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公演開始。そして・・
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音楽ホールに向かうバスの中。皆、気合いが入っている。
「先ずはしっかり公演を成功させますよ!」
王子の気合いで皆「おーー!!」と掛け声を上げる。
練習室に向かい一通りの音出しを行い早めの昼食を取る。
12時からまた音合わせを少し行い、12時半には開場となった。
開演前、少し時間があったので外庭に出てみた。
隠れて見守れる場所の確認。犯人にバレない様に上手く連携して警察に連絡する。
私達は目を合わせ無言で頷きあった。
開演。
演目は勿論ベートーヴェン。
観客は相変わらず満員御礼。開演のブザーが鳴ると拍手が起こった。
本当にアイドルの様だ。
私達は今日は舞台袖に椅子を用意されそのまま待機している。
楽団の弦楽器は本当に素晴らしい。もっとヴァイオリンやチェロの人達とも交流したかった。多分、ルイスやジョージは特にそう思っているだろう。
指揮者の合図と、共に私達は舞台に出る。
一礼。
指揮棒が上がる。前奏そしてカインのソロ。
クライスのソロ。
そして合唱。歓喜の歌!
楽団との一体感。私達の声の一体感。本番が1番上手く行ったと思う。
拍手喝采が起き私達は一礼して一旦下がる。
そして、ラストのレクイエム。スミスさんが追悼の挨拶をしている。楽団員の中には涙している人も居た。会場の観客からもすすり泣きが聞こえる。グッと胸が締め付けられる思いがする。
ステージに再び上がる。
モーツァルトのレクイエム。
ジミーさんへ。助けられなくてすみませんでした。
どうか安らかに。犯人はこれから捕まえますから!
私達は高らかに歌い上げる。敵討ちは致します!
鳴り止まない拍手。楽団員達も立ち上がり観客に頭を下げた。
公演は無事に成功。
楽団員達の恒例の握手会が行われる。
挨拶をし私以外は帰ったふりをした。駐車場に停めてあったバスは少し場所を移動させる念の入れようだ。
握手会の混乱の中で皆は外庭にスタンバイ中。
警察に連絡する役割のジョージとクライスは2階フロアに上り時間まで隠れている。
30分程度で握手会もほぼ終わり予定時刻の15分前には会場に残っている観客も殆ど居なくなった。
外庭には誰も居ない。花壇脇には皆、隠れているが。
念の為、ポケットの警棒を確認する。うん。大丈夫。
5分前。私は時計台の下で待つ。
時計台を1周し背後に誰も居ない事も確認。
死角なし。良し。
16時を知らせる時計台の鐘が鳴る。
音楽ホールの奥の扉が開いた。やはりそちらから来たか。
やって来たのは。。。まじか。
アレックス・ブルーさん、、、。
こいつ!!
エミリアは今、どんな顔しているんだろう。
エミリアの気持ちも知らないで!怒りが込み上げてくる。
「ブルーさん。あんた何してんだよ!」
もう何を言ったら良いか解らず思わず叫んだ。
しかし、ブルーさんは
「あれ?なんで?」
と訳解らない一言を発した。
「お前が手紙で呼んだんだろ?」
「今までも人の家のポストに手紙突っ込んで!挙句の果てにはジミーさんまで殺したんだろ?!」
私はポケットの特殊警棒に手をかける。
「手紙?僕、ブラウンさんの鞄に手紙入れた筈だけど?」
ブルーさんが目をパチパチしながら首を傾げる。
ん???
