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後輩 × 先輩
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しおりを挟む17時15分、待ち合わせ場所に着くと案の定先輩はまだ来ていなかった。
後輩として時間よりも早く着くのは鉄則なので気にしないが、なんだか少し緊張する。
実は、先輩とは度々ご飯に行くのだが、先輩の私服を見るのは今日が初めてだ。
入部したての頃、他の3年生が隼翔先輩の私服を見たと話していたときに勃起していたのを見てドン引きしてからは、絶対に私服を見ないようにしようと休日の誘いを断っていたのだ。
まあ、これからは俺たち2年が中心となって部を引っ張るわけだし、今まで以上に忙しくなる事が予想されるから、こんな風にご飯に行けるのも今日が最後かもしれないので、最後くらいは私服を見てみたいと思ったのだ。
「悪りぃ、爽真お待たせ!」
待ち合わせぴったりに到着した先輩に声をかけられたので振り向くと、そこにはまさに目に毒状態の先輩がいた。
元々顔が整っている先輩は、校内でも人気が高く、目立っていたのだが、私服になるともっと目立つようだ。
「何々?そんな見つめて惚れたか?」
「惚れはしませんが、先輩ってほんと美形ですよね。ムカつきます。」
「はい、今傷付きましたー。隼翔先輩泣いちゃーう。」
「よくその台詞を棒読みで言えましたね。褒めてあげましょうか。」
「お前まじいい性格してんな!」
ふははっと目尻にシワを寄せて笑う姿は、周りの女性を釘付けにしていた。
うちの野球部は特に邪魔にならなければ坊主にする必要もないので、隼翔先輩も俺もそこらの男子高校生と変わりない髪型をしている。
それなのに、隼翔先輩となるとどうもモデルのように見えてしまうらしい。
身長は180超えだし、顔も掘りが深い。言ってしまえば男前の化身だ。
服のセンスに関しても部内でトップクラスで、今日だってグラデーションの効いた薄手のシャツは襟刳りが大きく開いているし、その下にはタンクトップの肩紐が覗いている。
脚を中心に鍛えていた先輩だが、腿は太すぎず細すぎない、綺麗な筋肉を維持しているから、ブラックのダメージスキニーを履いても違和感が無い。
さりげなくレザーアクセを散らしてくるところとかほんとむかつく。何この人イケメンかよ。
「にしてもあっちぃな~!溶けそう。」
「何言ってんすか、溶けるも何もアンタ固まる要素ないでしょ。」
「それを言っちゃおしまいだね。これでも俺キャプテンよ?」
「今日から佐久間に代替わりしたでしょ。それより飯どこ行くんすか。」
「わーお、もしかして爽真を選ばなかったのすねてんの?」
「は、な訳ないでしょ。決めないならいつものとこ行きますよ。」
「あー、待って待って。今日は俺の家でゆっくりしねぇ?一人暮らしだし、俺が作ってやんよ。」
「はぁ、要するに金欠ですか?」
「あ、バレた?さっきは奢ってやるよーとか言ったけど実際俺が作ってやるよーのニュアンスだったし、間違いではないよな!」
「全然違うでしょ。それより食材はあるんすか?」
「ある程度はな。あ、でもスーパー寄ろうぜ。アイスとかねーから買ってこ。あとお泊まりセットも!」
「なんで泊まり確定なんすか。」
「んー?いろいろ♡」
意味、分かんね。
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