146 / 369
城下町の治安を守ろう!
しおりを挟む
両替商の待ち合わせ場所に向かうとホクホク顔のグレンさんが刀を腰にさして待っていた。
『太刀を買うたのか?』
光国さんが呆れた様な笑いを浮かべている。
『欲しかったんですよ。』
『刀掛けも買いました!』
家に飾る気なのだろうなあ。
『徳川殿。刀を買いに行ってる時に城下町での良からぬ噂を聞いたんですが。治安は大丈夫なのかい?』
グレンさんが深刻そうな顔で光国さんに話を始めた。
『良からぬ噂?』
光国さんは神妙な顔をした。
何でも若い娘の人攫い(誘拐)事件がここの所何件も起こっているらしい。
『その様な話は初めて聞いた。』
普段は光国さんの様な身分の高い方は城下町をフラフラしないらしい。
『いや、そんな事件があるなら明日も城下町に出るならこの子達を守らなきゃならないからね。』
グレンさんは私達を見てそう言った。
誘拐が頻繁に起こるとは物騒だ。やっぱり時代劇では良くあるお金持ちの武家が攫って手篭めにしてるパターンかなあ。
『少し調べるか。プラネットの治安は護るのが我らの仕事だからな。』
光国さんは聞き込みに付き合えと言っている。
『夕飯まで時間は大丈夫ですか?』
吉宗殿を待たせたら申し訳ない。
夏目さんが腕時計を見ながら余裕を持って帰るなら後30分ならと言った。
『良し!参るぞ!!』
何か護ると言いながら光国さんは少し楽しそうだった。
やんちゃなんだろうなあ。
グレンさんとローズさんが話を聞いたと言う茶店に先ずは行ってみた。
光国さんが店の主人に尋ねると逆に気を使わせて詳しく話してくれない。
『いや、お武家様に助けて頂くなど滅相も御座いません!』
とペコペコ頭を下げて会話になっていない。
見かねた夏目さんが間に入り漸く話が進んだ。
話に寄ると攫われたのは夕刻以降。
長屋の娘、呉服屋の娘、問屋の娘に別の茶店の娘に遊女等。
結構な数。話を聞くなら呉服屋か問屋が近いと店の名前を教えて貰った。
『もう時間が余りないぞ。徳川殿!』
夏目さんがブツブツ言っているが取り敢えず呉服屋へ。
また話にならないと困るので夏目さんが呉服屋の主に尋ねた。
『単刀直入に聞くが娘さんが人攫いにあったのは本当かい?』
茶店の主人に聞くと呉服屋の主は泣き出してしまった。
攫われたのは夜の20時過ぎで急ぎの注文の品を仕立てて武家屋敷に届ける時だったと。途中で攫われたのでは無いかと言う。
その武家屋敷が怪しいんじゃないか?
その武士は岡部様と言う屋敷で場所も教えて貰った。
『そろそろお時間です。』
夏目さんに言われ捜査は中断。
プラゲ城へ戻る事になった。
「晩飯の後に抜け出そうか?」
グレンさんとローズさんが良からぬ話を始めている。
誘拐犯を退治したいんだろうなあ。
「えっ?俺も行きたい。」
ルイスが行きたいなら私も!
「じゃあ。ルナリーが囮になるってのは?」
「有りですよ。」
「また親父達は無茶言うし!大丈夫だろうけどさあ。」
着実に計画が進んでいる。
「自分の国では出来ないけどここなら暴れて良いよなあ。」
「だよねー。」
これはほぼ確定だな。私も実際、人攫い犯を捕まえて誘拐された娘さん達を助けたいと思っていたし。
ただ迷惑がかかると不味いので。
『徳川さん。夜、見回りに行きませんか?』
と誘って見た。光国さんは目を丸くして儂も行きたいと思っておった!と仰った。やはりこの人やんちゃだ。光国さんの目がキラキラしている。
夕飯は何と有難い事にテーブルと椅子で晩餐会。
外交が有るからか城に似つかわしく無い洋間が造られていた。
『光国にそなた達の国の食事の話を聞いたのだが同じ様な品が作れず。プラゲ国の料理で申し訳ない。』
吉宗殿が申されたが私としては和食がとても有難い。
刺身、焼き魚、揚げ出し豆腐、味噌汁、香の物、天ぷら、白米。
『とても美味しいです!』
『初めて食べました。』
新鮮なお刺身が皆に案外ウケている。
勿論、前世日本人組の笑顔が止まらない。
プラゲに来て良かったあ!
