145 / 369
会食と城下町散策
しおりを挟む
ドアがノックされた。
『失礼します。』
夏目さんだ!その後ろから総理大臣の伊藤博文さんが入って来られた。伊藤博文さんは30代くらいだろうか。まだ若い。
私達は全員立ち上がりお辞儀した。
『初めまして。ボードウェン国より参りました。ボードウェン・ジェファーソンです。宜しく御願いします。』
『ようこそお越しくださいました。総理大臣の伊藤博文です。夏目が申してました。プラゲ語が本当にお上手ですね。』
伊藤さんは笑顔で一礼されて席に座られた。
やはり武家言葉よりこちらの標準語が話しやすい。
『飛行船の通行手形は出たんですか?』
夏目さんが光国さんに聞くと
『勿論。最初は迷われていたが推して書かせたわ。』
と笑っていた。強引に進めてくれた様だ。
『大丈夫だったんですか?』
心配そうに王子が質問すると笑って先程、すっかり主らの事を気に入ってくれた様だと言ってくれた。
『食事の用意をしておりますが如何ですか?』
伊藤さんの申し出にそう言えばお昼ご飯の時間だ!と思い出した。緊張ですっかり忘れていた。
言われて急にお腹が空く。
『ありがとうございます。宜しいのですか?』
『勿論ですよ。』
少し待つとレストランの店員の様な格好の方々が料理を運んできた。
『鰻の蒲焼と言うプラゲ国では夏に滋養強壮で食べられるのですが。お口に合うと良いのですが。』
夏目さんが料理の説明をされる。
うな重だ!うな重だー!
顔を見上げるとルイスの両親が満面の笑みを見せており、大司教さんもルイスもキャサリンも会長まで顔が緩んでいた。
スプーンとフォーク、ナイフまで用意されていた。
しかし、箸で食う!流石に大司教さんとルイスの両親はフォークで食べ始めたが。
「いつの間に練習したの?」
「んー。箸作った後でー。」
と私達は誤魔化しながら鰻を堪能する。
『箸を使われるんですね?』
伊藤さんと正岡さんが私達に少し驚いていたら夏目さんがボードウェン国で箸を出されたんですよ!本当に心遣いが素晴らしくてと褒め始めたので何となく此方も誤魔化せた。
鰻。天然物だ!ふっくらとしてタレが美味い!
『美味しいです!』
『このソースが絡んでいて米と合いますね!』
皆、気に入ってくれた様で良かった。
珍しそうに口にしてうんうん。美味しいと頷いている。
お吸い物とかお久しぶりです。幸せ。
プラゲ国の1食目に鰻とは贅沢だ。
昼食を堪能した後、少し談笑。
プラネットでの通訳は夏目さんと光国さんが付いてくれるそうだ。何とも有難い。
『本当にご馳走様でした。色々とお気遣いありがとう御座います!』
私達は全員でお辞儀をして総理官邸を後にする。
『今後もボードウェン国と国交を築けると良いですね。』
最後に伊藤さんが微笑まれた。
『宜しく御願いします。』
王子が再び頭を下げると嬉しそうだった。
『主ら行こうか!城下町!』
光国さんが張り切っている。
『楽しみです!』
皆、目がキラキラしている。リアル時代劇!私もとても楽しみだ。
バスで城下町の入口まで送って貰った。
「わー!本当に異国に来たって感じ!」
「着物ってやっぱり素敵ね。」
皆、テンションが上がっている。
『さあ、ボードウェン殿!両替商を探そうか!?』
夏目さんがちょっと意地悪そうに微笑んだ。
『両替商!そうだ。探さないと!』
夏目さんに漢字を習った皆が必死で暖簾の文字や看板の文字を見ている。
私やルイスも一緒にぐるっと辺りを見回す。
見当たらないなあ。
「少し歩きながら探そうか。」
そう言いながら見て回る。すれ違う町人や武士達は異人さんだと言う目でやはり見ている。
でも、交易がある為か怖がられてる感じは無い。
ふと気がついた事がある。
『徳川さん。武士の髪型ってその光国殿みたいに皆、何故ここ剃ってないんですか?』
剃る髷の形何て言ったっけ?忘れた。
城下町の武士の大半、町人は殆ど髷だけど剃ってない。ポニーテールな人も多い。
『さかやきか?』
『そうです!そうです!』
時代劇では皆そのイメージ。
『城へ入れる武士、すなわち侍は剃る。後は武士でも外交に携わる仕事に付く者もいるからのお。』
なるほど。さかやきがある人が偉い武士だと判断基準になるなあ。
『ありましたよ!両替商!』
王子がテンション高く叫ぶ。
おお!両替商あった!
中へは光国さんと夏目さんが先に入られた。
続いて私達もゾロゾロと入る。
店主は沢山の外国人に少し驚いていた。
『両替を御願いします。』
私達がプラゲ語で話し出すと店主は笑顔で
『どうぞ此方へ!』
と案内してくれた。パルドデアドルを円へ両替っと。
助かるよなあ。この時代に両替があるとは。
皆、結構持って来てるのね。
流石、お金持ち達。
「ルナリーの分はルイス出してやってね。エミリア、足りない時は遠慮しないで。出すから。」
会長が私達に優しく笑いかける。
「こう言う旅は楽しまなきゃね。」
クライスもカインもジョージも出すよと言ってくれている。皆、優しい。
両替を済ませ改めて城下町探索!
『私ら刀見に行くよ。』
ローズさんが耳元で小声で言われた。
『了解っす!行ってらっしゃい!』
グレンさんとローズさんは2人仲良く散策。
両替商前で後程待ち合わせ。
「あら?2人で大丈夫?」
「うん。デートだって。」
仲良しですねえ。と皆、心配はしていだが大人だし大丈夫だろうと納得してくれ私達は夏目さん光国さんと見て回る。
茶店に呉服屋、飯屋、宿屋が多いなあ。
反物は少し欲しいかも。
「見て!ルナリー!エミリア!」
「わあ!可愛い!」
「これ?髪止め?」
露天に可愛い簪が沢山!
買おうか!
「プレゼントしますよ。」
王子とルイスとカインが笑顔で背後から覗き込む。
「いーの?」
「ありがとうございます!」
「ジェファーソン。ありがと。」
皆、それぞれこれ?あれ?似合うかな?と選び買って貰った。
綺麗なトンボ玉の簪。後で髪を纏めて付けて見なきゃ。
その後は扇子を買ったり茶店に入ってみたり。
すっかり夕方になってしまった。
『失礼します。』
夏目さんだ!その後ろから総理大臣の伊藤博文さんが入って来られた。伊藤博文さんは30代くらいだろうか。まだ若い。
私達は全員立ち上がりお辞儀した。
『初めまして。ボードウェン国より参りました。ボードウェン・ジェファーソンです。宜しく御願いします。』
『ようこそお越しくださいました。総理大臣の伊藤博文です。夏目が申してました。プラゲ語が本当にお上手ですね。』
伊藤さんは笑顔で一礼されて席に座られた。
やはり武家言葉よりこちらの標準語が話しやすい。
『飛行船の通行手形は出たんですか?』
夏目さんが光国さんに聞くと
『勿論。最初は迷われていたが推して書かせたわ。』
と笑っていた。強引に進めてくれた様だ。
『大丈夫だったんですか?』
心配そうに王子が質問すると笑って先程、すっかり主らの事を気に入ってくれた様だと言ってくれた。
『食事の用意をしておりますが如何ですか?』
伊藤さんの申し出にそう言えばお昼ご飯の時間だ!と思い出した。緊張ですっかり忘れていた。
言われて急にお腹が空く。
『ありがとうございます。宜しいのですか?』
『勿論ですよ。』
少し待つとレストランの店員の様な格好の方々が料理を運んできた。
『鰻の蒲焼と言うプラゲ国では夏に滋養強壮で食べられるのですが。お口に合うと良いのですが。』
夏目さんが料理の説明をされる。
うな重だ!うな重だー!
顔を見上げるとルイスの両親が満面の笑みを見せており、大司教さんもルイスもキャサリンも会長まで顔が緩んでいた。
スプーンとフォーク、ナイフまで用意されていた。
しかし、箸で食う!流石に大司教さんとルイスの両親はフォークで食べ始めたが。
「いつの間に練習したの?」
「んー。箸作った後でー。」
と私達は誤魔化しながら鰻を堪能する。
『箸を使われるんですね?』
伊藤さんと正岡さんが私達に少し驚いていたら夏目さんがボードウェン国で箸を出されたんですよ!本当に心遣いが素晴らしくてと褒め始めたので何となく此方も誤魔化せた。
鰻。天然物だ!ふっくらとしてタレが美味い!
『美味しいです!』
『このソースが絡んでいて米と合いますね!』
皆、気に入ってくれた様で良かった。
珍しそうに口にしてうんうん。美味しいと頷いている。
お吸い物とかお久しぶりです。幸せ。
プラゲ国の1食目に鰻とは贅沢だ。
昼食を堪能した後、少し談笑。
プラネットでの通訳は夏目さんと光国さんが付いてくれるそうだ。何とも有難い。
『本当にご馳走様でした。色々とお気遣いありがとう御座います!』
私達は全員でお辞儀をして総理官邸を後にする。
『今後もボードウェン国と国交を築けると良いですね。』
最後に伊藤さんが微笑まれた。
『宜しく御願いします。』
王子が再び頭を下げると嬉しそうだった。
『主ら行こうか!城下町!』
光国さんが張り切っている。
『楽しみです!』
皆、目がキラキラしている。リアル時代劇!私もとても楽しみだ。
バスで城下町の入口まで送って貰った。
「わー!本当に異国に来たって感じ!」
「着物ってやっぱり素敵ね。」
皆、テンションが上がっている。
『さあ、ボードウェン殿!両替商を探そうか!?』
夏目さんがちょっと意地悪そうに微笑んだ。
『両替商!そうだ。探さないと!』
夏目さんに漢字を習った皆が必死で暖簾の文字や看板の文字を見ている。
私やルイスも一緒にぐるっと辺りを見回す。
見当たらないなあ。
「少し歩きながら探そうか。」
そう言いながら見て回る。すれ違う町人や武士達は異人さんだと言う目でやはり見ている。
でも、交易がある為か怖がられてる感じは無い。
ふと気がついた事がある。
『徳川さん。武士の髪型ってその光国殿みたいに皆、何故ここ剃ってないんですか?』
剃る髷の形何て言ったっけ?忘れた。
城下町の武士の大半、町人は殆ど髷だけど剃ってない。ポニーテールな人も多い。
『さかやきか?』
『そうです!そうです!』
時代劇では皆そのイメージ。
『城へ入れる武士、すなわち侍は剃る。後は武士でも外交に携わる仕事に付く者もいるからのお。』
なるほど。さかやきがある人が偉い武士だと判断基準になるなあ。
『ありましたよ!両替商!』
王子がテンション高く叫ぶ。
おお!両替商あった!
中へは光国さんと夏目さんが先に入られた。
続いて私達もゾロゾロと入る。
店主は沢山の外国人に少し驚いていた。
『両替を御願いします。』
私達がプラゲ語で話し出すと店主は笑顔で
『どうぞ此方へ!』
と案内してくれた。パルドデアドルを円へ両替っと。
助かるよなあ。この時代に両替があるとは。
皆、結構持って来てるのね。
流石、お金持ち達。
「ルナリーの分はルイス出してやってね。エミリア、足りない時は遠慮しないで。出すから。」
会長が私達に優しく笑いかける。
「こう言う旅は楽しまなきゃね。」
クライスもカインもジョージも出すよと言ってくれている。皆、優しい。
両替を済ませ改めて城下町探索!
『私ら刀見に行くよ。』
ローズさんが耳元で小声で言われた。
『了解っす!行ってらっしゃい!』
グレンさんとローズさんは2人仲良く散策。
両替商前で後程待ち合わせ。
「あら?2人で大丈夫?」
「うん。デートだって。」
仲良しですねえ。と皆、心配はしていだが大人だし大丈夫だろうと納得してくれ私達は夏目さん光国さんと見て回る。
茶店に呉服屋、飯屋、宿屋が多いなあ。
反物は少し欲しいかも。
「見て!ルナリー!エミリア!」
「わあ!可愛い!」
「これ?髪止め?」
露天に可愛い簪が沢山!
買おうか!
「プレゼントしますよ。」
王子とルイスとカインが笑顔で背後から覗き込む。
「いーの?」
「ありがとうございます!」
「ジェファーソン。ありがと。」
皆、それぞれこれ?あれ?似合うかな?と選び買って貰った。
綺麗なトンボ玉の簪。後で髪を纏めて付けて見なきゃ。
その後は扇子を買ったり茶店に入ってみたり。
すっかり夕方になってしまった。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

わたしを捨てた騎士様の末路
夜桜
恋愛
令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。
ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。
※連載

【完結】内緒で死ぬことにした〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を、なぜわたしは生まれ変わったの?〜
たろ
恋愛
この話は
『内緒で死ぬことにした 〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を〜』
の続編です。
アイシャが亡くなった後、リサはルビラ王国の公爵の息子であるハイド・レオンバルドと結婚した。
そして、アイシャを産んだ。
父であるカイザも、リサとハイドも、アイシャが前世のそのままの姿で転生して、自分たちの娘として生まれてきたことを知っていた。
ただアイシャには昔の記憶がない。
だからそのことは触れず、新しいアイシャとして慈しみ愛情を与えて育ててきた。
アイシャが家族に似ていない、自分は一体誰の子供なのだろうと悩んでいることも知らない。
親戚にあたる王子や妹に、意地悪を言われていることも両親は気が付いていない。
アイシャの心は、少しずつ壊れていくことに……
明るく振る舞っているとは知らずに可愛いアイシャを心から愛している両親と祖父。
アイシャを助け出して心を救ってくれるのは誰?
◆ ◆ ◆
今回もまた辛く悲しい話しが出てきます。
無理!またなんで!
と思われるかもしれませんが、アイシャは必ず幸せになります。
もし読んでもいいなと思う方のみ、読んで頂けたら嬉しいです。
多分かなりイライラします。
すみません、よろしくお願いします
★内緒で死ぬことにした の最終話
キリアン君15歳から14歳
アイシャ11歳から10歳
に変更しました。
申し訳ありません。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる