71 / 369
閑話 打ち上げ
しおりを挟む
バートリー家で打ち上げ!
財閥の家ってのはどうしてこんなにデカいんだ?!
玄関ホール?と呼べる広さの玄関には金持ちの象徴的な大理石の床。メイド達に案内されて客間に向かう。
客間には小規模のパーティー風に料理が並べられていた。
グラスにジュースが注がれて、
「ミサコンサート成功を祝って乾杯!!」
皆の笑顔が零れる。昨日は各家庭で皆、褒められたらしい。
「両親に声楽科に移ればって言われたわ。」
キャサリンが複雑そうに言ってきた。
「確かに良いアルトの声してるもんな。」
私もピアノ科より声楽科に向いているのでは?と思う。
「あっ。キャサリン!ちょーっと話聞いてくれ!」
私はキャサリンを部屋の端に並べられた椅子まで連れていく。
昨日のルイスとのデートの事を話したかった。名前を思い出した事、死ぬ前の事。
「死亡フラグだと思う?」
「うわー。壮絶な前世だったのね。で、今の状況か。」
キャサリンも考え込んでいる。
「ゲームには主人公が死ぬ話はなかったけど?」
「でも、ルイスはゲームには居なかった。」
うん。それは私も解る。
ルイスは死ぬ時にただもう一度私と会って今度は結ばれる世界で生きたいと思ったと言っていた。
乙女ゲームの話をしたら驚いていたし攻略対象者と私が恋愛関係にならなくて良かったと安堵していた。
「じゃ気のせいかなあ。ちょっとナーバスになってただけだな!」
「多分ねー。色々思い出し過ぎたんじゃないかなあ?」
ルイス、大司教さん、私。転生者で唯一ゲームをやっているキャサリンが大丈夫と言ってくれてるから。
大丈夫かな?野生の勘はハズレたか?
「皆のとこ行こか!」
私はキャサリンの手を引いて料理へ向かう。
「料理めちゃ美味いー!」
本当に何処の家に行っても美味しい料理ばかりだ。
フレンチのフルコースにも出そうな料理がオードブルの様に並べてある。
料理を堪能しているとカインとクライスが寄ってきた、
「姐さんはこれからコンクールの練習するの?」
クライスが聞いてくる。
「もうエントリーしないと間に合わないよ?」
カインがそう言う。
「元々出る予定なかったからなあ。4月か?!」
あんまり日がないなあ。間に合うかな。
「出るべきですよ!」
生徒会長が背後から声をかける。
「来年4月に出てダメなら再来年4月。在学中にチャレンジ出来るのは2回です。卒業後すぐも出来るけど。それは進路次第。」
確かに最もな事を言われている。やるしかねーよなあ。
そろそろデザートを食べようかとする頃の事だった。
「そうそう!国立管弦楽団のコンサートにゲスト出演する事になりましたよ!」
王子が突然言い出した。
ん??国立管弦楽団ってエミリアの好きな人がいる所?
「国立管弦楽団!?」
エミリアが歓喜に満ちたような大声を上げた。
「ジェファーソン様!?もう話したんですか?」
キャサリンが驚いた声を上げた。
「勿論!昨日、楽団の方が来ていたらしくて話をしたら直ぐ決まったよ。」
話が見えないが王子の行動力には何時も驚かされる。
「国立管弦楽団と一緒の舞台。。。」
エミリアの顔が赤い。頬を抑えてオタオタしている。
「またジェファーソンは勝手に色々決めて来るよなあ。」
離れの椅子で寛いでいたルイスが呆れた顔をしている。
「僕は凄く興味あります!管弦楽団ですよ!?近くで演奏聞けるなんて感動です!!!」
ジョージは興奮している。
「それは僕も巻き込まれる感じ?」
生徒会長が驚いた様なそれでいて苦い顔をしている。
「巻き込まれる感じだろうね。」
私は笑う。
「何、歌うの?」
「あちらの要望次第ですねー。」
そこはまだ決まってないのか。私のコンクール曲も決めないとなあ。忙しくなりそうだ。
3月国立管弦楽団と共演
4月ボードウェン音楽コンクール
「何かたまには喧嘩でもして発散してぇ。」
私がボソリと呟くとカインとクライスが是非八つ当たりして下さいと言ってきた。いや、八つ当たりじゃなくてね喧嘩なのだよ。
「身体だけ鍛えとけ。全く!危ない事はするな!」
とルイスに小突かれた。
財閥の家ってのはどうしてこんなにデカいんだ?!
玄関ホール?と呼べる広さの玄関には金持ちの象徴的な大理石の床。メイド達に案内されて客間に向かう。
客間には小規模のパーティー風に料理が並べられていた。
グラスにジュースが注がれて、
「ミサコンサート成功を祝って乾杯!!」
皆の笑顔が零れる。昨日は各家庭で皆、褒められたらしい。
「両親に声楽科に移ればって言われたわ。」
キャサリンが複雑そうに言ってきた。
「確かに良いアルトの声してるもんな。」
私もピアノ科より声楽科に向いているのでは?と思う。
「あっ。キャサリン!ちょーっと話聞いてくれ!」
私はキャサリンを部屋の端に並べられた椅子まで連れていく。
昨日のルイスとのデートの事を話したかった。名前を思い出した事、死ぬ前の事。
「死亡フラグだと思う?」
「うわー。壮絶な前世だったのね。で、今の状況か。」
キャサリンも考え込んでいる。
「ゲームには主人公が死ぬ話はなかったけど?」
「でも、ルイスはゲームには居なかった。」
うん。それは私も解る。
ルイスは死ぬ時にただもう一度私と会って今度は結ばれる世界で生きたいと思ったと言っていた。
乙女ゲームの話をしたら驚いていたし攻略対象者と私が恋愛関係にならなくて良かったと安堵していた。
「じゃ気のせいかなあ。ちょっとナーバスになってただけだな!」
「多分ねー。色々思い出し過ぎたんじゃないかなあ?」
ルイス、大司教さん、私。転生者で唯一ゲームをやっているキャサリンが大丈夫と言ってくれてるから。
大丈夫かな?野生の勘はハズレたか?
「皆のとこ行こか!」
私はキャサリンの手を引いて料理へ向かう。
「料理めちゃ美味いー!」
本当に何処の家に行っても美味しい料理ばかりだ。
フレンチのフルコースにも出そうな料理がオードブルの様に並べてある。
料理を堪能しているとカインとクライスが寄ってきた、
「姐さんはこれからコンクールの練習するの?」
クライスが聞いてくる。
「もうエントリーしないと間に合わないよ?」
カインがそう言う。
「元々出る予定なかったからなあ。4月か?!」
あんまり日がないなあ。間に合うかな。
「出るべきですよ!」
生徒会長が背後から声をかける。
「来年4月に出てダメなら再来年4月。在学中にチャレンジ出来るのは2回です。卒業後すぐも出来るけど。それは進路次第。」
確かに最もな事を言われている。やるしかねーよなあ。
そろそろデザートを食べようかとする頃の事だった。
「そうそう!国立管弦楽団のコンサートにゲスト出演する事になりましたよ!」
王子が突然言い出した。
ん??国立管弦楽団ってエミリアの好きな人がいる所?
「国立管弦楽団!?」
エミリアが歓喜に満ちたような大声を上げた。
「ジェファーソン様!?もう話したんですか?」
キャサリンが驚いた声を上げた。
「勿論!昨日、楽団の方が来ていたらしくて話をしたら直ぐ決まったよ。」
話が見えないが王子の行動力には何時も驚かされる。
「国立管弦楽団と一緒の舞台。。。」
エミリアの顔が赤い。頬を抑えてオタオタしている。
「またジェファーソンは勝手に色々決めて来るよなあ。」
離れの椅子で寛いでいたルイスが呆れた顔をしている。
「僕は凄く興味あります!管弦楽団ですよ!?近くで演奏聞けるなんて感動です!!!」
ジョージは興奮している。
「それは僕も巻き込まれる感じ?」
生徒会長が驚いた様なそれでいて苦い顔をしている。
「巻き込まれる感じだろうね。」
私は笑う。
「何、歌うの?」
「あちらの要望次第ですねー。」
そこはまだ決まってないのか。私のコンクール曲も決めないとなあ。忙しくなりそうだ。
3月国立管弦楽団と共演
4月ボードウェン音楽コンクール
「何かたまには喧嘩でもして発散してぇ。」
私がボソリと呟くとカインとクライスが是非八つ当たりして下さいと言ってきた。いや、八つ当たりじゃなくてね喧嘩なのだよ。
「身体だけ鍛えとけ。全く!危ない事はするな!」
とルイスに小突かれた。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【完結】100日後に処刑されるイグワーナ(悪役令嬢)は抜け毛スキルで無双する
みねバイヤーン
恋愛
せっかく悪役令嬢に転生したのに、もう断罪イベント終わって、牢屋にぶち込まれてるんですけどー。これは100日後に処刑されるイグワーナが、抜け毛操りスキルを使って無双し、自分を陥れた第一王子と聖女の妹をざまぁする、そんな物語。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる