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首里城
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騒ぐカインを押さえ込み無事に空港へ着いた。
「揺れすぎー!!」
カインはまたぐったりしていた。確かに揺れたなあ。
外に出るとあっ。空気が違う!
南国らしい空気と湿度。
キャサリンが空を見ていた。感慨に耽っているのかと思ったら
『台風かな?』
と呟いた。
『感覚的にだけど。』
やっぱり住んでたら解るものなのかもなあ。
空港は南国風。
「南ピアーナみたいですね。」
エミリアの言う事は確かに合ってる。近い雰囲気がある。
空港を出ると着物とはまた違う衣装の人々。
服の色合いが鮮やかでそれでいて着物感もあって凄く綺麗だ。
『此方です!夏目様!』
外務省職員らしき方が手を振って呼んでいる。
『調所笑左衛門です。首里城までの御案内を致します。』
と言って頭を下げられた。
『ボードウェン国より参りました。ボードウェン・ジェファーソンと申します。御案内ありがとうございます。宜しく御願いします。』
調所さんは元は薩摩藩の家老で今は琉球の外務省職員をしているそうだ。年齢はグレンさん達と同じくらいに見える。
バスに案内され首里城へ。
キャサリンは取り敢えず大丈夫そうだな。それにしても風が強いみたいだ。ヤシの木がワサワサ揺れて居る。
『明日の朝あたりに台風が来ますので外出は静まってからにして下さいね。』
調所さんが少し申し訳なさそうに仰った。凄いキャサリンの感が当たった!
『たいふう?』
王子が尋ねている。ボードウェン国には台風来ないからなあ。
首里城。
写真でしか見た事無かった。赤を基調とした造り。
凄く綺麗だ。
『プラゲ国の城と全然違いますね。』
『今まで見た事が無い雰囲気です。僕は好きだなあ。』
琉球は台風一過が1番通る場所にあるから高い建物が少ない。
首里城は凄く広そうだが高くは無い。
守礼門と呼ばれる門を抜け正殿へ向かうと言われた。
平屋や二階建てくらいの建物だがとにかく広い。
正殿の入口の守衛の方に英語で挨拶して中へ入った。
中は間違いなく沖縄首里城だ。
違うのは英語と沖縄弁が公用語となっている事くらいじゃないだろうか?
『此処からは英語で御願いします。』
と調所さんに言われた。
正殿の王座へと通される。
特に綺麗で豪華な衣装の方が元琉球国の王様なのかな?
「本日はお目通りありがとうございます。尚泰王様。」
調所さんがご挨拶された。
「お目通りありがとうございます。ボードウェン国より参りました。ジェファーソン・ボードウェンです。宜しく御願いします。」
王子も挨拶をする。
私達も宜しく御願いします。と挨拶した。
「良くいらっしゃいました。琉球藩として首里城を任されてます。尚泰王と申します。ゆっくり琉球を満喫して下さい。」
と優しく微笑まれた。
英語って安心する。多分、皆そう思っている筈だ。
「所でボードウェン国は貿易目的でプラゲ国に来られたのですか?」
尚泰王様が王子に尋ねている。王子は私達は楽器の購入と歌の文化を学びに来ましたと説明していた。
「それは琉球の音楽を学ぶと言う選択は大正解ですね。」
と王は嬉しそうに頷かれた。
「何処へ行けば学べますか?」
と聞くと至る所で歌っていますよ?と言われた。キャサリンだけは理解したような顔をしている。
「取り敢えず、お昼ご飯でも食べて観光されて下さい。」
と申し出にお礼を述べて頂くことになった。
お昼ご飯は琉球料理。
この時代でも思っていた料理で間違いなかった。
客間は椅子でした。良かった。
なるほど、中国文化が強いんだ。首里城もそうだし。料理を見て改めてそう思った。
お節料理の派手な感じ。
そして豚肉料理が沢山だ。
「初めて食べる味ですね。」
「プラゲ国とはまた違う美味しさ。」
『テビチ懐かしいわー。』
キャサリンが隣でボソッと呟いた。兎に角良く豚は食べるのよね。これは宮廷料理だわと説明してくれた。
私達が美味しそうに食べるので尚泰王をはじめ首里城の貴族階級の方?も嬉しそうだ。
あっ。でも夏目さんと調所さんは肉は苦手そう。昔は食べる文化無かったって言うからなあ。
「あっこれ苦い。何の野菜だろ?」
ジョージとカインが首を傾げている。
ゴーヤだよーと思ったが知らん顔しといた。
「初めてだとびっくりされるでしょ?ゴーヤと言います。とても栄養があって慣れるとクセになりますよ。」
と仰っていた。
『ねぇ。ルナリー、私達だけで出掛けるって無理かしら?』
コソコソと話しかけてくる。
『ん?どうして?』
『話したいのよ。ウチナーグチ。いや、沖縄弁ね。うずうずしてるのよ。』
確かにそうだろうなあ。皆が居たら話せないだろうし。
どうしたら別行動出来るかなあ。
「風が出てきてますからお帰りはお早めに。」
調所さんに確認すると首里城に泊まらせて貰えるそうだ。
何か何から何まで助かる。
「尚泰王様、ありがとうございます。泊まらせて頂けるとは。申し訳ございません。」
と王子がきっちり挨拶していたが琉球の方はあまり気にしない様な風習で温厚。
気になさらないで良いですよと笑っていた。
調所さんは琉球の外務省に戻られると言う事で夏目さんと皆で首里城の周りを今日は探索する事にした。
「揺れすぎー!!」
カインはまたぐったりしていた。確かに揺れたなあ。
外に出るとあっ。空気が違う!
