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どうしてこうなった編
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しおりを挟むその紙には私に舞い込んだ縁談のお相手の名前と、その方が受けた仕打ちが記されていた。
カイン兄様は私の縁談を尽く反対し、縁談が取りやめになったあとも相手一家の揚げ足を取り続け、我がモルフェス公爵家の駒として接していたのだ。
我が兄ながら何たる愚行なのかしら。恥ずかしいったらないわ。
「いい機会ですし、カイン兄様と距離を取る為にもネツィア女学院への入学を認めていただきたいですわ。」
「の、ノア!考え直してくれまいか…?カインの愚行に目を瞑る訳にはいかんが、それとは別に父も寂しいのだ。ノア、父の元にいてはくれまいか?」
「あら、それもそうですわね。しかしプロミネアアカデミーに入学するのであれば、私は入寮いたしますわ。」
「そんな!ノア、お願いだ、そんなことは言わないでくれ!兄はノアが心配なんだよ。以前のように攫われたりしないかって。一人にしたくないんだ。」
「それなら縁談を断る必要はなかったでしょう?モルフェス公爵家にとって決して悪い話でもありませんのに。理不尽ですわ。」
「ノア、ノアに舞いこんでいた縁談はどれも少しずつモルフェス公爵家を貶めかねないものだったんだよ。」
「…シュノ兄様?」
「そのリストに載っている家はどこも金目当てでね。うちに多額の持参金を請求するところが多かったんだ。中には現当主がノアを好き者にしようとしていた家もあったよ。」
その言葉を聞いた途端、震えが止まらなくなっていた。
やはり男性とは怖いものなのだろうか。カイン兄様やお父様、それにシュノ兄様がいなければ、私は将来どんな目に遭っていたのだろう。
完敗だ。大人しくカイン兄様の要望を呑むしかない。
ああ、憧れのネツィアンヌよさらば…
あの可愛い制服が着たかった…!!
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