205 / 369
元締めの所へ行こう!
しおりを挟む
帰りは急いで帰るという事で飛行船になった。
流石に一般の飛行船に乗る訳には行かないので民間機を貸し切らせて貰った。
カインが叫ぶが今は誘拐未遂事件の話し合いで皆、相手にして居ない。
「酷い皆、睨んでもくれないし!」
半べそのカインの頭をルイスがポンと叩いて宥めていた。
首都の外れの漁港では無い所に船は停泊していると言う。
アレクサンダー王子を誘拐して身代金を貰って逃げる予定だったと言うちょっとお粗末な計画だ。
「動物園で警護人が少なかった所を狙ったまでは良かったんでしょうけどね。」
「僕の警護がこれから増えると思うと凄く迷惑だよ。」
「僕も暫く増えそう。」
王子とクライスが嘆いている。
船への乗り込みは交渉人として王子と会長。2人の警護に私設兵3名。後は私とルイスと光国さん、グレンさん、ローズさん。
船の周りにも私設兵が待機しているので大丈夫だろう。
「小麦の輸入はデルソリアに戻した方が問題は解決するのじゃろうか?」
光国さんが相当悩んでいる。
「色々と国の事情もあるのかもしれませんが。。困った連中ですね。」
夏目さんも目を顰めて悩んでいる。
「国のトップの権力が行き渡って居ない国なんだと思います。」
王子が溜息をついた。そこは我が国も絶対的では無いしと本当に国を纏めるのは難しいとまた溜息。
飛行船は40分程で着いた。カインの相手をしてやれず申し訳ない。
話し合いは深刻なのだ。
飛行場には王様とアレクサンダー王子が来ていて王子は詳しく事情を説明していた。
「デルソリアか。治安に問題があるから国交を持っていませんでしたね。」
アレクサンダー王子がそう言うと王様も頷いていた。
「穏便に済ませて来なさい。小麦の輸出が無くなってもプラゲ国との国交は辞めません。」
王様は光国さん達に微笑まれて送り出してくれた。
デルソリアの元締めの停泊してある船へは車で向かった。
「大丈夫か?ルナリー。」
ルイスが腕の青あざを心配してくれる。
「うん。打撲だけ。まじでクライスとキャサリンだけだったらヤバかったよ。」
マッケンジー家の車で漸く落ち着いて話しが出来る。
「クライスに着いて行って良かったな。ルナリーが居なかったら誘拐事件になってたぞ!」
グレンさんが運が良かったと言ってくれた。
「元締めってマフィアみたいな感じかな?腕が鳴るね。」
ローズさんもグレンさんも電話口で即答で参加する!と言ったらしい。
かなり田舎の郊外。
間もなくかと言う所で私設兵が道路沿いから手を振っているので車を停めた。
「見つかると不味いので此処からは徒歩でお願いします。」
そう言われ案内される。
草むらの先には岸壁釣りが出来そうな場所がありそこに船は停泊していた。船はさほど大きく無い。漁船の様な見た目。民家も近くには無く見つかりにくい所を選んであると思った。
木の陰や草むらに私設兵数名が待機中。
私達も全員揃って船へ乗り込む事にした。もしも出発された時の為に近くの死角に船も停泊中らしく抜かりなしだ。
「見張りは居ませんね。」
甲板に人気は無い。中もそう広そうでは無いし居ても10人くらいかなあ。逮捕された5人以外は来てないのか?