南国らしい空気と湿度。
キャサリンが空を見ていた。感慨に耽っているのかと思ったら
『台風かな?』
と呟いた。
『感覚的にだけど。』
やっぱり住んでたら解るものなのかもなあ。
空港は南国風。
「南ピアーナみたいですね。」
エミリアの言う事は確かに合ってる。近い雰囲気がある。
空港を出ると着物とはまた違う衣装の人々。
服の色合いが鮮やかでそれでいて着物感もあって凄く綺麗だ。
『此方です!夏目様!』
外務省職員らしき方が手を振って呼んでいる。
『調所笑左衛門です。首里城までの御案内を致します。』
と言って頭を下げられた。
『ボードウェン国より参りました。ボードウェン・ジェファーソンと申します。御案内ありがとうございます。宜しく御願いします。』
調所さんは元は薩摩藩の家老で今は琉球の外務省職員をしているそうだ。年齢はグレンさん達と同じくらいに見える。
バスに案内され首里城へ。
キャサリンは取り敢えず大丈夫そうだな。それにしても風が強いみたいだ。ヤシの木がワサワサ揺れて居る。
『明日の朝あたりに台風が来ますので外出は静まってからにして下さいね。』
調所さんが少し申し訳なさそうに仰った。凄いキャサリンの感が当たった!
『たいふう?』
王子が尋ねている。ボードウェン国には台風来ないからなあ。
首里城。
写真でしか見た事無かった。赤を基調とした造り。
凄く綺麗だ。
『プラゲ国の城と全然違いますね。』
『今まで見た事が無い雰囲気です。僕は好きだなあ。』
琉球は台風一過が1番通る場所にあるから高い建物が少ない。
首里城は凄く広そうだが高くは無い。
守礼門と呼ばれる門を抜け正殿へ向かうと言われた。
平屋や二階建てくらいの建物だがとにかく広い。
正殿の入口の守衛の方に英語で挨拶して中へ入った。
中は間違いなく沖縄首里城だ。
違うのは英語と沖縄弁が公用語となっている事くらいじゃないだろうか?
『此処からは英語で御願いします。』
と調所さんに言われた。
正殿の王座へと通される。
特に綺麗で豪華な衣装の方が元琉球国の王様なのかな?
「本日はお目通りありがとうございます。尚泰王様。」
調所さんがご挨拶された。
「お目通りありがとうございます。ボードウェン国より参りました。ジェファーソン・ボードウェンです。宜しく御願いします。」
王子も挨拶をする。
私達も宜しく御願いします。と挨拶した。
「良くいらっしゃいました。琉球藩として首里城を任されてます。尚泰王と申します。ゆっくり琉球を満喫して下さい。」
と優しく微笑まれた。
英語って安心する。多分、皆そう思っている筈だ。
「所でボードウェン国は貿易目的でプラゲ国に来られたのですか?」
尚泰王様が王子に尋ねている。王子は私達は楽器の購入と歌の文化を学びに来ましたと説明していた。
「それは琉球の音楽を学ぶと言う選択は大正解ですね。」
と王は嬉しそうに頷かれた。
「何処へ行けば学べますか?」
と聞くと至る所で歌っていますよ?と言われた。キャサリンだけは理解したような顔をしている。
「取り敢えず、お昼ご飯でも食べて観光されて下さい。」
と申し出にお礼を述べて頂くことになった。
お昼ご飯は琉球料理。
この時代でも思っていた料理で間違いなかった。
客間は椅子でした。良かった。
なるほど、中国文化が強いんだ。首里城もそうだし。料理を見て改めてそう思った。
お節料理の派手な感じ。
そして豚肉料理が沢山だ。
「初めて食べる味ですね。」
「プラゲ国とはまた違う美味しさ。」
『テビチ懐かしいわー。』
キャサリンが隣でボソッと呟いた。兎に角良く豚は食べるのよね。これは宮廷料理だわと説明してくれた。
私達が美味しそうに食べるので尚泰王をはじめ首里城の貴族階級の方?も嬉しそうだ。
あっ。でも夏目さんと調所さんは肉は苦手そう。昔は食べる文化無かったって言うからなあ。
「あっこれ苦い。何の野菜だろ?」
ジョージとカインが首を傾げている。
ゴーヤだよーと思ったが知らん顔しといた。
「初めてだとびっくりされるでしょ?ゴーヤと言います。とても栄養があって慣れるとクセになりますよ。」
と仰っていた。
『ねぇ。ルナリー、私達だけで出掛けるって無理かしら?』
コソコソと話しかけてくる。
『ん?どうして?』
『話したいのよ。ウチナーグチ。いや、沖縄弁ね。うずうずしてるのよ。』
確かにそうだろうなあ。皆が居たら話せないだろうし。
どうしたら別行動出来るかなあ。
「風が出てきてますからお帰りはお早めに。」
調所さんに確認すると首里城に泊まらせて貰えるそうだ。
何か何から何まで助かる。
「尚泰王様、ありがとうございます。泊まらせて頂けるとは。申し訳ございません。」
と王子がきっちり挨拶していたが琉球の方はあまり気にしない様な風習で温厚。
気になさらないで良いですよと笑っていた。
調所さんは琉球の外務省に戻られると言う事で夏目さんと皆で首里城の周りを今日は探索する事にした。
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