ヤンキー乙女ゲームの主人公になる!虐め?上等!夜露死苦!

美浪

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初めての飛行船

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人生初、飛行船!!前世で飛行機は乗ったことあるけど。

なるほど人数が沢山乗れないんだなあ。でもスペース的には1人1人の座席間隔などもきちんと確保してある3列シートで倒せるし寝るのは困らなさそう。

後方に広いスペースも会ってそこで雑魚寝でも良いかな。


「姐さんとルイスにお願いが・・。」

カインが暗い顔で寄ってきた。やっぱり高所恐怖症かー。気の毒だなあ。そう思っていると。

「姐さんとルイスの間に座ってずっと。。その。」

ん?私とルイスは首を傾げる。

「睨んだりして貰えたら空も怖くないと思うんです!」

呆れるが余りにも真剣な顔で言うので了承した。

「何それズルい!!」

クライスが唖然とした顔をしている。困った2人だ。


まあ、それは良いとしてだ。


「なあ、何で彼奴がいるんだ?」

私は1番後ろの端に既に座っている奴を指差す。


「ごめんね。ルナリー学校命令で。交流会に生徒会長が参加しないってのは不味いらしいんだ。」

王子が宥めてくる。

皆も不満そうにサイボーグ生徒会長を眺めている。キャサリンの時のあの態度がなあ。

「最初は国同士の交流会にしたかったんだけど。流石に難しくて教会を通して学校から交流って形にしたから。ねっ。ミサコンサートまで時間無いし。」

王子が必死で詫びるので許すしか無い。


「すみませんね。僕も着いて行きたくはなかったのですが。声楽科2年のケビン・フォワードです。」

生徒会長は顔色を変えず此方に向かって言った。

「僕の事は空気と思って頂いて良いですから。」

そう言って窓の外を眺め出した。


楽しい海外遠征の雰囲気が悪くなるじゃねーか。何とかしねーとなあ。

と、思っていたら出発。

重い空気をぶっ壊したのはカインだった。

「怖い怖い怖い!飛ぶっておかしいって!!!」


「落ち着けカイン」「大丈夫だから」


「無理!おりーるー!降りるって。空だよ?うーそーだー」

「怖いんだよお。怖いってばぁ。」

最初は皆、優しかったが上空に上がってしまってもカインは落ち着かない。

「カイン煩い」「カイン、黙りましょうか」

「カイン様、流石に煩いですねー」「降りませんよ耐えて」

段々と暴言となっていく。エミリアやジョージまで。笑えてくる。

「だって空だよ?上空だよ?」

私はルイスと顔を見合わせて頷く。仕方ない。やるか。


「カイン!うるせーんだよ。黙れ!」

私かガッツリと睨みつける。

「落ちねーよ!バカか?黙れや!」

ルイスが胸ぐらを掴んでガンを飛ばす。


狼狽えていたカインの頬が赤くなる。

「あっ。もっとお願いします。落ち着きました。」

私にはカインの思考の方が空飛ぶより怖いっす。


「良かったねー。カイン。」

王子も慣れたものだ。


そんな中、生徒会長が初めて驚愕な表情をしていた。

サイボーグも顔動くんだな。


「あー。生徒会長悪ぃ!カインはこう言うの好きなんだ。虐めている訳じゃねーから!」

危ない危ない。虐めと思われたら一大事。

「あっ。すみません生徒会長。飛行船怖いので、ルナリーとルイスにお願いしてるので。」

カインもフォローを入れてくれた。


暫くルイスと2人でカインを罵っていたら落ち着いてくれた。

「空も悪くないだろ?」

「姐さんとルイスが居たら大丈夫です。」

お陰で疲れたよカイン。。

何か気晴らしにやるかー。


「ルイス!後ろのスペースでトランプしよー!」

修学旅行ではないが学生のお供トランプ!!

「おっ!久々やるかー!」


「トランプやる人?!」

生徒会長以外は参加か。まーいっか。

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