174 / 369
8月コンサート
しおりを挟む
8月ミサコンサート。
悩んだのだが亊と小太鼓は入場する際に運ぶのは大変なので設置済み。綺麗な布をかけて隠している状態だ。
「笙がさあ。乾燥させておかないと音が悪くなるんだよね。」
ジョージが取り敢えず笙を日光浴させている。
「何か火鉢で乾燥させるって言ってたよね。夏は火を炊くのはちょっと暑いよねえ。」
一緒に習ったカインがジョージの横で一緒に日光浴中。
「竹製品の楽器ってお手入れ大変ですよね。」
エミリアも龍笛等の笛のお手入れは欠かせないと言っていた。
まだミサまで30分以上あるのだが席が殆ど埋まっている。人気は出て来てる証拠なのだけど。
「チケット誰か買ってくれてるかなあ?」
礼拝堂の様子が気になる。
「取り敢えず最後の挨拶でアピールするよ。」
王子は心配しないでと皆に微笑みかける。
「本当に信仰心の熱い人と僕ら目的の人、どのくらいの割合なんだろうね?」
またこっそりと礼拝堂を観察していたクライスが呟く。
「本日も満員御礼、立ち見有り。」
本当に教会でのコンサートは順調だ。
「なぁ。ポスターのデザインって出来る?」
ルイスにこっそりと話し掛ける。
「インパクトに欠けるからだろ?やった事は無いけど。」
昔は壁に落書きしてたじゃんと言うと確実にカッコイイ感じになら書けるかもなあと言いながら考え始めた。
「スプレー缶専門なんだよなあ。」
確かにそうだったな。
「こう、チームのじゃなかった、このメンバーのモチーフっての作りたいよな。」
だよなあ。とお互い考える。
「ほら、そろそろミサ終わるよお二人さん!」
会長に突っ込まれながらドア前にスタンバイ。
本日も大司教さんが挨拶されて登場。
登場から拍手と声援が月を追うごとに増えている。
せーの!ノネット・クライムー!!
女性の黄色い声がキャーキャー聞こえる。
この子達は確実に歌目的の礼拝客だ。
前へ出て楽器スタンバイ。
見た事が無い楽器にざわめきが聞こえる。
「本日もお越しいただきありがとうございます。ノネット・クライムです!」
王子の挨拶で拍手が起こる。
「今回はボードウェン初の他国の楽器を使って演奏を行ないたいと思います。綺麗な音色ですのでお楽しみ下さい。」
拍手が収まってから徐ろに王子は亊の元へ。
亊は正座で弾くか?と討論の末テーブルの上に乗せて弾く事になった。正座では目立たない。
「お聞き下さい。異国の友へ。」
主旋律のカイン、ハモリのクライスと会長が前へ出る。
亊の調べから演奏が開始される。
初めて聞く音に会場からは感心するような声も聞こえた。
「限りなく広がる空に 異国の風を感じて」
カインの低音美声が響き渡る。
「静かに目を閉じる 何処か懐かしい風の匂いを 胸いっぱいに吸い込んで」
会長とクライスがハモる。ここから龍笛と三味線、笙が加わる。
「この地に立って 大地を感じて沢山の出会い 人の優しさ」
ダダン!私の小太鼓の出番発動。
礼拝客の顔を見るとウットリ。
亊の音綺麗だよね。
初めての和楽器の音色と歌声に酔いしれてる。
「また逢おう 逢いに行く 友情は永遠だから」
盛り上がり最高潮。
「君との出逢いに ありがとう」
ラストに亊のエンディングで締める。
終わって一礼。
ドキドキの瞬間だ。反応無い?あれ?
