ヤンキー乙女ゲームの主人公になる!虐め?上等!夜露死苦!

美浪

文字の大きさ
上 下
63 / 369

ミサまであと2週間

しおりを挟む
気合いを入れて連日練習三昧!!


荘厳なミサの後のコンサートのラストに出演する。新しい趣向だし大司教様のゴリ押しで決まったトリだ。


プレッシャーに打ち勝つ様にしっかり発声を行なう。

生徒会長の声は本当に綺麗で高い。加わって貰って本当に良かった。

第1ソロは生徒会長で出だしを引っ張って貰う。途中からキャサリンとのユニゾンソロ。

私は勿論高音パートをガンガン披露する。

途中途中で話し合いながら編曲を行いより良い曲になって来た。


聖歌のもろびとこぞりてもきっちり歌える様になった。


あとミサまで2週間。

時間が経つのは早い。


「そろそろ振り付け考えない?」

キャサリンが提案する。

聖歌はいらないけど確かに此方はノリ良くだから突っ立って歌うのは勿体ない。

「手拍子必須。」

生徒会長がボソッと呟いた。


「そうそう!流石!会長!」

キャサリンは頷く。


「振り付けかあ。衣装はそう言えばどうする?制服?聖歌隊衣装?」

色々とやる事があるなあ。


「衣装か。在り来りが良いのか悩む所だ。」

王子も私に言われて悩み出した。


振り付けはキャサリンと何故か生徒会長が考え出した。生徒会長って不思議な方だ。

オンとオフと言っていたがレッスンルームに入ると本当にラフな人になる。

「手拍子はこの最初のフォルテまでなしだな。やるならフォルテからハモる瞬間からノリノリで!」

生徒会長はうんうんと頷いてキャサリンと話し合いをしている。


「衣装ねぇ。全然思いつかねー!」

「難しいですよね。制服より聖歌隊衣装が良いのかなあ。」

ルイスもクライスも悩んでいる。

そう言う私も何を着たい?言われたら特攻服!とか言う奴なので良い案が浮かばない。


「良し!大司教様に電話して来よう!」

何かあったら頼るのが1番安心。

「俺も行くー!」

そう言うのでルイスと職員室に電話を借りに行く。

「なあ、ルナリー!」

「どした?」


「もし、親に反対されたら俺と駆け落ちしてくれ!」

職員室に向かう廊下で言うことか?と思ったが思い詰めていたんだろうなあ。

「卒業したらそうしよか。」

私はそう答える。

「良かったー!」

ルイスが嬉しそうに笑う。

「そんなに思い詰めてたの?」

「後、2週間だと思うとなあ。悪い結果もつい考えちまう。」

「それよりも誕生日忘れるなよ」

と笑う。ルイスも当たり前だと笑う。

「苦労かけるな。すまん。」

そう言うとお互い様と頭を撫でられる。


職員室で大司教様に電話を掛ける。

「お久しぶりですルナリー・ウェールズです。」

「ルナリーさんお久しぶり。楽しみですねー!順調ですか?」

お気楽な方だ。

「あっ。大司教さん?ルイスです。衣装の相談で電話しました。」

「マッケンジー様こんにちは。衣装ですか?あー!なるほど。」


聖歌隊衣装って在り来りだもんなあ。制服は面白くないし。とブツブツと大司教さんも言っている。

「サンタコス?」

「ん?なんですかそれ?」

「あっ。えーとサンタコスプレ。コスプレも解らないか。失礼。サンタ衣装ですね。」

と言ってきた。あー。サンタクロースね。クリスマスだし。

「男性はそのままサンタで女性はワンピースのサンタ衣装にしたら可愛いですよ!」

「可愛くなくて良いんだけど。」

「そう言わないで下さいよ。衣装もコーラスについても私が責任持ちますよ。大丈夫です!」

大司教さんはそう言われる。

「頑張ります。」

そう言って電話を切った。今からサンタ衣装作るのか。売ってないもんなあ。作れるけど。


レッスンルームに戻ると手拍子で振り付けをするキャサリンと生徒会長がノリノリだった。

2人共上手いなあ。


「えーと。大司教様はサンタ衣装はどうかと仰ってましたがどう思う?」

安直な気がするけどなあ。

「サンタクロース?!」

王子、クライス、カイン、ジョージ、エミリアが此方を向く。

「えっ?サンタコス?」

キャサリンがボソリと呟いた。コスって?大司教さんと同じ言い方なので平成用語なんだなあ。


「いいかも!」

王子がそう言うのを皮切りに賛成していくクライス達。

何かこの世界との価値観の差を感じる。

「サンタクロースって夢があって良いですよね!皆、大好きですし。」

「大人にもウケますよ!!」

「両親もサンタクロースになるって言ったら楽しんで来てくれそう。」

そうなんだ?キャサリンと目を合わせるとそうだねと言う顔色をしていた。

「どうします?今から用意出来るかなぁ。」

と王子がやはり売っていない事を示唆している様だった。


「採寸したら作るけど?布代くれ。」

私がそう言うと、えええ?!と言う反応が返ってきた。

「え?裁縫めっちゃ得意なんだけど?」

そう言っても何故かザワつく。そう見えないか。だろうな。

「確かに特服の刺繍とか皆のやってたよな?」

ルイスがボソリと耳元で囁く。

「そそ。特服も作れるぜ!」

「あー。そーだった。」

とルイスだけが納得してくれた。服は刺繍に比べてミシンでちゃっちゃと縫えるから早いしな。

「姐さんにそんな特技が?!」

カインとクライスが特に信用していない気がする。

「試しに作ってくるからさー!」

そう言って納得して貰う。明日は土曜日なので練習開始を遅らせて貰った。布買いに行こ。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【完結】100日後に処刑されるイグワーナ(悪役令嬢)は抜け毛スキルで無双する

みねバイヤーン
恋愛
せっかく悪役令嬢に転生したのに、もう断罪イベント終わって、牢屋にぶち込まれてるんですけどー。これは100日後に処刑されるイグワーナが、抜け毛操りスキルを使って無双し、自分を陥れた第一王子と聖女の妹をざまぁする、そんな物語。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~

こひな
恋愛
市川みのり 31歳。 成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。 彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。 貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。 ※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

処理中です...