その瞬間だった。音楽ホール側からナイフを持った人物が勢い良く走ってくる姿が右目の端に移った。
ルイスが急いで此方に駆けてくる足音が聞こえる。
奴はブルーさん目掛けて走って来て
血走った目がギラっと光ってナイフはブルーさんへ向かって行く
「危ねぇ!!!!」
こう言う時、咄嗟に庇って刺されたりするんだろうけど
私は先に足が出て
ブルーさんを勢いよく蹴り飛ばして居た。
「先ずはしっかり公演を成功させますよ!」
王子の気合いで皆「おーー!!」と掛け声を上げる。
練習室に向かい一通りの音出しを行い早めの昼食を取る。
12時からまた音合わせを少し行い、12時半には開場となった。
開演前、少し時間があったので外庭に出てみた。
隠れて見守れる場所の確認。犯人にバレない様に上手く連携して警察に連絡する。
私達は目を合わせ無言で頷きあった。
開演。
演目は勿論ベートーヴェン。
観客は相変わらず満員御礼。開演のブザーが鳴ると拍手が起こった。
本当にアイドルの様だ。
私達は今日は舞台袖に椅子を用意されそのまま待機している。
楽団の弦楽器は本当に素晴らしい。もっとヴァイオリンやチェロの人達とも交流したかった。多分、ルイスやジョージは特にそう思っているだろう。
指揮者の合図と、共に私達は舞台に出る。
一礼。
指揮棒が上がる。前奏そしてカインのソロ。
クライスのソロ。
そして合唱。歓喜の歌!
楽団との一体感。私達の声の一体感。本番が1番上手く行ったと思う。
拍手喝采が起き私達は一礼して一旦下がる。
そして、ラストのレクイエム。スミスさんが追悼の挨拶をしている。楽団員の中には涙している人も居た。会場の観客からもすすり泣きが聞こえる。グッと胸が締め付けられる思いがする。
ステージに再び上がる。
モーツァルトのレクイエム。
ジミーさんへ。助けられなくてすみませんでした。
どうか安らかに。犯人はこれから捕まえますから!
私達は高らかに歌い上げる。敵討ちは致します!
鳴り止まない拍手。楽団員達も立ち上がり観客に頭を下げた。
公演は無事に成功。
楽団員達の恒例の握手会が行われる。
挨拶をし私以外は帰ったふりをした。駐車場に停めてあったバスは少し場所を移動させる念の入れようだ。
握手会の混乱の中で皆は外庭にスタンバイ中。
警察に連絡する役割のジョージとクライスは2階フロアに上り時間まで隠れている。
30分程度で握手会もほぼ終わり予定時刻の15分前には会場に残っている観客も殆ど居なくなった。
外庭には誰も居ない。花壇脇には皆、隠れているが。
念の為、ポケットの警棒を確認する。うん。大丈夫。
5分前。私は時計台の下で待つ。
時計台を1周し背後に誰も居ない事も確認。
死角なし。良し。
16時を知らせる時計台の鐘が鳴る。
音楽ホールの奥の扉が開いた。やはりそちらから来たか。
やって来たのは。。。まじか。
アレックス・ブルーさん、、、。
こいつ!!
エミリアは今、どんな顔しているんだろう。
エミリアの気持ちも知らないで!怒りが込み上げてくる。
「ブルーさん。あんた何してんだよ!」
もう何を言ったら良いか解らず思わず叫んだ。
しかし、ブルーさんは
「あれ?なんで?」
と訳解らない一言を発した。
「お前が手紙で呼んだんだろ?」
「今までも人の家のポストに手紙突っ込んで!挙句の果てにはジミーさんまで殺したんだろ?!」
私はポケットの特殊警棒に手をかける。
「手紙?僕、ブラウンさんの鞄に手紙入れた筈だけど?」
ブルーさんが目をパチパチしながら首を傾げる。
ん???
その瞬間だった。音楽ホール側からナイフを持った人物が勢い良く走ってくる姿が右目の端に移った。
ルイスが急いで此方に駆けてくる足音が聞こえる。
奴はブルーさん目掛けて走って来て
血走った目がギラっと光ってナイフはブルーさんへ向かって行く
「危ねぇ!!!!」
こう言う時、咄嗟に庇って刺されたりするんだろうけど
私は先に足が出て
ブルーさんを勢いよく蹴り飛ばして居た。
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