ヤンキー乙女ゲームの主人公になる!虐め?上等!夜露死苦!

美浪

文字の大きさ
上 下
99 / 369

閑話 ジェファーソン×キャサリン

しおりを挟む
警護人を付けたくなかったのかジェファーソン様は城へ行こう!と言い出した。

王子って大変なんだなあと思う。我が家も送迎はあるがそこまで煩くない。


ジェファーソン様の車に乗り込み城へ向かう。

婚約前は良く行っていたなあ。

小学生になり中学生になり段々とジェファーソン様との仲がギクシャクして来てからすっかり遠のいていた。


身分で選ばれた名ばかりの婚約者。そう言われるのが悔しくて沢山の敵を排除して来た。

ゲームの時は本当に邪魔な嫌な奴だったキャサリン。本気でジェファーソン様が好きだったんだと本人になって解った。


「どうしたの?キャサリン?」

「あっ。子供の頃を思い出してました。」

城門を潜り城は目の前。


「クライスとルイスとキャサリンは城へ良く遊びに来てくれてたもんね。」

車を降りジェファーソン様が手を差し伸べる。私は手を取り車を降り本当に良く遊びましたねー。と懐かしんだ。


多分、婚約者にする為に親は必死だったのだと思う。何かにつけて城へ私を連れて行っていた。


使用人やメイド達が微笑んで頭を下げて来る。

私も笑顔で軽く会釈をする。


客間に通されるかと思っていたのに何とジェファーソン様の部屋に案内された。


初めて入る!!!婚約する前も婚約後も1度も通された事がない!


客間、パーティルーム、ダイニングルーム、ピアノや大きなソファが置かれた王族専用リビングルームまでは通された事がある。


ジェファーソン様のお部屋。


「素敵なお部屋ですね!」


ピアノ、大きなベッド、勉強用の机、ソファと洒落たテーブル。

本棚にはびっしりと楽譜集があった。


「何かまじまじと見られると恥ずかしいなあ。」

ジェファーソン様はソファに座ってと促した。いけない、部屋ガン見してたわ。


ふわりと座り心地の良いソファだ。

「お腹空いたよね?軽食で大丈夫?」

私は笑顔で頷いた。

もう何でも嬉しいです。ジェファーソン様のお部屋だあ。うっとりしてしまう。


使用人がサンドイッチとサラダと紅茶を運んで来た。私はありがとうと告げる。


「美味しいです。」

野菜が新鮮でパリっとしている。

ジェファーソン様も一緒に食べながら笑顔で学校の話や今度の教会でのデビューの話をした。


「僕も何か新しい曲考えてみようかなあ。キャサリンみたいに発想が新しくないんだよね。」

私の曲は前世の人の歌ですとは言えない。


「ジェファーソン様はピアノも歌も出来て素晴らしいと思いますよ。」

本当に私には無い才能だ。


「ねぇ。キャサリン!1つ良いかな?」

ジェファーソン様が真剣な顔で私を見詰める。

「はい。」

何だろう。見詰められると今でも照れる。


「2人っきりの時はジェファーソンって呼んで欲しい。本当は何時でも呼んで欲しいんだけど。。」

名前の呼び捨て?!

てっ、照れる!!ジェファーソン様も視線を逸らし少し顔を赤らめながらのお願いだった。

子供の頃から徹底的に躾られて来たので今、思うと幼少期からの付き合いで様を付けて呼んでいるのは私くらいだった。


「ジェファーソン、、。」

小声で呼んでみるとジェファーソン様の顔が満面の笑みになった。

「キャサリン!」

目の前に座っていたジェファーソン様が隣に座って来て距離感にドキドキしてしまう。


「もう1回!」

顔を近づけてリクエストしてくる。

「ジェファーソン。」


そう言うとそっと頬に触れありがとうと言ってチュっとキスをされた。


ファーストキス。。


それは余りにも突然で、優しくて柔らかくて。心の全てが幸せで満たされた。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【完結】100日後に処刑されるイグワーナ(悪役令嬢)は抜け毛スキルで無双する

みねバイヤーン
恋愛
せっかく悪役令嬢に転生したのに、もう断罪イベント終わって、牢屋にぶち込まれてるんですけどー。これは100日後に処刑されるイグワーナが、抜け毛操りスキルを使って無双し、自分を陥れた第一王子と聖女の妹をざまぁする、そんな物語。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~

こひな
恋愛
市川みのり 31歳。 成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。 彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。 貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。 ※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

処理中です...