とある令嬢は愛されることが理解できない

本編

6. 始まる学園、イベは回収。

　ごきげんよう皆様。本日はお日柄もよく、新学期を迎える私たちへの祝福のようですわね。

　え？祝辞みたいですか？いいえ、代表挨拶ですわ。


「…ルーボレラ公爵家、および学園の全生徒を代表いたしまして挨拶とさせていただきます。高等部第二学年第一学級、レイチェル・ルーボレラ。」


　舞台袖ではシューベック殿下も控えております。この後皇太子としてのご挨拶がありますので。

　そして私は見つけてしまいました。学園で高い人気を誇る男性教員に纏わりつく阿婆擦れを。

　なんともまあ、はしたないですわ。教員は教員であしらっていますが、隣国の王女ですからねぇ…

　下手に刺激しては国交問題になり得る可能性もございますわ。


「Mr.セドリア。仕事に戻って構いません。サラ・トロワ第六王女殿下は私がおもてなしいたします。」

「はい、ルーボレラ嬢。素晴らしい挨拶でした。」

「あら、Mr.セドリアもなかなか素晴らしいご挨拶・・・でしたわよ。」

「ははっ、相変わらずですね。」

「数週間で性格を取り替えれるものならしてみたいものですわ。それよりもMr.？お時間はよろしくて？」

「いけない、私としたことが。感謝するよ、ルーボレラ嬢。」


　感謝とは時間のことでしょうか、それとも王女かしら？

　まあ、どちらもですわよね。

　なんとまあ、見た目はゲームと同じピンクブロンドの髪に程よく日に晒したような肌色、華奢な体躯を飾る控えめなドレス。

　男性受けでも狙ったんでしょうね。

　それでもまあ確かに、これは男が堕ちるのも頷けますわ。

　しっかりと警戒いたしましょう。