顔を上げる。
口が半開きで目がウットリとしている女性達。
感動しているのか?目を閉じ手を胸に当てて祈る様な男性達。
私達が顔を上げたのを見て慌てた様に拍手喝采が起こった。
そしてスタンディングオベーション。
良かったー。物凄く感動したんだ。
美しい。素晴らしい。心に染みる。
そんな声が沢山聞こえた。
アンコールも頂きました。
「新しい楽器は如何でしたか?アンコールにお答えしますね。」
王子がキャサリンと目を合わせ「さくらさくら」
を弾き始めた。
これだけでは物足りないかと提案して「春の海」を練習しておいた。新春で良く流れるあの曲です。
エミリアの神楽笛が無茶苦茶綺麗。
そして尺八も良い感じだ。
アンコールも拍手喝采を頂きまだ物足りない!!と言う再アンコールが起こる。
ここで王子が宣伝に入った。
「本日もありがとうございました。私達ノネット・クライムは来月末に市民ホールでコンサートを予定しております。宜しければチケット購入をお願いします。」
再び全員でお辞儀。
拍手の中、退場した。
今日も黄色い声援が止まない。
控え室に漸く辿り着けた。
「お疲れ様!!」
「プラゲ楽器良かったですねー!」
うん!めっちゃ感動されていた。
ハイタッチをしてガッツポーズ!
「やっぱりクライスへの声援多いなー。」
「今回は会長とカインも多かったじゃん。」
それに関しては全然嬉しくなさそうだ。
「チケット売れますようにー。」
キャサリンは祈っている。私も祈ります。じゃ私も。僕も。
全員で礼拝堂へのドアへ向かって祈る。
チケットを購入しているのか出待ちなのか1時間近く礼拝堂に出られなかった。
ノックが聞こえて大司教さんが入って来た。
「おめでとうございます!」
そう言って満面の笑みで私達を見た。
「教会販売分の200人分のチケット完売です!!」
おー!!!!
皆の歓声が上がる。初日で200人か!やったじゃん!
再度ハイタッチ!
「行けるかもな!」
「満員御礼なるかも!」
目指せ満員御礼!
悩んだのだが亊と小太鼓は入場する際に運ぶのは大変なので設置済み。綺麗な布をかけて隠している状態だ。
「笙がさあ。乾燥させておかないと音が悪くなるんだよね。」
ジョージが取り敢えず笙を日光浴させている。
「何か火鉢で乾燥させるって言ってたよね。夏は火を炊くのはちょっと暑いよねえ。」
一緒に習ったカインがジョージの横で一緒に日光浴中。
「竹製品の楽器ってお手入れ大変ですよね。」
エミリアも龍笛等の笛のお手入れは欠かせないと言っていた。
まだミサまで30分以上あるのだが席が殆ど埋まっている。人気は出て来てる証拠なのだけど。
「チケット誰か買ってくれてるかなあ?」
礼拝堂の様子が気になる。
「取り敢えず最後の挨拶でアピールするよ。」
王子は心配しないでと皆に微笑みかける。
「本当に信仰心の熱い人と僕ら目的の人、どのくらいの割合なんだろうね?」
またこっそりと礼拝堂を観察していたクライスが呟く。
「本日も満員御礼、立ち見有り。」
本当に教会でのコンサートは順調だ。
「なぁ。ポスターのデザインって出来る?」
ルイスにこっそりと話し掛ける。
「インパクトに欠けるからだろ?やった事は無いけど。」
昔は壁に落書きしてたじゃんと言うと確実にカッコイイ感じになら書けるかもなあと言いながら考え始めた。
「スプレー缶専門なんだよなあ。」
確かにそうだったな。
「こう、チームのじゃなかった、このメンバーのモチーフっての作りたいよな。」
だよなあ。とお互い考える。
「ほら、そろそろミサ終わるよお二人さん!」
会長に突っ込まれながらドア前にスタンバイ。
本日も大司教さんが挨拶されて登場。
登場から拍手と声援が月を追うごとに増えている。
せーの!ノネット・クライムー!!
