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この思い貴方に届け!
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僕とルイスは部屋に戻るなりベットに突っ伏した。
「僕、もう王子失格だよ。」
本気で大学生達を殴る気で居た。キャサリンを堂々と僕の前でナンパした奴ら。
嫌がるキャサリン達は穏便に断ろうとしている。
でも、頭に血が上って・・。
それを止めたのは生徒会長だった。冷静に彼は場を納めた。
僕が殴っていたらこれからの国交、教会との交流全て白紙になったかもしれない。
「俺は何も考えずに殴る気でいた!」
ルイスはイライラした声で言う。僕と違ってルイスはまだ怒りが収まってない様子だ。
「くそ!何でキッパリ断らなかったんだよ!ルナリーなら出来るだろ?穏便に?いや、解るけど。解るけど!」
ルイスの怒りが収まらない。
気持ちは解る。
でも僕はもう地の底まで落ちた気分。
・・・・・・・・・・・・・・・・
トントントントン!
勇気を出してドアをノックする。
「ルナリーです!」
「キャサリンです!」
ドアを開けてくれたのはカインだった。
カインは苦笑いして本当に小声でヤバいです。と囁いて中に入れてくれた。
「ルイス。ごめん」
ベットに伏せているルイスに謝る。
「ジェファーソン様。ごめんなさい」
キャサリンもベットに伏せている王子にそう言った。
2人は無言で此方を見てもくれない。
沈黙が流れる。
「もう!さっさと起きて話して来なよ!ジェファーソン!ルイス!解決して来なさい!」
カインが2人の身体を無理矢理起こす。
ムスッとしたルイス。物凄く落ち込んだ様子の王子。
私もキャサリンも対応出来るか自信が湧かない。
カインに半ば強引に部屋を追い出された。
「ジェファーソン様。きちんとお話をしたいです。」
キャサリンにそう言われて王子とキャサリンは隣の空き部屋へ入っていった。
「ルイス。」
私はルイスの手を掴み城の外へ出た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ジェファーソン様、ごめんなさい。」
再び謝る。
「謝ること無いよ。キャサリンは穏便に断ろうとしていたのに僕はそれが出来なかった。」
「あの時、会長が止めてくれなかったらどうなっていたか。」
ジェファーソン様は項垂れる。
どうしよう。
「本当に最初は歌の練習をしようと言われて全く気が付かなかったんです。それは解って下さい。」
「ごめんなさい。軽率な行動を取ってしまって。ジェファーソン様に迷惑をかけて。」
何と言ったら良いか解らない。何を言っても言い訳にしかならない。
ジェファーソン様は自分が大学生達にしようとした行動に落ち込んでいる?
あの時、本当に今まで見た事がないくらい怒った顔だった。
何故そんなに怒ったの?婚約者をナンパしたから?
聞いても良いんだろうか。言っても良いのだろうか。
「私・・。あの時、本当に穏便に断ろうとしていたんです。」
「解ってる。ごめん。軽率な行動に出ようとしたのは僕だから。」
ジェファーソン様は目を逸らした。
「あの。その。でも!!怒ってくれて嬉しかったんです!」
「私を少しは大事に思ってくれてるのかなって思ってしまって。ごめんなさい。私、何言ってるんだろう・・。」
ジェファーソンは切なそうな顔をして
「大事に思ってない訳ないだろう?」
そう言って私を抱き締めた。
えっ?何で?顔が蒸気する。大事に思ってる。。そう聞こえた。
「あいつらに物凄く嫉妬した。」
そう言ってさらにギュッと抱き締めてくる。
涙が出てきた。言おう。長年の思いを。
今の貴方は呼吸もしていて。
抱き締める事が出来る身体があって。
生きて存在しているだけでも嬉しいの。
「ジェファーソン様が大好きです。ずっと前から。」
ジェファーソンは抱き締めていた身体を離し私を見詰める。
沈黙が・・・。言わなきゃ良かったのかな。涙がまた流れる。
「キャサリン、僕も貴女が大好きだ!」
身体をすっと寄せられジェファーソンの胸にしっかりと抱き締められた。
「僕、もう王子失格だよ。」
本気で大学生達を殴る気で居た。キャサリンを堂々と僕の前でナンパした奴ら。
嫌がるキャサリン達は穏便に断ろうとしている。
でも、頭に血が上って・・。
それを止めたのは生徒会長だった。冷静に彼は場を納めた。
僕が殴っていたらこれからの国交、教会との交流全て白紙になったかもしれない。
「俺は何も考えずに殴る気でいた!」
ルイスはイライラした声で言う。僕と違ってルイスはまだ怒りが収まってない様子だ。
「くそ!何でキッパリ断らなかったんだよ!ルナリーなら出来るだろ?穏便に?いや、解るけど。解るけど!」
ルイスの怒りが収まらない。
気持ちは解る。
でも僕はもう地の底まで落ちた気分。
・・・・・・・・・・・・・・・・
トントントントン!
勇気を出してドアをノックする。
「ルナリーです!」
「キャサリンです!」
ドアを開けてくれたのはカインだった。
カインは苦笑いして本当に小声でヤバいです。と囁いて中に入れてくれた。
「ルイス。ごめん」
ベットに伏せているルイスに謝る。
「ジェファーソン様。ごめんなさい」
キャサリンもベットに伏せている王子にそう言った。
2人は無言で此方を見てもくれない。
沈黙が流れる。
「もう!さっさと起きて話して来なよ!ジェファーソン!ルイス!解決して来なさい!」
カインが2人の身体を無理矢理起こす。
ムスッとしたルイス。物凄く落ち込んだ様子の王子。
私もキャサリンも対応出来るか自信が湧かない。
カインに半ば強引に部屋を追い出された。
「ジェファーソン様。きちんとお話をしたいです。」
キャサリンにそう言われて王子とキャサリンは隣の空き部屋へ入っていった。
「ルイス。」
私はルイスの手を掴み城の外へ出た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ジェファーソン様、ごめんなさい。」
再び謝る。
「謝ること無いよ。キャサリンは穏便に断ろうとしていたのに僕はそれが出来なかった。」
「あの時、会長が止めてくれなかったらどうなっていたか。」
ジェファーソン様は項垂れる。
どうしよう。
「本当に最初は歌の練習をしようと言われて全く気が付かなかったんです。それは解って下さい。」
「ごめんなさい。軽率な行動を取ってしまって。ジェファーソン様に迷惑をかけて。」
何と言ったら良いか解らない。何を言っても言い訳にしかならない。
ジェファーソン様は自分が大学生達にしようとした行動に落ち込んでいる?
あの時、本当に今まで見た事がないくらい怒った顔だった。
何故そんなに怒ったの?婚約者をナンパしたから?
聞いても良いんだろうか。言っても良いのだろうか。
「私・・。あの時、本当に穏便に断ろうとしていたんです。」
「解ってる。ごめん。軽率な行動に出ようとしたのは僕だから。」
ジェファーソン様は目を逸らした。
「あの。その。でも!!怒ってくれて嬉しかったんです!」
「私を少しは大事に思ってくれてるのかなって思ってしまって。ごめんなさい。私、何言ってるんだろう・・。」
ジェファーソンは切なそうな顔をして
「大事に思ってない訳ないだろう?」
そう言って私を抱き締めた。
えっ?何で?顔が蒸気する。大事に思ってる。。そう聞こえた。
「あいつらに物凄く嫉妬した。」
そう言ってさらにギュッと抱き締めてくる。
涙が出てきた。言おう。長年の思いを。
今の貴方は呼吸もしていて。
抱き締める事が出来る身体があって。
生きて存在しているだけでも嬉しいの。
「ジェファーソン様が大好きです。ずっと前から。」
ジェファーソンは抱き締めていた身体を離し私を見詰める。
沈黙が・・・。言わなきゃ良かったのかな。涙がまた流れる。
「キャサリン、僕も貴女が大好きだ!」
身体をすっと寄せられジェファーソンの胸にしっかりと抱き締められた。
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