『所で吉宗殿。』
光国さんが誘拐事件の話を報告していた。
『で、今から行ってくる!』
『光国、、またお主。。』
吉宗殿は大きな溜息をついた。光国さんは私達も一緒に行くと伝えると面食らった様な反応をされたが、諦めた様な溜息を更につかれた。
『奉行所に任せておけと言うても聞く気は無いようだな。』
光国さんは大きく頷いた。
「ルイスとルナリーにルイスの御両親まで?」
王子も諦めた様な溜息。
「大丈夫だと思うけど気をつけてね。」
キャサリンも呆れている。
『ボードウェン殿。そなたも苦労しておるのか?』
吉宗殿は私達を見て言った。
『そうですね。暴走するんですよ。でも、強いので大丈夫ですよ。』
と言うと高笑いされた。光国と同じ様な奴が他国におったかと。
『しかし本当に大丈夫かのお?光国、責任もって護れよ!』
吉宗殿が釘を刺されたが光国さんは大丈夫じゃ!と自信満々。
呉服屋さんの娘さんの誘拐時間を考えるとそろそろだ。
『行くか!!』
意気揚々と申され私達は立ち上がった。
『類は友を呼ぶじゃな。』
吉宗殿が目を閉じてまた溜息をつかれた。光国さん今まで相当色々とやらかしてきたんだろうなあ。
『では!行ってまいります!』
私達は吉宗殿に頭を下げ光国さんと城を出た。
犯人見つかると良いなあ。
『太刀を買うたのか?』
光国さんが呆れた様な笑いを浮かべている。
『欲しかったんですよ。』
『刀掛けも買いました!』
家に飾る気なのだろうなあ。
『徳川殿。刀を買いに行ってる時に城下町での良からぬ噂を聞いたんですが。治安は大丈夫なのかい?』
グレンさんが深刻そうな顔で光国さんに話を始めた。
『良からぬ噂?』
光国さんは神妙な顔をした。
何でも若い娘の人攫い(誘拐)事件がここの所何件も起こっているらしい。
『その様な話は初めて聞いた。』
普段は光国さんの様な身分の高い方は城下町をフラフラしないらしい。
『いや、そんな事件があるなら明日も城下町に出るならこの子達を守らなきゃならないからね。』
グレンさんは私達を見てそう言った。
誘拐が頻繁に起こるとは物騒だ。やっぱり時代劇では良くあるお金持ちの武家が攫って手篭めにしてるパターンかなあ。
『少し調べるか。プラネットの治安は護るのが我らの仕事だからな。』
光国さんは聞き込みに付き合えと言っている。
『夕飯まで時間は大丈夫ですか?』
吉宗殿を待たせたら申し訳ない。
夏目さんが腕時計を見ながら余裕を持って帰るなら後30分ならと言った。
『良し!参るぞ!!』
何か護ると言いながら光国さんは少し楽しそうだった。
やんちゃなんだろうなあ。
グレンさんとローズさんが話を聞いたと言う茶店に先ずは行ってみた。
光国さんが店の主人に尋ねると逆に気を使わせて詳しく話してくれない。
『いや、お武家様に助けて頂くなど滅相も御座いません!』
とペコペコ頭を下げて会話になっていない。
見かねた夏目さんが間に入り漸く話が進んだ。
話に寄ると攫われたのは夕刻以降。
長屋の娘、呉服屋の娘、問屋の娘に別の茶店の娘に遊女等。
結構な数。話を聞くなら呉服屋か問屋が近いと店の名前を教えて貰った。
『もう時間が余りないぞ。徳川殿!』
夏目さんがブツブツ言っているが取り敢えず呉服屋へ。
また話にならないと困るので夏目さんが呉服屋の主に尋ねた。
『単刀直入に聞くが娘さんが人攫いにあったのは本当かい?』
茶店の主人に聞くと呉服屋の主は泣き出してしまった。
攫われたのは夜の20時過ぎで急ぎの注文の品を仕立てて武家屋敷に届ける時だったと。途中で攫われたのでは無いかと言う。
その武家屋敷が怪しいんじゃないか?
その武士は岡部様と言う屋敷で場所も教えて貰った。
『そろそろお時間です。』
夏目さんに言われ捜査は中断。
プラゲ城へ戻る事になった。
「晩飯の後に抜け出そうか?」
グレンさんとローズさんが良からぬ話を始めている。
誘拐犯を退治したいんだろうなあ。
「えっ?俺も行きたい。」
ルイスが行きたいなら私も!
「じゃあ。ルナリーが囮になるってのは?」
「有りですよ。」
「また親父達は無茶言うし!大丈夫だろうけどさあ。」
着実に計画が進んでいる。
「自分の国では出来ないけどここなら暴れて良いよなあ。」
「だよねー。」
これはほぼ確定だな。私も実際、人攫い犯を捕まえて誘拐された娘さん達を助けたいと思っていたし。
ただ迷惑がかかると不味いので。
『徳川さん。夜、見回りに行きませんか?』
と誘って見た。光国さんは目を丸くして儂も行きたいと思っておった!と仰った。やはりこの人やんちゃだ。光国さんの目がキラキラしている。
夕飯は何と有難い事にテーブルと椅子で晩餐会。
外交が有るからか城に似つかわしく無い洋間が造られていた。
『光国にそなた達の国の食事の話を聞いたのだが同じ様な品が作れず。プラゲ国の料理で申し訳ない。』
吉宗殿が申されたが私としては和食がとても有難い。
刺身、焼き魚、揚げ出し豆腐、味噌汁、香の物、天ぷら、白米。
『とても美味しいです!』
『初めて食べました。』
新鮮なお刺身が皆に案外ウケている。
勿論、前世日本人組の笑顔が止まらない。
プラゲに来て良かったあ!
『所で吉宗殿。』
光国さんが誘拐事件の話を報告していた。
『で、今から行ってくる!』
『光国、、またお主。。』
吉宗殿は大きな溜息をついた。光国さんは私達も一緒に行くと伝えると面食らった様な反応をされたが、諦めた様な溜息を更につかれた。
『奉行所に任せておけと言うても聞く気は無いようだな。』
光国さんは大きく頷いた。
「ルイスとルナリーにルイスの御両親まで?」
王子も諦めた様な溜息。
「大丈夫だと思うけど気をつけてね。」
キャサリンも呆れている。
『ボードウェン殿。そなたも苦労しておるのか?』
吉宗殿は私達を見て言った。
『そうですね。暴走するんですよ。でも、強いので大丈夫ですよ。』
と言うと高笑いされた。光国と同じ様な奴が他国におったかと。
『しかし本当に大丈夫かのお?光国、責任もって護れよ!』
吉宗殿が釘を刺されたが光国さんは大丈夫じゃ!と自信満々。
呉服屋さんの娘さんの誘拐時間を考えるとそろそろだ。
『行くか!!』
意気揚々と申され私達は立ち上がった。
『類は友を呼ぶじゃな。』
吉宗殿が目を閉じてまた溜息をつかれた。光国さん今まで相当色々とやらかしてきたんだろうなあ。
『では!行ってまいります!』
私達は吉宗殿に頭を下げ光国さんと城を出た。
犯人見つかると良いなあ。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【完結】100日後に処刑されるイグワーナ(悪役令嬢)は抜け毛スキルで無双する
みねバイヤーン
恋愛
せっかく悪役令嬢に転生したのに、もう断罪イベント終わって、牢屋にぶち込まれてるんですけどー。これは100日後に処刑されるイグワーナが、抜け毛操りスキルを使って無双し、自分を陥れた第一王子と聖女の妹をざまぁする、そんな物語。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる