希望職種モブって言わなかったかしら？

どうしてこうなった編

3

　次に目が覚めた時は、見慣れた部屋にいた。

　ふかふかのベッドにたくさんのぬいぐるみ。ベッド脇の本棚には所狭しと絵本が並べてある。

　ふと、「王子様」の文字が目に入り、一冊の絵本を手に取る。

　すると、どういうことか震えが止まらなくなり、表紙に映る王子様らしき絵を見ると「怖い」という感情が出てくる。


「いやっ！いやっ！こないでっ！！」


　とうとうあの執事の幻覚まで見えはじめ、私は絵本を投げ捨てた。

　大きな音が出てしまったからなのか、廊下に続くドアから沢山の足音が聞こえる。

　だんだん近づいてきたと思ったら、勢いよく扉が開けられた。


「ノア！！！目が覚めたんだね！よかった、もう大丈夫だからなっ！！」

「っ！！やっ！こ、こないでくだしゃい！いやでしゅ、いやでしゅっ！！！」

「の、ノア？僕だよ、カインだよ？ほら、いつもみたいに、抱っこしなくていいの？！」

「いや！いやぁぁぁぁぁ！！！！」

「ノア…！？何があった！？カイン、どうしたんだ！」

「わからない、、、、ノアが、僕を、拒絶…？！」

「こ、こないで、こないでぇぇ！！」

「ああ、ノアージュ、とても怖い目にあったのね、もう大丈夫。ここはあなたのお部屋よ。母もここに居ますからね。」

「お、おかあ、さま？」

「ええ、そうよ。男たちには出て行ってもらいましょうね。貴方達、ノアが怯えてしまうわ。でて行ってちょうだい。」

「「母上！」」

「ノアのためよ、カイン、シュノ。分かるわね？」

「「はい…」」


　どうやら、男性がダメになってしまったらしい…