ヤンキー乙女ゲームの主人公になる!虐め?上等!夜露死苦!

美浪

文字の大きさ
上 下
80 / 369

2月合同練習①

しおりを挟む
2月合同練習1回目。

学校集合でバスで向かう。練習は順調でオケと合わせても大丈夫な状態となってきていると思う。

しかしソロパートのカインとクライスは朝から緊張しまくっていて顔が超絶真面目だ。


あれから事件は起きていない。


音楽ホールに到着。気持ちはいざ戦場へ!と言う感じだ。


舞台で練習かと思っていたが練習場はホール内に別の部屋で行われた。
練習部屋は王子の誕生日パーティーが開かれた城の客間程ある。

楽団員全員入っても余裕だ。

舞台で歌うより緊張は少ないなあ。


「本日は宜しく御願い致します。」

王子が代表して挨拶をし私達も宜しく御願いしますと一礼する。


楽団員が配置に着いている前に私達は整列する。


「1度歌を聞いて見たいので通しましょう。」

指揮者のスミスさんがそう言って指揮棒を手に取る。


ふぅー。カインとクライスは大きく深呼吸していた。


指揮が振られ演奏が開始される。背後からの管弦楽は想像より壮大で迫力があった。

今日はマイクがない。

カインのソロパート。良く声は出ているがインパクトが後ろの楽団に負けている。

私達の合唱を数小節の後クライスのソロ。伸びがあって良いな。

その後は合唱!

もうひたすら歌うしかない。演奏も盛り上がる。ソプラノとテノール、メゾソプラノで引っ張る。

音合わせ終了。50点てのが自分なりの採点だ。


「うーん。そうですね。印象としては今後行ける様になると思いました。今は必死さが際立って美しさが無いです。」

スミスさんは考えながら指揮台に指揮棒をタン、タンと打ち付けながら話している。

「オケはもっとダメですね。」

視線を楽団員に移し冷たい目でそう言った。

スミスさんは特にホルンやトランペットなどの管楽器に指示を細かく出している。

「アリア学院は少し休憩。はい。第一小節から行きます。」

指揮棒を掲げ出だしからの演奏を数回。


厳しいー!!プロの世界と言う感じがヒシヒシと伝わる。

その間は楽団員の観察をする事が出来た。この前の視線の様な男。練習中にはボロは出さないかな。


ようやくバリトンソロまでの部分でスミスさんのOKが出た。

「はい、バリトンソロ!加わって下さい!」

カインが呼ばれる。

カインも出だし1発目から何度もダメ出しをされ午前中の練習はほぼカインパートで終わった。


「13時30分まで休憩。」

スミスさんがそう言って解散となった。


カインは凄く疲れた顔をしている。

皆で労いながらロビーに出てお昼ご飯を摂ることにした。

各家庭のお昼ご飯は具沢山サンドイッチでそれぞれのシェフ達の個性が出ていた。

「キャサリンとこのめっちゃ美味そうー。くれー!」

私がBLTの美味そうなキャサリンのサンドイッチを物欲しそうに、眺める。キャサリンは笑いながら1つ交換してくれた。

「ベーコンうまぁー!」

「ルナリーのとこのも美味しいわよ。」


「しかし、楽団の練習は凄いですね!カインの声がどんどん伸びでますよ。」

王子が感心したように言った。私達も頷く。スミスさんの指示は本当に的確だ。

「次は僕の番だよね。」

クライスが項垂れる。午後はそうなるだろうな。



「お疲れ様。」

男性奏者6人、女性奏者2人が私達の元にやって来た。

その中にブルーさんが居た。

「先生の練習、きついでしょ?頑張って慣れてね!」

女性奏者マリーさんが笑顔で声を掛けてくれた。

「頑張ります!!」

クライスが笑顔で答えた。

エミリアの想い人、アレックスさん含むザックさん、マリーさん、アーリーさん、マイケルさん、ジェフリーさん、アーリオさん、トミーさん、の8人はとても仲良しと言った感じだった。


私達を労ってくれてとても優しい。

「ブラウンさん頑張ってね!」

最後に彼に声をかけられエミリアの顔が赤くなった。

「ありがとうございます。」

とても嬉しそうで幸せそうだ。


アレックス・ブルーさんは犯人では無さそうだなあ。優しそうな人だったし。今、声をかけてくれた他の男性奏者にも悪い印象は無かった。


間もなく午後練が始まる。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【完結】100日後に処刑されるイグワーナ(悪役令嬢)は抜け毛スキルで無双する

みねバイヤーン
恋愛
せっかく悪役令嬢に転生したのに、もう断罪イベント終わって、牢屋にぶち込まれてるんですけどー。これは100日後に処刑されるイグワーナが、抜け毛操りスキルを使って無双し、自分を陥れた第一王子と聖女の妹をざまぁする、そんな物語。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~

こひな
恋愛
市川みのり 31歳。 成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。 彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。 貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。 ※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

処理中です...