ヤンキー乙女ゲームの主人公になる!虐め?上等!夜露死苦!

美浪

文字の大きさ
上 下
180 / 369

コンサート初心者な私達

しおりを挟む
本日も放課後レッスンルームへ向かう。

市民ホールコンサートの日が近付いて来ていて何だか連日慌ただしい。曲決めすら確定していない。

王子はいつも暴走気味だが今回のコンサートは日が足りなさ過ぎる。

「お疲れー!」

レッスンルームには会長、カイン、クライス、ルイスが集まって居た。

「ルナリー、取り敢えず座ろうか。」

こう言う形態のコンサートってのは国で初めての試みなのでどう言う感じで行うかと言う概要がイマイチ決まっていない。

「普通のコンサートってベートーヴェンの第何楽章とか決めて全部それを演奏したり、オペラの演目ならそれを演じれば良いもんね。」

カインとクライスの言う事が良く解る。生まれた時からある交響曲やオペラは順番とか決まっている。

「曲の順番とか曲の間とかどうしたらいいの?」

なるほどな。こりゃ説明難しいし知り過ぎているのも可笑しいか。

「全員揃って決めようか。」

会長が考えながら皆を待つように提案した。


「お待たせ!」

キャサリンと王子が登場し、すぐ後ろからバタバタとジョージとエミリアも来て全員集合した。


「えーと?何の話し合いですか?」

王子も座って私達を見た。

先程のカインやクライスの疑問を伝えた。

一気に場が静まる。

「曲の間ね。確かに何か会話とかした方が良いんでしょうか?」

「考えた事も無かった。曲の順番だけ決めるだけじゃダメなのかな。」

王子とジョージが困った様な顔で首を捻る。


「曲も上手く順番決めないと楽器が異なったりするからね。」

バタバタするのも見た目が悪いしそういう間に繋ぎのトークが必要だと思うと会長が言った。


「あー!!なるほど。」

王子は納得した様に腕を組んで考えこむように天井を見た。


「Jupiterの次に異国の友へとかにしたら楽器総替えでめちゃくちゃバタバタして見えますね。」


コンサートって普通はアルバム出してそれをコンサートでやるんだよなあ。

だいたい皆、曲を知っているファンが来る。

クラシックにしても皆、知っていて聞きにくる。私達はどうなんだろう?

「全曲聞いてきたファンって少ないよな?殆どいないと思うんだ。」

私がそう言うと皆、確かにそうだろうと頷く。

「ファン、評判を聞いた人、興味本位、そんな感じかな?」

「知らない人も居るか。そうだよね。」


自己紹介、曲紹介は必要か。


「曲は新曲入れて何曲になりましたっけ?」

えーと。

Jupiter、宇宙のファンタジー、サマーバケーション、異国の友へ、島唄、ワダツミの木、乾杯、浪漫飛行、your song?

「9曲か。oh happy dayとHail Holy Queen加えて11曲か。」

普通のコンサートって何曲歌うんだ?

記憶があんまり無い。

「コンサートって1時間30分?2時間?」

ダメだ私達は初心者過ぎる。

「だいたい1時間30から2時間。あと友情って曲も加えましょう。それで12曲です。あと3曲作ります。アンコール込みで15曲にしましょう。」

会長が不安そうな私達に笑顔を向けた。


「確実にファンだけのコンサートなら20曲にしたいですけどノネット初心者が多いでしょうから少なくて良いと思います。」


ライブハウスでやるメジャーデビューしてないバンドくらいのイメージでやれば良いのかな。私もなるほどと頷く。


「いつも、申し訳ない。僕が暴走しちゃって急かして日にち決めてしまいましたもんね。」

王子が頭を下げた。


「いや?良いんじゃない?」

「ジェファーソンの行動力って流石だと思うし。」

助かってる面の方が多いしね。


「じゃ!あと3曲作りましょう!」

もうバタバタでも何とか成功させる!


全員で五線譜のノートを広げ作成開始。

作れた曲は次回に回してもOK。


綱渡り状態。渡りきれ!

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

婚約破棄されなかった者たち

ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。 令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。 第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。 公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。 一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。 その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。 ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

処理中です...