲を聞いた。



歌い終わると拍手喝采。



その後に少し挨拶。



「ご清聴ありがとうございました。」

会長がお辞儀をし話を始める。



「僕は2年生の時にこれからの人生を共にする仲間と出会いました。最初の出会いは最悪でしたけど。」

そう言ってニヤっと笑う。キャサリンの断罪イベントの時だ。



最初は受け入れて貰えるか解らない音楽交流海外遠征では不安もありました。

しかし彼等は僕と共に国立教会のクリスマスミサコンサートに出演をしようと誘ってくれたのです。



「この国、いやこの世界に無い新しい音楽は僕にもそして礼拝者達にも感動を齎しました。」



そしてそのクリスマスミサコンサートをきっかけに僕は学年は1つ下ですが彼等と本当の友情を築いて行く事になりました。



その後、沢山、新曲を皆で作り毎月ミサコンサートを開催、ノネット・クライムとして本格的にデビュー。



1年間本当に1日1日が目まぐるしくとても充実していて本当に素晴らしかった。



「在校生の皆さん。本当の友達をこれからの人生を共にする仲間を作れると言う素晴らしい機会は沢山あります。庶民だから財閥だからと壁を作るのは損していると思います。今後のアリア学院の更なる発展を祈ります。」



会長は笑顔でお辞儀をした。



拍手と啜り泣く声が耐えない。

そして両隣のクライスとカインも号泣している。私も思い出し泣き中だが。

「会長、寂しいよぉ。」

「明日からも会えるけど寂しいー。」

号泣する2人の頭を撫でておこう。姐として。。



明日からも会えるんだけどな。何故かしらとても寂しい。



そうか。会長の制服姿って今日で最後なんだ。



出会いは本当に最悪だった。サイボーグってあだ名付けてごめんよ。

でも、最高に頼りになる。私の人生にもそして皆にも会長は無くてはならない人物だ。





卒業式が終わりその後終業式も終わった。明日から春休みとなる。



放課後、会長がなかなかレッスンルームに来ない。

多分、卒業生同士で盛り上がっているんだろう。



「会長まだかなあ。」

「おそーい!」

クライスとジョージが可愛く拗ねている。



ガラ、、ガラガラ。

「よいしょっと!!ごめん。めちゃくちゃ遅くなった!」

会長がレッスンルームの扉を足で開けながら声をかけた。



「わー!大丈夫?!」

思わず会長を支えに走った。両手いっぱいのプレゼントや花束。

鞄もパンパンに膨らんでいる。



「あー。ちょっと持ってくれたら助かる。」

皆で会長のプレゼントを持ちテーブルに置いてあげた。



「これでもうちの運転手に1回プレゼント貰ったやつ渡したんだ。その後貰ったやつでこれ。」

会長は人生で1番沢山プレゼント貰ったよと笑っていた。



「うーん。来年、僕らも同じ感じかな。」

「多分。」

「8人いるから分散するんじゃないかなー?」

多分、クライスが1番貰いそう。



「では、改めまして!会長!!」



卒業おめでとうございます!!!



レッスンルームでちょっとした卒業パーティーをする事にした。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

【完結】お飾りではなかった王妃の実力

鏑木 うりこ
恋愛
 王妃アイリーンは国王エルファードに離婚を告げられる。 「お前のような醜い女はいらん!今すぐに出て行け!」  しかしアイリーンは追い出していい人物ではなかった。アイリーンが去った国と迎え入れた国の明暗。    完結致しました(2022/06/28完結表記) GWだから見切り発車した作品ですが、完結まで辿り着きました。 ★お礼★  たくさんのご感想、お気に入り登録、しおり等ありがとうございます! 中々、感想にお返事を書くことが出来なくてとても心苦しく思っています(;´Д`)全部読ませていただいており、とても嬉しいです!!内容に反映したりしなかったりあると思います。ありがとうございます~!

婚約破棄のその後に

ゆーぞー
恋愛
「ライラ、婚約は破棄させてもらおう」 来月結婚するはずだった婚約者のレナード・アイザックス様に王宮の夜会で言われてしまった。しかもレナード様の隣には侯爵家のご令嬢メリア・リオンヌ様。 「あなた程度の人が彼と結婚できると本気で考えていたの?」 一方的に言われ混乱している最中、王妃様が現れて。 見たことも聞いたこともない人と結婚することになってしまった。

処理中です...