171 / 369
9月の予定
しおりを挟む
翌日は王子も学校に来たので昨日のうちに曲決めを済ませといて良かった。
「えっとですね。ミサコンサートは来週。そして新学期。僕は誕生日前であんまり練習出来なくて申し訳ない。」
王子のご報告。宿題終わるかな。それだけが不安。王子は誕生日パーティーまでは暫く招待状を出したり忙しいらしい。
「そして!!9月末に市民ホールでコンサートを開催します!!」
突然の発言に皆、固まった。
「えっ?金取るの?」
「はい!取ります!何故なら会長のタイムリミットは9月でしょう?」
そうだった。先行きが見えなければ会長は音大へ行くか楽団へのオーディションを受ける立場になるんだ。
「市民ホールか、あれ何人収容だっけ?」
「大ホール、中ホール、小ホールで違いますよ。」
市民ホール自体が国立ホールに比べたら本当に小さいんだけどそれでも大ホール500人、中ホール300人、小ホール150人くらいだそうだ。
無言の時間が続いた。教会は無料だから皆、集まるんだよなあ。
「教会のミサで100人くらいは来てるかな?」
「軽く100人は来てますね。先月は立ち見が居たから150人くらいかな?」
そうか。小ホールくらいは埋まるのか。お金を取ってでも来るかって事だよね。
「はい!チケット代はいくらにするんですか?」
エミリアが挙手。
「30ボードウェンドルくらい?」
3000円くらいか。
「庶民の意見としては微妙に高いかと思う。」
エミリアと私は同意見。
「会場を借りて僕らに還元するのを考えたらそれが妥当なんです。稼ぎが無いと会長の御家族が納得されない。」
「僕の事は気にしないで大丈夫だよ。まあ、納得させるのは大変かもしれないけど。」
会長は申し訳なさそうにしている。
ボードウェン国立管弦楽団のチケットが80ボードウェンドルから120ボードウェンドルだっけ?
約3分の1の値段か。
開催まで1ヶ月しかないから集客が厳しくないか?
高くないか?兎に角、徹底討論。
「はい!大ホールで行けると思う!」
カインが考えた末にそう意見した。
「何故なら!アリア学院の生徒に最終的に売りつければいける!」
各科20人の4クラスの3学年。240人ね。
「全員買わなくても校内だけで100はいける筈だよ。」
やるか大ホール500人?
気は大きいのだが金の事になると庶民は気が小さい。
不安で仕方ない。
「そう言って貰えて良かったです!実は大ホール予約しちゃったんですよ。」
王子?まじかー。相変わらずだな。
「ジェファーソン。そんな事だと思ったわ。」
キャサリンでさえ苦笑いしていた。
「やりますか!こうなったらやりましょう!」
会長が決意した様に大きな声を出す。
「やりましょう!本当のデビュー戦ですよ!」
9人で円陣を組んでエイエイオー!!と一声上げて気合いを入れた。
「8月のミサコンサートは1曲にしましょう。後の新曲は市民ホールに取って置く。」
「Jupiter、宇宙のファンタジー、サマーバケーションが現在の披露曲。それに異国の友へ、島唄。ルナリーのソロ曲のワダツミの木。」
「ミサでも披露するから完全新曲は2曲。」
皆、ブツブツ独り言を言いながら考え事をしている。
「8~10曲は入りますよね?」
「足りるかな?」
「クリスマスミサの曲も入れる?」
「うーん?そしたら2曲は埋まるか。」
討論が止まらない。
「ソロ他に歌ってみたい人いる?」
会長が提案するが誰も手を挙げない。
「じゃ、男性だけと女性だけに分けて1曲ずつ作ろうか。」
面白いかもなあ。
「後はプラゲ国の楽器演奏とかしても良いかもですね。」
エミリアが提案する。
午前中は全部討論会になってしまった。
お弁当を食べながらも話し合いが続く。
「もう、新しい曲が思い付いたら順番気にせず作って行く方が今後の為になるかもしれないですね。」
王子がハムを乗せたバケットを食べながら。
「作詞でも作曲でも良いですよね。何かプラゲ国に行ってからちょっと出来そうな気がしてきた。」
野菜たっぷりサンドイッチが溢れそうなジョージ。
結構、皆自信が付いて来たのかもなあ。
新たな楽器や音楽に触れると固定観念が崩れる。
「話し変えて済みませんが。9月で僕、生徒会長引退なんですよね。」
えー?!忘れてた!
