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二章「異世界に召喚された俺も当然少しは役に立ちたい」
10-1.天界にもぐりこんだ俺は当然勇者に出会う
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魔王城屋外練兵場。
ピャッ!ズダン!
ツルギの放った矢は数十メートル先の的に見事に命中した。
よく晴れた日の昼前。この日、ツルギは弓の訓練をしていた。最近は剣だけでなくいろんな武器を試している。
「上手いもんだね~。私は弓って苦手だな」
近くでしゃがみ込んでそれを見ていたアスタが、両手を頬にそえながら感心したようにそう言った。
「こっちに来てから初めて触るけど、案外できるもんだな」
「剣にしてもそうだけど、ここ最近初めて触ったにしては覚えが早いよね~」
「覚えがいいのは向こうにいた時からの長所だ……、よ!と」
言葉と共にはなった矢は、またも的に命中した。百発百中とはいかないがなかなかの精度だ。
「これなら実戦にも出られるんじゃない?」
「それは怖いけど、でもやるしかないんだよな」
「大丈夫だって。その時は私が守ってあげるから」
「ははは。年下の女の子に守られるってのも情けないな……」
その後は歩きながら撃ってみたり、転がした的を射抜いてみたり。
命中するたびにアスタが嬉しそうに歓声をあげるので、ツルギとしても練習に身が入る。結構単純な奴だ。
ゴーン。ゴーン。ゴーン。
さらに数本的を射った後、鐘が鳴り響いた。
「? 今の鐘はなに? まだお昼には早いよね」
アスタが首を傾げて尋ねる。彼女が来てからはまだこの鐘はなっていなかったか。
「ああ。これは四天王招集の鐘だよ。これが鳴ったら『寿限無寿限無』……、じゃなくて、謁見の間に集まらないといけないんだ」
「へ~。詳しいじゃん、センパイ」
「はは。どうもね。それじゃあ急いで謁見の間に行こう」
脇腹を肘でつつくアスタと、それを防御するツルギは速足で練兵場を後にした。
謁見の間。
ツルギとアスタが謁見の間に入ると、すでに到着していたフレアと、呼び出し主である魔王が出迎えた。
「集まったか」
玉座に座る魔王。四天王はその前の階段の下に整列する。アスタはフレアの隣に滑り込んだ。
全員が揃ったら、魔王が玉座から威厳たっぷりに立ち上がり、段を降りて三人と同じ高さに並ぶ。どちらかというとこちらがいつものスタイルだ。
「今日はツルギ君に仕事を頼もうと思ってな」
「なんですか、卵でも買ってきますか」
「ああ。後、牛乳も……。ではない、子供のお使いか」
玉座にいた時の威厳に満ちた顔を崩してノリツッコミをいれると、一つ咳払いをして、また表情を真面目なものに戻す。
「君にだな、天界に行ってきてほしいのだ」
「え。お使いにですか」
「それはもうよい! 一言で言うと……、スパイ、と言ったところか。あちらに潜入して勇者の弱点となるようなことを探ってきてほしい」
「スパイ……。ですか」
まるで映画のような単語にツルギはたじろいだ。アクションシーンや拷問シーンが頭に浮かぶ。
「何を考えているか知らんが、そう大したものではない。日帰りだし、ちょっと町の人にでも話を聞いてきてもらえればよい」
「あ、そういう……。でも、難しそうなことは変わらないですよ。俺にできるか……」
「そうだよ! 頼りないツルギくんより私が行った方がいいって」
ピョコピョコと跳ねながらアスタがつっかかる。フレアが頭をなでると騒ぐのはやめたが、それでもまだ不満顔だ。
「そうだな。ちゃんと説明しよう。まず、その辺の兵などの魔族を行かせるわけにはいかない。魔族と天界の人間は見た目は似ているが、見る者が見れば違いは分かってしまうからな。敵対している以上、穏やかにすまないことは想像に難くないであろう」
「なるほど……」
「それとアスタ君だが、君は『勇者の一族』として一応顔が割れているだろう。こちらに所属していることまではまだ情報が行っていないかもしれんが、それでも顔を知っている者がいれば厄介なことには変わりない」
「う、そっか」
「その点ツルギ君は異世界の人間だ。この異世界の人間というのは天界の人間と体のつくりがそう変わらないようでな。あちらにいてもばれることはないだろう。天界に対してはまだツルギの顔も割れてはいないはずだしな」
