ヤンキー乙女ゲームの主人公になる!虐め?上等!夜露死苦!

美浪

文字の大きさ
上 下
209 / 369

ただ、サボりたいだけ

しおりを挟む
朝から2人はボードウェン国を出発される。

「楽しかったからまた来るぞ!」

「本当に良い国交調印でした。また来ます!」

光国さんと夏目さんが名残惜しそうに飛行船に乗り込まれた。


「凄く楽しそうでしたね。光国さん達も同じ年くらいの友達欲しかったのかな。」

王子が呟いていた。

多分、そうだろうなあ。本来は偉い方々だもんな。


2人の乗った飛行船を見送って帰ろうかと言う所だった。


「あのー。大変申し訳無いんですが。」

王子が皆に声をかけた。

「明後日なんです。」

「ん?どうした?ジェファーソン。」

会長が首を傾げる。


「ミサコンサート。。日にち間違えてました、、。」

王子が気まずそうにごめん!!!と頭を下げる。


珍しい事もあるもんだ。

「じゃー。今日は久しぶりに練習するかー!先ずは、学校行かなきゃ。」

私がそう言うと


「そうだ!公的にサボってましたね!」

今日はまだ金曜日だったのを皆してすっかり忘れていたようだ。もう授業も始まる時間だよー。


「歌の練習は良いけど授業面倒ですね。」

「遅刻ですし。」

この空気はサボろうと言う空気だ。。


「曲をWe are the worldにしたら楽器が要らないな。」

会長がポツリと呟く。

皆は顔を見合わせてレッスンルームに行かなくても練習出来るな。と言うノリになっていく。


要は単純にサボりたいのだ。

「何処かサボっても煩くない家で練習出来ませんか?」

王子の城は使えない様だ。


皆ちょっと躊躇している。ツッコミを入れられると何処の家もそこそこ面倒。

ちなみにうちは誤魔化せるが狭すぎる。


「あー。教会は?」


「そうですね!ゲネプロって事で。」

大司教さんは何も言わないだろうし。


問題解決ー!と言う訳でバスで教会へ向かう事にした。


「何か今日は休みたい気分だったんですよね。」

「そうそう。結構、疲れている!」

口々に言い訳をしながら教会へ。


教会は礼拝する人もいるが広いので使用出来る部屋はある。


「おや?皆さんお揃いで。サボりですか?」

大司教さんが笑いながら迎えてくれた。

全然、気にしませんよ。練習に使って下さい。とまだ使った事がない2階の部屋に案内された。


「その代わり練習見ていいですか?」

フフっと大司教さんは微笑む。

「勿論ですよ。先程まで夏目様と光国殿が国交調印にいらしてたんですよ。」

王子がそう言うといよいよ国交開始ですか!と喜んでいた。


教会の2階の部屋は広いが使われて居ない様でピアノだけ置いてあった。


楽譜は何時も持ち歩いているので歌の練習開始はスムーズ。

We are the worldは全員ソロパートありだ。

そう言う歌だし。


大司教さんも勿論知っている曲なので嬉しそうに聞いている。


「良い曲ですねー!各人の声の良さが出ています!無伴奏なのがちょっと寂しかな。」

大司教さんが感想を述べる。


「1人、弾き語りにしよっか。」

確かに伴奏があった方が盛り上がる。

「たまには僕がピアノ弾きますよ!」

ジョージが手を上げる。


「あぁ。ジョージってピアノ科だよね。」

クライスがすっかり弦楽器科なイメージと笑っている。


「ピアノもチェロもお任せあれ!」

ジョージがピアノへ向かう。


ジョージのピアノは優しい。性格が現れる様な感じだ。平和を願う歌としては適役だったかも。


ピアノに合わせて歌うとまた良さが引き出される。


「完璧じゃないですか!!凄いなあ。」

大司教さんが感動している。


「明後日はこれで行くか。思ったより早く纏まったね。」

でも、学校には行かないよーという雰囲気。

次は何か別の練習しましょうかと皆、言い出した。


「クリスマスミサはどうしますか?もうクリスマスらしい曲でなくても良いと思いますよ。」

大司教さんは2曲は歌って下さいね。と微笑まれる。


「クリスマスかぁ。1年早いよね。」

「クリスマスらしくないか。でもちょっと拘りたい!」

会長が悩みだした。きっとクリスマスソングを思い出しているんだろう。


「そうそう。新しい楽器を作ったんですよ。」

大司教さんが不敵な笑みを浮かべた。


「え?大司教様が作られたんですか?」

王子が驚いた顔をしているが興味で目がキラっと光った気がした。

「いや、プラゲ国の三味線や琵琶とヴァイオリンやチェロの混合見たいな楽器を思い付いたので。職人に作らせました!見たいでしょ?」


見たい!!!皆が一斉に叫ぶ。


大司教さんがちょっと待ってて下さいと言って持ってきた楽器は紛れもなくアコースティック・ギターだった。


「これは!!確かに中間的な感じの見た目ですね!」

王子が本当にワクワクしながら早く弾いて下さいと言った。


大司教さんは笑いながら座って足を組む。

多趣味な人だなあ、ギター弾けたんだな。


この音色、良い!懐かしい!


「わー!!!凄い凄い!大司教様!」

ジョージも食い入る様に近付いて聞いている。


「で、どうですか?試作品なんですけど。使って見ます?」

大司教さんがそう言うと皆、大きく頷いた。勿論です!!


「これは私のなので発注しますね。」

「僕も欲しいです!」

「俺も!!」

ジョージもルイスも欲しがるので3本発注をお願い。

その後は大司教さんのギター講習会となった。


「良い曲出来そうだなあ。」

会長が嬉しそうに微笑んでいた。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

親切なミザリー

みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。 ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。 ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。 こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。 ‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。 ※不定期更新です。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...