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デビュー曲を作ろう!
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「という訳で助けてー!」
キャサリンからの電話。
「あははは。大司教さん言ってたもんなあ。明日、午前中で学校終わるじゃん?それから17時まで暇だから楽譜書くよ。」
ありがとう!ありがとう!とキャサリンは何度も電話口で言っていた。
「私が間に居たら会長も誘えるよな?」
「うんうん!もう超びっくりしたんだけど!会長まで転生者とか。」
そーなんだよねー。会長って演技派なんだよなあ。
「ストーカーの件。死亡フラグ立ってるよって教えてくれたのが会長なんだよね。」
最近、キャサリンとゆっくり2人で話す機会がなかったので会長の話を説明してやった。
「アプリか。記憶に全く無いから私が死んだ後だわ。」
とキャサリンは言った。会長が1番ギリギリまで生きてた人なんだなあ。んで1番古いのが私か。時代がここまで発展するとはねぇ。携帯電話?やアプリとか言われても未だに想像がつかない。
「じゃ、明日宜しくね。本当にごめんね!歌詞だけは書いてくるから!」
キャサリンはそう言って電話を切った。
翌日、終了式と卒業式が行われた。
「卒業おめでとうございます!」
あの時依頼、全然関わりなかったガードナー令嬢が私の所に挨拶に来られたのだ。
「ありがとう。あの時は本当にごめんね。」
「気にしてませんよ。大学行かれても頑張って下さい!」
もうトゲトゲしい感じがすっかり抜けたガードナーさんはそれはそれは愛らしい微笑みでありがとう!と言って別れを告げた。
「挨拶終わった?」
キャサリンがひょこっと出てきた。見てたのか。
「キャサリンも挨拶すれば良かったのに。」
「いや、何かまだ苦手なのよ。」
そう言う話をしながらレッスンルームに向かう。
暇人達が集まっていた。
「もう出来た?」
王子の第一声。キャサリンが苦笑いしていた。
「今からキャサリンとやるから。もう少し待ってて。後、会長、ルイス!個人レッスンルームに来て。」
一気に終わらせよう。
「ありがとう!ルナリーもごめんね!」
本当に王子は退屈してたんだなあ。
私が借りてる個人レッスンルームに4人分の椅子を持ち込んで作業開始。
「ホルストの惑星が元なんだ。へー。木星ね。」
脳内に何となくメロディーが思い出される。
一通り歌詞を読んでキャサリンに歌って貰うことにした。
今回はヴァイオリンやチェロ、ピアノも使うらしくそっちの楽譜も必要だ。
「えっとねー。ヴァイオリンとチェロは書けるよ。記憶で何とか。」
「ピアノ弾くから。ルイスはそっち楽譜起こして。」
OKとルイスも準備する。
歌詞に合わせて開始。
「相変わらずのハイスペックね!」
楽譜起こし得意なんだよ。
主旋律終わり。
「いやー。良い曲だなあ。」
これは名曲だ。歌謡曲の枠組みだがクラシック要素がきちんとあってウケるだろう。
「ピアノは?」
「ピアノは待てもう1回。会長頼む。」
聞き取る音符沢山だもんな。
「だいたいで良いよ。完全に原曲に合わせなくて。ジェファーソンが編曲するだろうし。」
もう1回さっと演奏しだいたい完成。皆でやれば早いもんだ。
「後は弦楽器と。どんな感じだったっけなあ。キャサリンも一緒に思い出して」
会長が五線譜と向き合って書き込み出した。
「ルイス、ヴァイオリン取って来て。弾いてやって。」
実際の音を聞いたら楽譜にしやすいし。
主旋律は記憶にしっかりあるけれどそれ以外って記憶薄いんだよね。特に前世は音楽やってなかったし。
結構、弦楽器パートに時間がかかり気付いたら16時になっていた。
「まあ。後は彼らが編曲やアレンジするんじゃない?」
一通り完成したのでお披露目に行く。
レッスンルームに入ると何とスミスさんとナタリーさんが来ていた。
「わー。待たせてすみません!!」
頭を下げると
「また面白そうな事するみたいですねー。」
と笑顔だった。王子から話を聞いたらしい。
「聞きたいです。いいですか?」
ナタリーさんも興味津々なのでこのまま披露する事になった。
「えっと。今回の曲はホルストの惑星の4楽章木星のアレンジです。ピアノと弦楽器も参加で行おうかと思ってます。」
キャサリンが曲の説明をしてくれた。
主旋律はキャサリンで。最初はユニゾンだな。
スミスさんとナタリーさんが見てるからちょっと緊張する。
キャサリンをちらっと見ると、うん。緊張してるなあ。
「ユニゾンでやるから。安心しろ。」
小声で囁く。キャサリンと頷きあう。
前奏はなし。いきなりのスタート。
「Everyday、、、」
結構な低音だ。
ルイスのヴァイオリンが美しい。あぁこう言う感じになるんだな。
良し。なかなかの出来だろう。歌い終わって反応を見る。
「これは凄いよ!」
スミスさんが第一声だった。
その後、皆に感動したと絶賛を受けた。
「うちの楽団でもやりたいなあ。ねえ?先生!」
ナタリーさん。。ハマった様です。
「先ずは大司教様の所なので。その後でしたら、、。」
王子、またやる気なのか。
曲は満場一致で決まった。
「編曲とアレンジ始めよう!」
「パート別の楽譜も作ろう」
暇人共の目が輝き出した。私達って本当にイベント好きだよなあ。
「じゃ。私は練習してくる!」
私は先ずはコンクール。
コンクールまで後10日。
キャサリンからの電話。
「あははは。大司教さん言ってたもんなあ。明日、午前中で学校終わるじゃん?それから17時まで暇だから楽譜書くよ。」
ありがとう!ありがとう!とキャサリンは何度も電話口で言っていた。
「私が間に居たら会長も誘えるよな?」
「うんうん!もう超びっくりしたんだけど!会長まで転生者とか。」
そーなんだよねー。会長って演技派なんだよなあ。
「ストーカーの件。死亡フラグ立ってるよって教えてくれたのが会長なんだよね。」
最近、キャサリンとゆっくり2人で話す機会がなかったので会長の話を説明してやった。
「アプリか。記憶に全く無いから私が死んだ後だわ。」
とキャサリンは言った。会長が1番ギリギリまで生きてた人なんだなあ。んで1番古いのが私か。時代がここまで発展するとはねぇ。携帯電話?やアプリとか言われても未だに想像がつかない。
「じゃ、明日宜しくね。本当にごめんね!歌詞だけは書いてくるから!」
キャサリンはそう言って電話を切った。
翌日、終了式と卒業式が行われた。
「卒業おめでとうございます!」
あの時依頼、全然関わりなかったガードナー令嬢が私の所に挨拶に来られたのだ。
「ありがとう。あの時は本当にごめんね。」
「気にしてませんよ。大学行かれても頑張って下さい!」
もうトゲトゲしい感じがすっかり抜けたガードナーさんはそれはそれは愛らしい微笑みでありがとう!と言って別れを告げた。
「挨拶終わった?」
キャサリンがひょこっと出てきた。見てたのか。
「キャサリンも挨拶すれば良かったのに。」
「いや、何かまだ苦手なのよ。」
そう言う話をしながらレッスンルームに向かう。
暇人達が集まっていた。
「もう出来た?」
王子の第一声。キャサリンが苦笑いしていた。
「今からキャサリンとやるから。もう少し待ってて。後、会長、ルイス!個人レッスンルームに来て。」
一気に終わらせよう。
「ありがとう!ルナリーもごめんね!」
本当に王子は退屈してたんだなあ。
私が借りてる個人レッスンルームに4人分の椅子を持ち込んで作業開始。
「ホルストの惑星が元なんだ。へー。木星ね。」
脳内に何となくメロディーが思い出される。
一通り歌詞を読んでキャサリンに歌って貰うことにした。
今回はヴァイオリンやチェロ、ピアノも使うらしくそっちの楽譜も必要だ。
「えっとねー。ヴァイオリンとチェロは書けるよ。記憶で何とか。」
「ピアノ弾くから。ルイスはそっち楽譜起こして。」
OKとルイスも準備する。
歌詞に合わせて開始。
「相変わらずのハイスペックね!」
楽譜起こし得意なんだよ。
主旋律終わり。
「いやー。良い曲だなあ。」
これは名曲だ。歌謡曲の枠組みだがクラシック要素がきちんとあってウケるだろう。
「ピアノは?」
「ピアノは待てもう1回。会長頼む。」
聞き取る音符沢山だもんな。
「だいたいで良いよ。完全に原曲に合わせなくて。ジェファーソンが編曲するだろうし。」
もう1回さっと演奏しだいたい完成。皆でやれば早いもんだ。
「後は弦楽器と。どんな感じだったっけなあ。キャサリンも一緒に思い出して」
会長が五線譜と向き合って書き込み出した。
「ルイス、ヴァイオリン取って来て。弾いてやって。」
実際の音を聞いたら楽譜にしやすいし。
主旋律は記憶にしっかりあるけれどそれ以外って記憶薄いんだよね。特に前世は音楽やってなかったし。
結構、弦楽器パートに時間がかかり気付いたら16時になっていた。
「まあ。後は彼らが編曲やアレンジするんじゃない?」
一通り完成したのでお披露目に行く。
レッスンルームに入ると何とスミスさんとナタリーさんが来ていた。
「わー。待たせてすみません!!」
頭を下げると
「また面白そうな事するみたいですねー。」
と笑顔だった。王子から話を聞いたらしい。
「聞きたいです。いいですか?」
ナタリーさんも興味津々なのでこのまま披露する事になった。
「えっと。今回の曲はホルストの惑星の4楽章木星のアレンジです。ピアノと弦楽器も参加で行おうかと思ってます。」
キャサリンが曲の説明をしてくれた。
主旋律はキャサリンで。最初はユニゾンだな。
スミスさんとナタリーさんが見てるからちょっと緊張する。
キャサリンをちらっと見ると、うん。緊張してるなあ。
「ユニゾンでやるから。安心しろ。」
小声で囁く。キャサリンと頷きあう。
前奏はなし。いきなりのスタート。
「Everyday、、、」
結構な低音だ。
ルイスのヴァイオリンが美しい。あぁこう言う感じになるんだな。
良し。なかなかの出来だろう。歌い終わって反応を見る。
「これは凄いよ!」
スミスさんが第一声だった。
その後、皆に感動したと絶賛を受けた。
「うちの楽団でもやりたいなあ。ねえ?先生!」
ナタリーさん。。ハマった様です。
「先ずは大司教様の所なので。その後でしたら、、。」
王子、またやる気なのか。
曲は満場一致で決まった。
「編曲とアレンジ始めよう!」
「パート別の楽譜も作ろう」
暇人共の目が輝き出した。私達って本当にイベント好きだよなあ。
「じゃ。私は練習してくる!」
私は先ずはコンクール。
コンクールまで後10日。
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