理解できたかね、といったん区切る。
筋は通っている。それが確かならこの魔界でツルギにしかできない仕事だ。しかし、だからこそツルギとしては不安に思うことも多い。
「でもここから天界ってかなり遠いですよね。行き帰りも一人はちょっと不安です」
「そうだろうな。だからこういうものを用意した」
魔王が懐から取り出したのは、きれいな石のついたペンダント。ツルギは差し出されたそれを手に取る。
「これは?」
「今回のためにフレア君が作ってくれた物だ。説明を頼む」
「はい」
フレアが説明のためにツルギに近寄る。
「こちらの石には『移動魔法』が込められています」
「移動魔法?」
「先の戦いで勇者が撤退するときに使ったものだな。離れた距離を瞬く間に移動できる魔法だ」
魔王が補足を入れる。確かにあの前線砦での戦いの時。囲まれた勇者は一瞬にして姿を消した。あれというわけだ。
「はい。勇者のようにいつでもどこにでもというわけにはいきませんが、これを使えば目的地まで行って帰ってくることが可能です」
「へー、俺でも使えるの?」
「大丈夫です。魔力はこの石に詰まっておりますので。あちらで帰りたくなったらこの石を強く握って帰りたいと強く願えばこの城に帰ってこれます。そうでなくても、安全のために日没になったら自動で発動し、帰ってこれます」
「それなら大丈夫そうだね」
「それと、いつものTシャツだと目立ってしまいますので、アスタさんに天界で流行りの服に似たものを選んでいただきました。こちらを着てください」
フレアの傍らにはこの世界で庶民に一般的に着られているような簡単な服。魔界ではむしろ目立つようにと元々着ていたものに似せて作られたものを常に着ていたが、潜入するには悪目立ちというものだ。
手早くそれらの服に着替え、護身用の剣を装備し、準備は万端だ。
「それではツルギさん。そろそろ出発ですが、そのペンダントはなるべく外さないようにしてください。帰れなくなってしまいますので」
「うん。分かった。じゃあ行ってくるよ」
「くれぐれも気をつけてな」
「無事に帰ってきてね!」
見送りの挨拶を交わすと、フレアがツルギの胸のペンダントに手を当てる。すると、魔力が満ち、ツルギの視界が大きくゆがむ……。
ピャッ!ズダン!
ツルギの放った矢は数十メートル先の的に見事に命中した。
よく晴れた日の昼前。この日、ツルギは弓の訓練をしていた。最近は剣だけでなくいろんな武器を試している。
「上手いもんだね~。私は弓って苦手だな」
近くでしゃがみ込んでそれを見ていたアスタが、両手を頬にそえながら感心したようにそう言った。
「こっちに来てから初めて触るけど、案外できるもんだな」
「剣にしてもそうだけど、ここ最近初めて触ったにしては覚えが早いよね~」
「覚えがいいのは向こうにいた時からの長所だ……、よ!と」
言葉と共にはなった矢は、またも的に命中した。百発百中とはいかないがなかなかの精度だ。
「これなら実戦にも出られるんじゃない?」
「それは怖いけど、でもやるしかないんだよな」
「大丈夫だって。その時は私が守ってあげるから」
「ははは。年下の女の子に守られるってのも情けないな……」
その後は歩きながら撃ってみたり、転がした的を射抜いてみたり。
命中するたびにアスタが嬉しそうに歓声をあげるので、ツルギとしても練習に身が入る。結構単純な奴だ。
ゴーン。ゴーン。ゴーン。
さらに数本的を射った後、鐘が鳴り響いた。
「? 今の鐘はなに? まだお昼には早いよね」
アスタが首を傾げて尋ねる。彼女が来てからはまだこの鐘はなっていなかったか。
「ああ。これは四天王招集の鐘だよ。これが鳴ったら『寿限無寿限無』……、じゃなくて、謁見の間に集まらないといけないんだ」
「へ~。詳しいじゃん、センパイ」
「はは。どうもね。それじゃあ急いで謁見の間に行こう」
脇腹を肘でつつくアスタと、それを防御するツルギは速足で練兵場を後にした。
謁見の間。
ツルギとアスタが謁見の間に入ると、すでに到着していたフレアと、呼び出し主である魔王が出迎えた。
「集まったか」
玉座に座る魔王。四天王はその前の階段の下に整列する。アスタはフレアの隣に滑り込んだ。
全員が揃ったら、魔王が玉座から威厳たっぷりに立ち上がり、段を降りて三人と同じ高さに並ぶ。どちらかというとこちらがいつものスタイルだ。
「今日はツルギ君に仕事を頼もうと思ってな」
「なんですか、卵でも買ってきますか」
「ああ。後、牛乳も……。ではない、子供のお使いか」
玉座にいた時の威厳に満ちた顔を崩してノリツッコミをいれると、一つ咳払いをして、また表情を真面目なものに戻す。
「君にだな、天界に行ってきてほしいのだ」
「え。お使いにですか」
「それはもうよい! 一言で言うと……、スパイ、と言ったところか。あちらに潜入して勇者の弱点となるようなことを探ってきてほしい」
「スパイ……。ですか」
まるで映画のような単語にツルギはたじろいだ。アクションシーンや拷問シーンが頭に浮かぶ。
「何を考えているか知らんが、そう大したものではない。日帰りだし、ちょっと町の人にでも話を聞いてきてもらえればよい」
「あ、そういう……。でも、難しそうなことは変わらないですよ。俺にできるか……」
「そうだよ! 頼りないツルギくんより私が行った方がいいって」
ピョコピョコと跳ねながらアスタがつっかかる。フレアが頭をなでると騒ぐのはやめたが、それでもまだ不満顔だ。
「そうだな。ちゃんと説明しよう。まず、その辺の兵などの魔族を行かせるわけにはいかない。魔族と天界の人間は見た目は似ているが、見る者が見れば違いは分かってしまうからな。敵対している以上、穏やかにすまないことは想像に難くないであろう」
「なるほど……」
「それとアスタ君だが、君は『勇者の一族』として一応顔が割れているだろう。こちらに所属していることまではまだ情報が行っていないかもしれんが、それでも顔を知っている者がいれば厄介なことには変わりない」
「う、そっか」
「その点ツルギ君は異世界の人間だ。この異世界の人間というのは天界の人間と体のつくりがそう変わらないようでな。あちらにいてもばれることはないだろう。天界に対してはまだツルギの顔も割れてはいないはずだしな」
理解できたかね、といったん区切る。
筋は通っている。それが確かならこの魔界でツルギにしかできない仕事だ。しかし、だからこそツルギとしては不安に思うことも多い。
「でもここから天界ってかなり遠いですよね。行き帰りも一人はちょっと不安です」
「そうだろうな。だからこういうものを用意した」
魔王が懐から取り出したのは、きれいな石のついたペンダント。ツルギは差し出されたそれを手に取る。
「これは?」
「今回のためにフレア君が作ってくれた物だ。説明を頼む」
「はい」
フレアが説明のためにツルギに近寄る。
「こちらの石には『移動魔法』が込められています」
「移動魔法?」
「先の戦いで勇者が撤退するときに使ったものだな。離れた距離を瞬く間に移動できる魔法だ」
魔王が補足を入れる。確かにあの前線砦での戦いの時。囲まれた勇者は一瞬にして姿を消した。あれというわけだ。
「はい。勇者のようにいつでもどこにでもというわけにはいきませんが、これを使えば目的地まで行って帰ってくることが可能です」
「へー、俺でも使えるの?」
「大丈夫です。魔力はこの石に詰まっておりますので。あちらで帰りたくなったらこの石を強く握って帰りたいと強く願えばこの城に帰ってこれます。そうでなくても、安全のために日没になったら自動で発動し、帰ってこれます」
「それなら大丈夫そうだね」
「それと、いつものTシャツだと目立ってしまいますので、アスタさんに天界で流行りの服に似たものを選んでいただきました。こちらを着てください」
フレアの傍らにはこの世界で庶民に一般的に着られているような簡単な服。魔界ではむしろ目立つようにと元々着ていたものに似せて作られたものを常に着ていたが、潜入するには悪目立ちというものだ。
手早くそれらの服に着替え、護身用の剣を装備し、準備は万端だ。
「それではツルギさん。そろそろ出発ですが、そのペンダントはなるべく外さないようにしてください。帰れなくなってしまいますので」
「うん。分かった。じゃあ行ってくるよ」
「くれぐれも気をつけてな」
「無事に帰ってきてね!」
見送りの挨拶を交わすと、フレアがツルギの胸のペンダントに手を当てる。すると、魔力が満ち、ツルギの視界が大きくゆがむ……。
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