先頭を切って私設兵が1人乗り込む。
その後にグレンさん、光国さん、ローズさん、ルイス、私と続く。王子と会長と私設兵は少し待機。
音に気づいたのか中から1人のデルソリア人が出て来て叫んだ。
「何者だ!?」
デルソリア人はいきなりナイフを構えている。
「何かあったか?!」
ゾロっと5人追加で登場。やっぱりまだ居たのか。
「ボードウェン国の者だ。お前達の親玉に会いに来た。」
グレンさんが男に向かって叫ぶ。
「チッ!失敗したか!」
「不味いね!此奴ら殺すか?」
デルソリア人は物騒な事を言いながら此方を警戒している。
「のう!主ら小麦の輸出差し止めの腹いせじゃろ?良いのか?儂はプラゲ国の者じゃが?」
光国さんの姿を見て男達はボソボソと話し合いをしている。母国語なんだろう。何と言っているか不明。
「捕まるよりましね!!」
1人が襲ってきたのを私設兵が躱し殴り付ける。
カーン!バトルスタートのゴングがなった様に感じた。
意気揚々とグレンさんがナイフを持った男を蹴り上げナイフを叩き落とす。
「何事だ!!」
更に2人デルソリア人が居たようで敵が増えた。
光国さんが嬉しそうなので良しとするか。
峰打ちで一撃で倒している。更に剣の腕が上がってらっしゃる。
ローズさんも特殊警棒と蹴りで倒していたしルイスも既に気絶させていた。
私も仲間がいると心強い。これでお終い!!特殊警棒で殴りつけ倒した。
「よーし!中に入るかー!」
全員倒したのを確認して光国さんが声をかける。
王子と会長と私設兵2人が船に乗って来た。続いて倒したデルソリア人を捕らえる為の私設兵数名。
「はは、凄いね。」
「相変わらず強いですねぇ。」
会長と王子は倒されたデルソリア人を眺めながら此方にやって来た。
「少々お待ち下さい。」
私設兵が中へ入り確認する。ドアを開けると下へ降りる階段があった。
「俺も行こう。」
私設兵に続いて念の為にグレンさんが着いていく。
階段を降りて左右を2人で確認していて降りて大丈夫だとサインがあった。
外観は漁船だったが中はそこそこ綺麗だった。
右手側の部屋を片っ端から私設兵が開け中に人がいないか確認している。
「あちらですね。」
私設兵が奥の扉を指さした。
「万が一がありますので。」
私設兵が盾になる様に並び扉をノックする。
「はい。」
中から男の声がした。
私設兵がゆっくりと扉を開けた。
中は小さな社長室風に作ってあり正面に机と椅子があり手前にソファと小さなテーブルがあった。
元締めであろう男は正面の椅子に座っており側近1人が横に立っていた。
私設兵は警戒は怠らず
「ボードウェン国から今回の誘拐未遂事件の件で参りました。」
と元締めに告げる。
暫しの沈黙の後で元締めは口を開いた。
流石に一般の飛行船に乗る訳には行かないので民間機を貸し切らせて貰った。
カインが叫ぶが今は誘拐未遂事件の話し合いで皆、相手にして居ない。
「酷い皆、睨んでもくれないし!」
半べそのカインの頭をルイスがポンと叩いて宥めていた。
首都の外れの漁港では無い所に船は停泊していると言う。
アレクサンダー王子を誘拐して身代金を貰って逃げる予定だったと言うちょっとお粗末な計画だ。
「動物園で警護人が少なかった所を狙ったまでは良かったんでしょうけどね。」
「僕の警護がこれから増えると思うと凄く迷惑だよ。」
「僕も暫く増えそう。」
王子とクライスが嘆いている。
船への乗り込みは交渉人として王子と会長。2人の警護に私設兵3名。後は私とルイスと光国さん、グレンさん、ローズさん。
船の周りにも私設兵が待機しているので大丈夫だろう。
「小麦の輸入はデルソリアに戻した方が問題は解決するのじゃろうか?」
光国さんが相当悩んでいる。
「色々と国の事情もあるのかもしれませんが。。困った連中ですね。」
夏目さんも目を顰めて悩んでいる。
「国のトップの権力が行き渡って居ない国なんだと思います。」
王子が溜息をついた。そこは我が国も絶対的では無いしと本当に国を纏めるのは難しいとまた溜息。
飛行船は40分程で着いた。カインの相手をしてやれず申し訳ない。
話し合いは深刻なのだ。
飛行場には王様とアレクサンダー王子が来ていて王子は詳しく事情を説明していた。
「デルソリアか。治安に問題があるから国交を持っていませんでしたね。」
アレクサンダー王子がそう言うと王様も頷いていた。
「穏便に済ませて来なさい。小麦の輸出が無くなってもプラゲ国との国交は辞めません。」
王様は光国さん達に微笑まれて送り出してくれた。
デルソリアの元締めの停泊してある船へは車で向かった。
「大丈夫か?ルナリー。」
ルイスが腕の青あざを心配してくれる。
「うん。打撲だけ。まじでクライスとキャサリンだけだったらヤバかったよ。」
マッケンジー家の車で漸く落ち着いて話しが出来る。
「クライスに着いて行って良かったな。ルナリーが居なかったら誘拐事件になってたぞ!」
グレンさんが運が良かったと言ってくれた。
「元締めってマフィアみたいな感じかな?腕が鳴るね。」
ローズさんもグレンさんも電話口で即答で参加する!と言ったらしい。
かなり田舎の郊外。
間もなくかと言う所で私設兵が道路沿いから手を振っているので車を停めた。
「見つかると不味いので此処からは徒歩でお願いします。」
そう言われ案内される。
草むらの先には岸壁釣りが出来そうな場所がありそこに船は停泊していた。船はさほど大きく無い。漁船の様な見た目。民家も近くには無く見つかりにくい所を選んであると思った。
木の陰や草むらに私設兵数名が待機中。
私達も全員揃って船へ乗り込む事にした。もしも出発された時の為に近くの死角に船も停泊中らしく抜かりなしだ。
「見張りは居ませんね。」
甲板に人気は無い。中もそう広そうでは無いし居ても10人くらいかなあ。逮捕された5人以外は来てないのか?