女性の黄色い声がキャーキャー聞こえる。
この子達は確実に歌目的の礼拝客だ。
前へ出て楽器スタンバイ。
見た事が無い楽器にざわめきが聞こえる。
「本日もお越しいただきありがとうございます。ノネット・クライムです!」
王子の挨拶で拍手が起こる。
「今回はボードウェン初の他国の楽器を使って演奏を行ないたいと思います。綺麗な音色ですのでお楽しみ下さい。」
拍手が収まってから徐ろに王子は亊の元へ。
亊は正座で弾くか?と討論の末テーブルの上に乗せて弾く事になった。正座では目立たない。
「お聞き下さい。異国の友へ。」
主旋律のカイン、ハモリのクライスと会長が前へ出る。
亊の調べから演奏が開始される。
初めて聞く音に会場からは感心するような声も聞こえた。
「限りなく広がる空に 異国の風を感じて」
カインの低音美声が響き渡る。
「静かに目を閉じる 何処か懐かしい風の匂いを 胸いっぱいに吸い込んで」
会長とクライスがハモる。ここから龍笛と三味線、笙が加わる。
「この地に立って 大地を感じて沢山の出会い 人の優しさ」
ダダン!私の小太鼓の出番発動。
礼拝客の顔を見るとウットリ。
亊の音綺麗だよね。
初めての和楽器の音色と歌声に酔いしれてる。
「また逢おう 逢いに行く 友情は永遠だから」
盛り上がり最高潮。
「君との出逢いに ありがとう」
ラストに亊のエンディングで締める。
終わって一礼。
ドキドキの瞬間だ。反応無い?あれ?
顔を上げる。
口が半開きで目がウットリとしている女性達。
感動しているのか?目を閉じ手を胸に当てて祈る様な男性達。
私達が顔を上げたのを見て慌てた様に拍手喝采が起こった。
そしてスタンディングオベーション。
良かったー。物凄く感動したんだ。
美しい。素晴らしい。心に染みる。
そんな声が沢山聞こえた。
アンコールも頂きました。
「新しい楽器は如何でしたか?アンコールにお答えしますね。」
王子がキャサリンと目を合わせ「さくらさくら」
を弾き始めた。
これだけでは物足りないかと提案して「春の海」を練習しておいた。新春で良く流れるあの曲です。
エミリアの神楽笛が無茶苦茶綺麗。
そして尺八も良い感じだ。
アンコールも拍手喝采を頂きまだ物足りない!!と言う再アンコールが起こる。
ここで王子が宣伝に入った。
「本日もありがとうございました。私達ノネット・クライムは来月末に市民ホールでコンサートを予定しております。宜しければチケット購入をお願いします。」
再び全員でお辞儀。
拍手の中、退場した。
今日も黄色い声援が止まない。
控え室に漸く辿り着けた。
「お疲れ様!!」
「プラゲ楽器良かったですねー!」
うん!めっちゃ感動されていた。
ハイタッチをしてガッツポーズ!
「やっぱりクライスへの声援多いなー。」
「今回は会長とカインも多かったじゃん。」
それに関しては全然嬉しくなさそうだ。
「チケット売れますようにー。」
キャサリンは祈っている。私も祈ります。じゃ私も。僕も。
全員で礼拝堂へのドアへ向かって祈る。
チケットを購入しているのか出待ちなのか1時間近く礼拝堂に出られなかった。
ノックが聞こえて大司教さんが入って来た。
「おめでとうございます!」
そう言って満面の笑みで私達を見た。
「教会販売分の200人分のチケット完売です!!」
おー!!!!
皆の歓声が上がる。初日で200人か!やったじゃん!
再度ハイタッチ!
「行けるかもな!」
「満員御礼なるかも!」
目指せ満員御礼!
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

婚約破棄されなかった者たち
ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。
令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。
第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。
公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。
一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。
その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。
ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。

わたしを捨てた騎士様の末路
夜桜
恋愛
令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。
ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。
※連載

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる