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8-1.紅葉デート
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ちょっと肌寒くなってきた頃、瑞希から連絡が来て私達はすぐ近くの紅葉スポットに来ていた。夜の紅葉とやらで赤く染まった葉や、黄色く染まった葉が地上からの光でライトアップされている。
「ここデートスポットなんだって」
「そうなんだ」
周りにはカップルがいるもののそこまで人数は多くない。カップルの彼らと同じように私達も自然と恋人つなぎをしている。
「ねえ、瑞希は彼氏とか作らないの?」
歩きながら聞いた。周りのカップルは当然男女で私達のように女同士で手をつないでいる人は居ない。
「何言ってるの。作らないよ。私は何時までも桃香一択だから」
「そう?」
「信じてないなあ」
瑞希も他の人達と同じようにいつか彼氏を作るのだろう。こう言ってる私もいつかは他の人達と同じように結婚して家庭を持つのかな。
「人の気持ちは何時までも同じとは限らないから」
「そんなこと言ってたら何も楽しめないよ。いつかは私達も離れるかもしれないけど、今は一緒に居るんだから、楽しもう」
それもそうか。
「そういえばなんで紅葉見に来たの?」
「ここデートスポットって言ったじゃん。駄弁りながらだらだらするのが目的だよ」
「家でも良い気がするけどね」
「それだと寂しいじゃん」
分かれ道が来た。
片方は大通りに向かう道で、先には巨大な広場が有ってベンチも沢山置かれている。客層も家族連れが多くて、穏やかな顔をしたカップルが多い。
もう片方は少し薄暗くて、家族連れはほとんど居らず何処か赤めいた顔をしたカップルが多い。
ようは公共の場と、乳繰り合う場所の境目なのだろう。私と瑞希は迷いなく薄暗い方に向かっていった。
「桃香って将来は何になるの?」
「考えたことないなぁ……強いて言えば会社員?」
私の答えに瑞希が笑う。
「ふふふ、会社員って。もっと大きい夢は無いの?」
「あの家を出れるならもう何でもいいよ。そうなると手っ取り早いのは普通の会社員かなって」
「そういう瑞希は何になるの?」
「私はね、何か医療関係の場所に行きたいなって」
「なんでまた」
今まで一緒に過ごしてきたけど、そんな高尚な考えを持ってたなんて思ってもいなかった。
「だって人の命を助けたり、生活を守る仕事だよ。なんだか楽しそうじゃん」
「そうかな? 辛いだけみたいなのも見るけど」
「どの仕事もそうだと思うよ。だから行きたい場所に行かないと面白くないじゃん」
行きたい場所ね……
「仕事で行きたい場所は無いけど、北海道とか、沖縄とか、端っこの方には行ってみたいな」
「それは両極端すぎて論争になるよ。でもわかるよ。私もどっちかには行きたい」
「修学旅行って何処だっけ?」
「スキーとかじゃない? 先輩達の話を聞いた人だと数年間そこで固定されてるんだって」
薄暗い中、空いているベンチを見つけて座る。目を凝らせば薄暗い中、男女で組み合っているカップルが見えた。要はそういう所なのだここは。
いい雰囲気になったカップルがホテルにも行かず青空の中やり合う場所。敢えてなのかここの証明は少なくなっているし、警備の人達も分かっているのかあまり近づかない。
「こういう場所まで来たのは初めてかも」
「噂では聞くけど、わざわざ1人で来ようとは思わないからね」
「じゃあ、まずは立って」
「うん」
私は瑞希に言われた通りベンチから立つ。命令されたからって罰も無いし、従う必要は無いけれど私も瑞希もそれを望んでいるのだからしょうがない。
「言われた通り夕方からトイレには行ってないよ」
お腹にある膀胱には別に急いではないけれどいつもだったらトイレに立つぐらいのおしっこが溜まっている。
「じゃあパンツも見せて?」
「う、うん」
薄暗いし、周りもそう言った行為をしているとは言えやはり外でパンツを外に出すのは恥ずかしいけれど、これも瑞希の命令だから仕方がない。
履いていたスカートを手で捲る。下にはパンツ以外に何も履いていない。そういう命令だから。
普段絶対に外に出ない部分が外に出て、秋の風に煽られて少し寒気がした。
後ろ側にスカートが寄って瑞希の目の前に私の履いてるパンツと、股関節と、太ももを見せびらかす。
「水色なんだ」
履いているのは水色。特に何の変哲もないどこの店にでも売っている薄手の女子用水色のパンツだ。
瑞希は何を思ったのかたくし上げているスカートの中に頭を入れて、匂いを嗅いでいるようだ。
「何するの?」
「うーん、桃香のいつもの匂い」
