ヤンキー乙女ゲームの主人公になる!虐め?上等!夜露死苦!

美浪

文字の大きさ
上 下
11 / 369

キャサリンと王子

しおりを挟む
どうしよう。ドキドキする。

ジェファーソン様は私の婚約者。でも、本当に嫌われているのよね。婚約者が居ても寄ってくる令嬢達、邪魔で仕方無かった。

王子との婚約者に相応しい元公爵家で現在は財閥令嬢。世間体では政略結婚と言われている。


「ジェファーソン様!お願いがありますの」

記憶を取り戻す前はもっと強引に話しかけたりしていた。学校から送って貰ったり(会話殆ど無かったけど)、パーティではいつも隣に居たわ。

でも、入学してから緊張してあまり話せずに居た。


「キャサリン?どうしたの?」

王子が笑顔で尋ねてくる。


「あの。その。私と文化祭コンクールに出て下さい!」

がばっと頭を下げた。顔を上げると王子はビックリしている。

「えーと?文化祭?」


「はい!ウェールズさんに誘われて、私がアルトでウェールズさんがソプラノで後はバートリー様とレイノース様が御一緒で」

必死で話した。王子はクスクス笑っている。

なんで?え?

「あはは。僕がピアノを弾けば良いんだね。あはは」

何故か王子は笑っている。

こんな笑ってるジェファーソン様は初めて見たかも。


「あの。私、、変ですか?」

何かしたんだろうか。

「変じゃないよ。大歓迎。文化祭頑張ろう」

「ありがとうございます。嬉しい」

ジェファーソン様と御一緒に文化祭コンクールに出られるなんてゲームでは有り得なかった。こんな素敵なイベントが起こるなんて。



・・・・・・・・・・・・・・・・・


僕はジェファーソン・ボードウェン。この国の第2王子だ。

王位は兄がいるし父が音楽が大好きなのでピアノにヴァイオリン、声楽と音楽漬けの日々を送って来た。


キャサリン・フラームは婚約者。悪い子では無いと思うんだけど彼女は音楽の才能が無い様でピアノも限界な感じでそれ以上に上手くなれるとは思えなかった。もう少し才能がある優しい人が理想だが仕方ないかと思っていた。

時折、僕に寄ってくる他の令嬢を睨みつけたりしている様だし。虐めらしき事もしている。見て見ぬふりはして来たがそろそろ落ち着いてくれたら良いんだけれど。


そう思っていたら学院に入学した頃から彼女が少し変わった気がした。

特に声楽科との合同実習。ウェールズさんは王子や地位の高い男性が苦手な様でキャサリンとパートナーになった。

連弾?一緒に歌う?

最初は驚いたが素晴らしいユニゾンだった。


キャサリンは歌の才能があったんだ!と思うと嬉しくなった。


今も文化祭コンクールに誘って来た。

ウェールズさんて友達が彼女の才能を発見してくれたんだ。

一生懸命、必死な顔で頼む彼女を見ていると可愛くて可笑しくて笑いが出てしまった


最近は人を睨みつける事も無くなっている様だし。

あー。あれは反抗期だったんだなあと思った。良かった、反抗期が終わってくれて。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

親切なミザリー

みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。 ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。 ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。 こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。 ‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。 ※不定期更新です。

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

わたしを捨てた騎士様の末路

夜桜
恋愛
 令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。  ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。 ※連載

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...