「でね、今後の遠征に知らない人を連れて行きたくないからこの中から誰か会長になりませんか?」
皆、顔を見合わせる。
会長の言う事は最もだ。音楽関係の遠征は生徒会長が同伴しないと学校が煩い。
「会長のあだ名どうしよう。元会長?」
私がボソリと呟くと会長は爆笑していた。
「いや、大事ですよ!ケビンが良いですか?でも会長は会長だー。」
クライスもちょっと真剣。
もう会長で良いですよと会長は笑い続けていた。
「で、生徒会長誰か立候補して下さいね。」
うーん?生徒会長ねえ。
「カインが良いと思う!」
ジョージがニヤっと笑ってカインを見た。
「うん。カインですね。」
「ぴったりだ。」
本人だけが嫌そうな顔をしていたが最終的には納得していた。
新曲作って曲練習とミサコンサート。
宿題する暇あるのかなあ。
「えっとですね。ミサコンサートは来週。そして新学期。僕は誕生日前であんまり練習出来なくて申し訳ない。」
王子のご報告。宿題終わるかな。それだけが不安。王子は誕生日パーティーまでは暫く招待状を出したり忙しいらしい。
「そして!!9月末に市民ホールでコンサートを開催します!!」
突然の発言に皆、固まった。
「えっ?金取るの?」
「はい!取ります!何故なら会長のタイムリミットは9月でしょう?」
そうだった。先行きが見えなければ会長は音大へ行くか楽団へのオーディションを受ける立場になるんだ。
「市民ホールか、あれ何人収容だっけ?」
「大ホール、中ホール、小ホールで違いますよ。」
市民ホール自体が国立ホールに比べたら本当に小さいんだけどそれでも大ホール500人、中ホール300人、小ホール150人くらいだそうだ。
無言の時間が続いた。教会は無料だから皆、集まるんだよなあ。
「教会のミサで100人くらいは来てるかな?」
「軽く100人は来てますね。先月は立ち見が居たから150人くらいかな?」
そうか。小ホールくらいは埋まるのか。お金を取ってでも来るかって事だよね。
「はい!チケット代はいくらにするんですか?」
エミリアが挙手。
「30ボードウェンドルくらい?」
3000円くらいか。
「庶民の意見としては微妙に高いかと思う。」
エミリアと私は同意見。
「会場を借りて僕らに還元するのを考えたらそれが妥当なんです。稼ぎが無いと会長の御家族が納得されない。」
「僕の事は気にしないで大丈夫だよ。まあ、納得させるのは大変かもしれないけど。」
会長は申し訳なさそうにしている。
ボードウェン国立管弦楽団のチケットが80ボードウェンドルから120ボードウェンドルだっけ?
約3分の1の値段か。
開催まで1ヶ月しかないから集客が厳しくないか?
高くないか?兎に角、徹底討論。
「はい!大ホールで行けると思う!」
カインが考えた末にそう意見した。
「何故なら!アリア学院の生徒に最終的に売りつければいける!」
各科20人の4クラスの3学年。240人ね。
「全員買わなくても校内だけで100はいける筈だよ。」
やるか大ホール500人?
気は大きいのだが金の事になると庶民は気が小さい。
不安で仕方ない。
「そう言って貰えて良かったです!実は大ホール予約しちゃったんですよ。」
王子?まじかー。相変わらずだな。
「ジェファーソン。そんな事だと思ったわ。」
キャサリンでさえ苦笑いしていた。
「やりますか!こうなったらやりましょう!」
会長が決意した様に大きな声を出す。
「やりましょう!本当のデビュー戦ですよ!」
9人で円陣を組んでエイエイオー!!と一声上げて気合いを入れた。
「8月のミサコンサートは1曲にしましょう。後の新曲は市民ホールに取って置く。」
「Jupiter、宇宙のファンタジー、サマーバケーションが現在の披露曲。それに異国の友へ、島唄。ルナリーのソロ曲のワダツミの木。」
「ミサでも披露するから完全新曲は2曲。」
皆、ブツブツ独り言を言いながら考え事をしている。
「8~10曲は入りますよね?」
「足りるかな?」
「クリスマスミサの曲も入れる?」
「うーん?そしたら2曲は埋まるか。」
討論が止まらない。
「ソロ他に歌ってみたい人いる?」
会長が提案するが誰も手を挙げない。
「じゃ、男性だけと女性だけに分けて1曲ずつ作ろうか。」
面白いかもなあ。
「後はプラゲ国の楽器演奏とかしても良いかもですね。」
エミリアが提案する。
午前中は全部討論会になってしまった。
お弁当を食べながらも話し合いが続く。
「もう、新しい曲が思い付いたら順番気にせず作って行く方が今後の為になるかもしれないですね。」
王子がハムを乗せたバケットを食べながら。
「作詞でも作曲でも良いですよね。何かプラゲ国に行ってからちょっと出来そうな気がしてきた。」
野菜たっぷりサンドイッチが溢れそうなジョージ。
結構、皆自信が付いて来たのかもなあ。
新たな楽器や音楽に触れると固定観念が崩れる。
「話し変えて済みませんが。9月で僕、生徒会長引退なんですよね。」
えー?!忘れてた!
「でね、今後の遠征に知らない人を連れて行きたくないからこの中から誰か会長になりませんか?」
皆、顔を見合わせる。
会長の言う事は最もだ。音楽関係の遠征は生徒会長が同伴しないと学校が煩い。
「会長のあだ名どうしよう。元会長?」
私がボソリと呟くと会長は爆笑していた。
「いや、大事ですよ!ケビンが良いですか?でも会長は会長だー。」
クライスもちょっと真剣。
もう会長で良いですよと会長は笑い続けていた。
「で、生徒会長誰か立候補して下さいね。」
うーん?生徒会長ねえ。
「カインが良いと思う!」
ジョージがニヤっと笑ってカインを見た。
「うん。カインですね。」
「ぴったりだ。」
本人だけが嫌そうな顔をしていたが最終的には納得していた。
新曲作って曲練習とミサコンサート。
宿題する暇あるのかなあ。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

わたしを捨てた騎士様の末路
夜桜
恋愛
令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。
ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。
※連載

【完結】内緒で死ぬことにした〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を、なぜわたしは生まれ変わったの?〜
たろ
恋愛
この話は
『内緒で死ぬことにした 〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を〜』
の続編です。
アイシャが亡くなった後、リサはルビラ王国の公爵の息子であるハイド・レオンバルドと結婚した。
そして、アイシャを産んだ。
父であるカイザも、リサとハイドも、アイシャが前世のそのままの姿で転生して、自分たちの娘として生まれてきたことを知っていた。
ただアイシャには昔の記憶がない。
だからそのことは触れず、新しいアイシャとして慈しみ愛情を与えて育ててきた。
アイシャが家族に似ていない、自分は一体誰の子供なのだろうと悩んでいることも知らない。
親戚にあたる王子や妹に、意地悪を言われていることも両親は気が付いていない。
アイシャの心は、少しずつ壊れていくことに……
明るく振る舞っているとは知らずに可愛いアイシャを心から愛している両親と祖父。
アイシャを助け出して心を救ってくれるのは誰?
◆ ◆ ◆
今回もまた辛く悲しい話しが出てきます。
無理!またなんで!
と思われるかもしれませんが、アイシャは必ず幸せになります。
もし読んでもいいなと思う方のみ、読んで頂けたら嬉しいです。
多分かなりイライラします。
すみません、よろしくお願いします
★内緒で死ぬことにした の最終話
キリアン君15歳から14歳
アイシャ11歳から10歳
に変更しました。
申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる