ヤンキー乙女ゲームの主人公になる!虐め?上等!夜露死苦!

美浪

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断罪イベントをぶっ壊せ!③女の友情

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3人目の署名した女生徒が遂に概要を話した。

「貴女のお父さんの件で脅されたんでしょ?もうこの話はしちゃダメ。他の人に話したら会社をクビになるんだから!貴女も学校に通うお金がなくなるのよ?これで良かったの。もう忘れなさい。」

彼女は溜息を付いて苦渋の顔で去っていった。


「カイン!やったぜ!」

「なるほど会社をクビになるか。」

カインは腕を組み考え事をしている。

キャサリンに虐められていると署名しないと親をクビにするって脅しか。そりゃエミリアも誰にも言えなかっただろうな。言ったら父親に迷惑がかかる。

「僕、閃いたのでちょっと調べてきます。姐さん、今日はキャサリンの元へお見舞いに行ってください。皆に報告はしておきます。」

カインはフフフッと笑みを浮かべる。ドSもドMのカイン、どっちも嫌だ。。とは言えねーが。カインの言葉に甘えて私はキャサリンの家へ見舞いに行く事にした。



・・・・・・・・・・・・・・・




ベッドに寝転んで天井を見る。

私、何で主人公に転生しなかったのよって思った事もあったわ。

でも、自分で悪役令嬢を選んだんだ。

もう二度と虐められたくなかった。
次に生まれ変わる時は絶対虐められない人になりたいって思ってた。

権力者で美貌もあって婚約者も居て。でも、虐める側のキャサリンに生まれ変わるとはね。



トントントントン!ドアがノックされる。

「ごめんなさい。まだ起きたくないわ。」

メイドだろう?そう思い断りを入れる。

「キャサリン?私だ。無理か?」

ルナリーの声だ。

「入って!」

ルナリーは心配そうな顔で入ってきた。

「大丈夫か?こっちは署名した生徒から少し話を聞けた。」

「ありがと。ごめんね。」

私はベッドに腰掛けてルナリーに隣に座るように促した。



「犯人捜しは必ずする。でもお前に1つ言っておきたい事があるんだ。」


ルナリーは天井を眺めながら辛そうな顔をした。

「破滅フラグって言うんだよな。今回の事件。」

「そうね。破滅フラグからの断罪イベント。」


「私の責任なんだよなあ。」

ボソッとルナリーは呟いた。

「私さあ。この事件が解決したら。みんなとは距離を置こうと思ってる。と言うかもう誰とも絡まねえ。私が攻略対象者やキャサリンと仲良くすると事件が起きるんだろ?」

ルナリーは真剣な顔で私を見詰めてくる。確かにゲームではそうかもしれないけど。


「私は大丈夫だ。1人でもやって行ける。お前が幸せな人生を歩めるように私は出来る限りの事をする。だからこの事件が解決したらお別れだ!」

ルナリーはニヤっと笑った。


どう答えて良いか解らなかった。


「でもさあ、これだけは覚えといてくれ。」

ルナリーは再び真剣な表情になる。


「人生の主役は自分自身だからな!皆、産まれてきた環境も性別も顔も違う。自分より秀でた人が羨ましかったり妬ましかったりすると思う。」

「でも、命を授かった以上、みんな主役なんだよ!お前は自分は悪役令嬢と言うけれど!お前も主役!!以上!!」

あー。上手く喋れねー!とルナリーはブツブツ言っていた。


「バカ!」

ルナリーを怒鳴る。

「ルナリーこそルナリーの人生なんだから好きに生きなさいよ!」

ルナリーはうーんと首を傾げながら悩んでいる。

「でもさあ。婚約破棄とかなったら困るじゃん?」

だから距離置こうって言ってんのにとブツブツ。


「じゃあさぁ。お前が婚約破棄されたら王子をぶん殴ってムショ入るわ。」

でいいか?と首を傾げる。

思わず笑ってしまう。ルナリーなら本気でジェファーソン様を殴るだろう。そう言う人だから。

「ルナリーは私が本音で話せる相手だからずっと友達で居て欲しい。」

私、昔は人の顔色ばかり見てた。今は違う。

「おぅ!勿論だ!キャサリンの為なら敵はみーんなぶっ倒してやるからな!」

ルナリーは笑って言った。私の歌の才能を見出してくれたルナリー。音楽の楽しさを教えてくれたルナリー。

私はジェファーソン様と同じくらいこの子が大事なんだ。

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