そんなことを言われてて恥ずかしくない人はこの世に居ないだろう。私も例外ではなくて顔が熱くなるのを感じた。
「でもちょっと薄い? 新品なのかな」
「そうだよ。せっかくなら綺麗なものを見せたかったから」
少し前に買った新品の綺麗なパンツ。こういった場面なのにわざわざ使い古されたものを着るわけには行かない。
「いつものでも良かったのに」
「私が嫌なの」
瑞希は匂いを嗅ぐのをやめると、手に持った荷物からなにか紐のような物を取り出した。
「それは?」
「スカートで隠したらもったいないよね。でも漏れるまでずっと手で持ってるのも辛いだろうし」
慣れた様子で瑞希は捲ったスカートを結んでいく。あっという間に後ろから見れば普通のスカートなのに、前からみると太ももからパンツまで丸見えの格好になってしまった。
風がもろに股関節と足の付根の間を通っていく。冬ではないと言え普通なら暖かい場所が寒いのはかなり辛い。
主に尿意的な話で。
膀胱というものは寒さで縮んでしまうようで、やっぱり暖かい気温のほうが我慢ができる気がする。その点この格好は結構寒くて辛い。
ブルッ
「ちょっと寒くない?」
尿意が高まったのと寒さで体が勝手に震えたのを誤魔化しながら瑞希に言う。
「それも良いんじゃない?」
特に気にしていないようで今度は私の後ろに回って私の手首を紐で結び始めた。手と手が紐で結ばれて手首が後ろで動かせなくなる。
「せっかく漏らしてくれるのに、反射的に隠しちゃったら仕方がないからね」
「……」
そうして瑞希の目の前にはスカートの前側をたくし上げた状態で結ばれて水色のパンツと太ももを外に出し、手を後ろで拘束された1人の少女が作り出された。
「外でこんな格好って、結構やばくない?」
「他の人もやってるよ」
瑞希が指差す方をみると、盛り上がってきたのかパンツを足首までずらして男が跨っている場面が見えた。
「あれに比べればなんてことないよね」
「そうかな?」
………
「ほら、あの人はどうでもいいから!」
顔を瑞希の方に向けられる。
「しばらく話そ! この前の小テストの結果どうだった?」
下半身に通る秋の風と、寒さでぐんぐん上がってくる尿意が気になるけど、瑞希とももっと話したい。
「結構いい感じだった。課題は歴史。過去から学んだところで今を生きてるのに」
「歴史ねえ……外国人との話の中で地雷を踏まないために必要とか聞くね。桃香が得意なのは数学だっけ?」
「そうだよ。会社員も経理関係で行きたいけど、私みたいな人も多いから倍率が高そうで」
「頭良いんだ。私ももっと勉強しなきゃね」
「ここデートスポットなんだって」
「そうなんだ」
周りにはカップルがいるもののそこまで人数は多くない。カップルの彼らと同じように私達も自然と恋人つなぎをしている。
「ねえ、瑞希は彼氏とか作らないの?」
歩きながら聞いた。周りのカップルは当然男女で私達のように女同士で手をつないでいる人は居ない。
「何言ってるの。作らないよ。私は何時までも桃香一択だから」
「そう?」
「信じてないなあ」
瑞希も他の人達と同じようにいつか彼氏を作るのだろう。こう言ってる私もいつかは他の人達と同じように結婚して家庭を持つのかな。
「人の気持ちは何時までも同じとは限らないから」
「そんなこと言ってたら何も楽しめないよ。いつかは私達も離れるかもしれないけど、今は一緒に居るんだから、楽しもう」
それもそうか。
「そういえばなんで紅葉見に来たの?」
「ここデートスポットって言ったじゃん。駄弁りながらだらだらするのが目的だよ」
「家でも良い気がするけどね」
「それだと寂しいじゃん」
分かれ道が来た。
片方は大通りに向かう道で、先には巨大な広場が有ってベンチも沢山置かれている。客層も家族連れが多くて、穏やかな顔をしたカップルが多い。
もう片方は少し薄暗くて、家族連れはほとんど居らず何処か赤めいた顔をしたカップルが多い。
ようは公共の場と、乳繰り合う場所の境目なのだろう。私と瑞希は迷いなく薄暗い方に向かっていった。
「桃香って将来は何になるの?」
「考えたことないなぁ……強いて言えば会社員?」
私の答えに瑞希が笑う。
「ふふふ、会社員って。もっと大きい夢は無いの?」
「あの家を出れるならもう何でもいいよ。そうなると手っ取り早いのは普通の会社員かなって」
「そういう瑞希は何になるの?」
「私はね、何か医療関係の場所に行きたいなって」
「なんでまた」
今まで一緒に過ごしてきたけど、そんな高尚な考えを持ってたなんて思ってもいなかった。
「だって人の命を助けたり、生活を守る仕事だよ。なんだか楽しそうじゃん」
「そうかな? 辛いだけみたいなのも見るけど」