先頭を切って私設兵が1人乗り込む。
その後にグレンさん、光国さん、ローズさん、ルイス、私と続く。王子と会長と私設兵は少し待機。
音に気づいたのか中から1人のデルソリア人が出て来て叫んだ。
「何者だ!?」
デルソリア人はいきなりナイフを構えている。
「何かあったか?!」
ゾロっと5人追加で登場。やっぱりまだ居たのか。
「ボードウェン国の者だ。お前達の親玉に会いに来た。」
グレンさんが男に向かって叫ぶ。
「チッ!失敗したか!」
「不味いね!此奴ら殺すか?」
デルソリア人は物騒な事を言いながら此方を警戒している。
「のう!主ら小麦の輸出差し止めの腹いせじゃろ?良いのか?儂はプラゲ国の者じゃが?」
光国さんの姿を見て男達はボソボソと話し合いをしている。母国語なんだろう。何と言っているか不明。
「捕まるよりましね!!」
1人が襲ってきたのを私設兵が躱し殴り付ける。
カーン!バトルスタートのゴングがなった様に感じた。
意気揚々とグレンさんがナイフを持った男を蹴り上げナイフを叩き落とす。
「何事だ!!」
更に2人デルソリア人が居たようで敵が増えた。
光国さんが嬉しそうなので良しとするか。
峰打ちで一撃で倒している。更に剣の腕が上がってらっしゃる。
ローズさんも特殊警棒と蹴りで倒していたしルイスも既に気絶させていた。
私も仲間がいると心強い。これでお終い!!特殊警棒で殴りつけ倒した。
「よーし!中に入るかー!」
全員倒したのを確認して光国さんが声をかける。
王子と会長と私設兵2人が船に乗って来た。続いて倒したデルソリア人を捕らえる為の私設兵数名。
「はは、凄いね。」
「相変わらず強いですねぇ。」
会長と王子は倒されたデルソリア人を眺めながら此方にやって来た。
「少々お待ち下さい。」
私設兵が中へ入り確認する。ドアを開けると下へ降りる階段があった。
「俺も行こう。」
私設兵に続いて念の為にグレンさんが着いていく。
階段を降りて左右を2人で確認していて降りて大丈夫だとサインがあった。
外観は漁船だったが中はそこそこ綺麗だった。
右手側の部屋を片っ端から私設兵が開け中に人がいないか確認している。
「あちらですね。」
私設兵が奥の扉を指さした。
「万が一がありますので。」
私設兵が盾になる様に並び扉をノックする。
「はい。」
中から男の声がした。
私設兵がゆっくりと扉を開けた。
中は小さな社長室風に作ってあり正面に机と椅子があり手前にソファと小さなテーブルがあった。
元締めであろう男は正面の椅子に座っており側近1人が横に立っていた。
私設兵は警戒は怠らず
「ボードウェン国から今回の誘拐未遂事件の件で参りました。」
と元締めに告げる。
暫しの沈黙の後で元締めは口を開いた。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

わたしを捨てた騎士様の末路
夜桜
恋愛
令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。
ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。
※連載
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる