ヤンキー乙女ゲームの主人公になる!虐め?上等!夜露死苦!

美浪

文字の大きさ
上 下
108 / 369

大司教様の次の野望

しおりを挟む
デビューまで1週間。

今日は打ち合わせを兼ねてキャサリンとルイスと大司教さんとこの教会に来ている。

衣装を見たい!!と言うので持参した。


「やはり!学生はその格好ですよ!!」

大司教さんはとても嬉しそう。世代だよね。


「なぁ。夏服も用意するの?」

流石に学ランはかわいそうだ。大司教さんは少し考えて

「白の開襟シャツ?」

と言った。きっと彼の前世はそうだったんだろう。私の頃もそうだった。

「え?ダサくない?」

キャサリンが嫌そうな顔をしている。キャサリンの頃は今のアリア学院の様な制服が主流だったそうだ。時代は変わるもんだ。


「じゃあ夏らしく水色の半袖シャツにしましょー。下はそのまま黒で。女子は白セーラー服で良いですか?水色に合わせますか?」


水色でお願いしますとキャサリンはまだちょっと不満そうにいった。

「女子は可愛いと思うんだけど男がねぇ?華やかさゼロ!」

そう言われるとパーティとかでは男もフリル付いてるシャツとか着てるもんなあ。


「所でこれ長ランにして良い?短ランでも良い!」

ルイスが目を輝かせて大司教さんに訴える。

「私も!!スカート長くして良い?」

ワクワク。


「却下!」

即答された。チッやはり無理か。


「取り敢えず打ち合わせしましょうよ。」

私達のやり取りに溜息をつきながらキャサリンが教会の椅子に座りノートを開く。

私達も座って話を聞くことにした。


「日曜日の礼拝の後に歌うんですよね?」


「そうですね。10時から礼拝で歌の開始は11時くらいです。」

キャサリンがメモを取ってくれている。集合9時。着替えはクリスマスミサコンサートと同じ場所。

登場は大司教さんの有難いお話の後で紹介があってから。


「ところで何歌うんですか?そろそろ教えて下さいよー!」

大司教さんは駄々っ子の様に此方を見ている。


「言ってなかったんだ?」

「そそ。当日までのお楽しみーにしてる。」

お楽しみは必要だな。


「そうだ!大司教さん!この世界ってギターないよね?」

大司教さんは残念そうに頷いた。


「時代的にはある筈なんですけどね。」

キャサリンも今、気がついた様でびっくりした顔をしていた。

「本当に存在してないわ。全然気が付かなかった!」


「後なこの世界って新しい曲が誕生しないんだ。おかしいだろ?これだけクラシック好きなのに。クラシックでも新しい曲が生まれても良いのにさ。」

会長とルイスと出した結論。


「気づいてましたよ。変な世界観。」

大司教さんはやはりそれで私達に求めていたんだな。

「フラームさんにこの世界は乙女ゲームだと聞いて初めて納得しました。」


「新しい音楽を広めるのは野望の1つ。そしてもう1つ。」

大司教さんがニヤっと笑った。何やらせる気なんだ?厄介事そうだなあ。


「私は教会繋がりで色んな国に行っています。そこで聞いたんです。日本っぽい国があるって。」

あるんだ。咄嗟に言葉が出なかった。


「勿論、私は行った事がありません。日本っぽい国には教会が無いので。布教に行った司教の話だとそこの国の国民は侍みたいなんですよね。言葉が通じず布教出来なかったらしいです。」


「行ってみたい!!」

私達は口を揃えて言った。時代は古くても故郷だ。


「鎖国って訳でも無さそうなんですよ。問題はどうやって行くか。」


「場所は?日本は何処?」

もう興味津々で止まらない。


「国の名前が違うんですよ。JAPANでも無いし。確か?プラネ?プラゲ?変な名前でしょ?場所は世界地図で調べて下さい。」


大司教さんがそう言うとキャサリンがポカンとした表情で言葉を発した。


「プラゲ。。プラネットゲームス。このアリラブのゲームの会社名だ!」

「日本に自分の会社名?!なるほどね!謎が解けましたよ。」


日本か。この世界ではプラゲ国。変な名前。。


「ね?野望に付き合いたくなったでしょ?」

ニヤリと大司教さんが笑った。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

親切なミザリー

みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。 ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。 ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。 こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。 ‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。 ※不定期更新です。

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...