「どの仕事もそうだと思うよ。だから行きたい場所に行かないと面白くないじゃん」
行きたい場所ね……
「仕事で行きたい場所は無いけど、北海道とか、沖縄とか、端っこの方には行ってみたいな」
「それは両極端すぎて論争になるよ。でもわかるよ。私もどっちかには行きたい」
「修学旅行って何処だっけ?」
「スキーとかじゃない? 先輩達の話を聞いた人だと数年間そこで固定されてるんだって」
薄暗い中、空いているベンチを見つけて座る。目を凝らせば薄暗い中、男女で組み合っているカップルが見えた。要はそういう所なのだここは。
いい雰囲気になったカップルがホテルにも行かず青空の中やり合う場所。敢えてなのかここの証明は少なくなっているし、警備の人達も分かっているのかあまり近づかない。
「こういう場所まで来たのは初めてかも」
「噂では聞くけど、わざわざ1人で来ようとは思わないからね」
「じゃあ、まずは立って」
「うん」
私は瑞希に言われた通りベンチから立つ。命令されたからって罰も無いし、従う必要は無いけれど私も瑞希もそれを望んでいるのだからしょうがない。
「言われた通り夕方からトイレには行ってないよ」
お腹にある膀胱には別に急いではないけれどいつもだったらトイレに立つぐらいのおしっこが溜まっている。
「じゃあパンツも見せて?」
「う、うん」
薄暗いし、周りもそう言った行為をしているとは言えやはり外でパンツを外に出すのは恥ずかしいけれど、これも瑞希の命令だから仕方がない。
履いていたスカートを手で捲る。下にはパンツ以外に何も履いていない。そういう命令だから。
普段絶対に外に出ない部分が外に出て、秋の風に煽られて少し寒気がした。
後ろ側にスカートが寄って瑞希の目の前に私の履いてるパンツと、股関節と、太ももを見せびらかす。
「水色なんだ」
履いているのは水色。特に何の変哲もないどこの店にでも売っている薄手の女子用水色のパンツだ。
瑞希は何を思ったのかたくし上げているスカートの中に頭を入れて、匂いを嗅いでいるようだ。
「何するの?」
「うーん、桃香のいつもの匂い」
そんなことを言われてて恥ずかしくない人はこの世に居ないだろう。私も例外ではなくて顔が熱くなるのを感じた。
「でもちょっと薄い? 新品なのかな」
「そうだよ。せっかくなら綺麗なものを見せたかったから」
少し前に買った新品の綺麗なパンツ。こういった場面なのにわざわざ使い古されたものを着るわけには行かない。
「いつものでも良かったのに」
「私が嫌なの」
瑞希は匂いを嗅ぐのをやめると、手に持った荷物からなにか紐のような物を取り出した。
「それは?」
「スカートで隠したらもったいないよね。でも漏れるまでずっと手で持ってるのも辛いだろうし」
慣れた様子で瑞希は捲ったスカートを結んでいく。あっという間に後ろから見れば普通のスカートなのに、前からみると太ももからパンツまで丸見えの格好になってしまった。
風がもろに股関節と足の付根の間を通っていく。冬ではないと言え普通なら暖かい場所が寒いのはかなり辛い。
主に尿意的な話で。
膀胱というものは寒さで縮んでしまうようで、やっぱり暖かい気温のほうが我慢ができる気がする。その点この格好は結構寒くて辛い。
ブルッ
「ちょっと寒くない?」
尿意が高まったのと寒さで体が勝手に震えたのを誤魔化しながら瑞希に言う。
「それも良いんじゃない?」
特に気にしていないようで今度は私の後ろに回って私の手首を紐で結び始めた。手と手が紐で結ばれて手首が後ろで動かせなくなる。
「せっかく漏らしてくれるのに、反射的に隠しちゃったら仕方がないからね」
「……」
そうして瑞希の目の前にはスカートの前側をたくし上げた状態で結ばれて水色のパンツと太ももを外に出し、手を後ろで拘束された1人の少女が作り出された。
「外でこんな格好って、結構やばくない?」
「他の人もやってるよ」
瑞希が指差す方をみると、盛り上がってきたのかパンツを足首までずらして男が跨っている場面が見えた。
「あれに比べればなんてことないよね」
「そうかな?」
………
「ほら、あの人はどうでもいいから!」
顔を瑞希の方に向けられる。
「しばらく話そ! この前の小テストの結果どうだった?」
下半身に通る秋の風と、寒さでぐんぐん上がってくる尿意が気になるけど、瑞希とももっと話したい。
「結構いい感じだった。課題は歴史。過去から学んだところで今を生きてるのに」
「歴史ねえ……外国人との話の中で地雷を踏まないために必要とか聞くね。桃香が得意なのは数学だっけ?」
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