ヤンキー乙女ゲームの主人公になる!虐め?上等!夜露死苦!

美浪

文字の大きさ
上 下
77 / 369

取り敢えず真面目に練習するか

しおりを挟む
日曜日なので朝から学校に集まって練習となった。

ランニングダッシュでレッスンルームに入るとラッキーな事に会長が一番乗りだった。

「おはようございます!会長!昨日は全く解らなかった!」

第一声がそれ。

「おはようルナリー!観察はしたけど同じくだよ。クソイベらしく後半まで姿現さない気なのかなあ?」

冷静沈着な会長でも解らなかったのか。



全員が集まってからソロ決めを行う事にした。

ソロはバリトンとテノール。

カインは確定。

生徒会長とクライスは譲り合っている。

「この前やりましたので次はクライスの出番です。」

「会長ぉぉ。僕、ノミの心臓なんですよー。」


「1番きついのは出だしのカインだよなあ」

そう言うとカインは目を閉じて悟ったようにうんうんと頷いた。

「第九って聞いた時から覚悟したから大丈夫。ジェファーソンとルイスがバリトンだけど専門は自分だし。だからクライスか会長も覚悟を決めたまえ!」

目を見開きニヤっと笑う。ドSカイン降臨。

2人はゲッと言う顔をして一生懸命譲り合いを続けている。


昨日のオケを聞いた後だといくらマイクを通しても迫力負けするなあ。この歌って集団合唱だよね。

曲目が決まっている中に私達が無理矢理共演になったからかも知れないけれど分が悪い。


暫しの話し合いの結果、クライスがソロに決まった。おめでとうクライス。


1回通しで歌ってみる。

カインのバリトンの出だし上手い。

クライスも歌えている。

その後はやや迫力に欠ける合唱。


「うーん?上手いんだけどねえ。」

「マイク入ったら行けますかね?」

感想は全員似たような感じだった。

なかなかの難曲を与えられたな。課題は1人1人の声のボリュームアップかな。


お昼休憩。

「エミリア、彼は名前なんて言うの?」

そう言えば聞いた事なかった。

「あっ。言ってませんでしたね!アレックス・ブルーさんです。昨日、最高でしたねぇ。」

とても嬉しそう。エミリアは楽団の事詳しいかもなあ。


「楽団って給料制じゃん?休みとか練習時間って決まってるの?」

闇討ち野郎の出現時間が解るかも知れない。

「休みは水曜日ですね。土日は公演が多いですから!練習時間は会社員の勤務と同じ感じかな。9時から17時とかですよ。でも、公演前は夜遅くまで練習してるみたい。」


流石詳しいー!じゃあ1月公演が終わるまでは闇討ち率下がったな。

「休みが合わないとデート出来ねーなあ!土日休みの時有ればいーのにな!」

そう言うとエミリアは照れていた。まだエミリアは彼とはファンと楽団員と言う間柄で顔と名前を覚えて貰っている程度だと言っていた。

「何なに?好きな人の話し?」

キャサリンが嬉しそうに話しに加わる。

「あっ!言っておかねば!」

私は小声で

「もうナンパされないと思うけど今回同じヘマはしねーぞ!」

「個人的に気をつけとけよ!」

守れねぇ可能性高いからなぁ。
自分で精一杯になるかも知れねぇし。

2人とももう大丈夫と頷いた。


その日は個人練習もしたりと盛り上がったので結局18時過ぎまで学校に居た。

自宅にランニングで帰るとポストから封筒がはみ出している。

楽団の練習後に来たか。

部屋に戻って封筒を開けると国立管弦楽団の1月公演のチケットが2枚入っていた。

正に果たし状!!来いってか!!

勿論、敵の誘いには乗ってやらねーとな。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

親切なミザリー

みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。 ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。 ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。 こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。 ‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。 ※不定期更新です。

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

処理中です...