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本編

2. セコムとストーカー

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 さて、着替えましたわ。食堂に向かうのですが、来てしまいましたね。ストーカーが。


「レイチェール!!おはようレイチェル、我が可愛い孫娘。今日も美しいな、レイチェル。」

「おはようございますお爺様。本日は殿下からお茶会へご招待いただいておりますの。もちろん、2人でと書いてありましたわ。お爺様はお留守番していてくださいませね?」

「むっ!レイチェルが言うのなら… いや、しかしだな…」

「父上、今日は勘弁してやってください。」

「トルタナよ、お前は殿下にレイチェルがとられても良いと言うのだな…?」

「違いますよ爺様。父上はここで引き止めてレイチェルから嫌われたくないのです。」

「お父様、フィン兄様、おはようございます。お二人なら私の気持ちを分かってくださると思ってましたわ。」

「俺だってレイチェルの気持ちを理解することはできるぞ。」

「あら、ジョー兄様!ご覧になって!本日はジョー兄様に頂いたパールのネックレスをつけてみましたの!」

「すごく似合ってる。」


 あら、ジョー兄様の蕩ける微笑みを頂いてしまいましたわ。

 溺愛されることを理解はできないけれど、前世で推しに推していたキャラたちですもの。

 嫌いになんてなれませんし、むしろとっても心地が良いのです。

 けれど、兄様や弟たち、それに殿下には幸せになって欲しくて…

 私、一体どうすれば良いのでしょう?


「「姉様っ!おはようございます!」」

「おはよう、ミィ、ルゥ。」

「あっ!そのネックレスはジョー兄様がプレゼントされた物ですねっ?!今度はミノアがプレゼントしますっ!」

「いいえ、姉様!ルノアが防御魔法たっぷり詰め込んだ綺麗なネックレスをプレゼントしますっ!!」

「ありがとう、2人とも。でも無理はしなくて良いのですよ?」

「「無理などしていませんっ!!」」


 ムキになった双子の可愛さたるや…

 ああ、これだから私は悪役になれないのです…

 何が正解なのかしら…


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