少女は異常

信愛殺愛

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喜び

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少女の名前は天上天狐
少女は生まれながら2つの病を煩わっていた、

1、「超記憶症候群」名前の通り記憶力が非常に高いという病だ、その記憶力はパッと見景色を細部まで言い当てれるくらいの記憶力だ、そしてその記憶は忘れることは無い。

2、「スーパー暗算」暗算能力、学習能力が高くなる病である。

この2つ病を抱えて生まれてきた天狐は生後3日で言語を理解し、自分の立場を理解した。

自分が貧乏な家に生まれたこと
自分が可哀想な人間だということ

天狐が両親の住むアパートに連れてこられ赤ん坊として両親のもと生活が始まった。

天狐の親は母が働き父はバイトをしていた、あまり多くないお金でやりくりしているようだ。

初めの2週間はよかった。
クーイングをすればミルクが貰えたりオムツを変えてもらえたりした。

1ヶ月後にはそうではなかった。
ミルクは日に2、3回オムツは夜に1回変えるだけであった。
天狐は思った、自分は愛されていないのだと。

生後9ヶ月で歩けるようになりる。

ちょうど天狐が歩けるようになった頃母が務める会社が倒産した。

両親は酒に溺れ天狐に強く当たり始めた。
生後10ヶ月、体には痣が沢山現れていた
見るだけで痛く感じる。
その頃から天狐は時々外に出されるようになった。
今日は帰ってくるななどと言われ無理やり外に出される、コンクリートが冷たく足から体に寒さが伝わってくる。

天狐は歩き出す、小さな体で目的の場所まで歩く

天狐が向かった先は図書館だ。
アパートから500mくらいの所にある
天狐がこの図書館を知ってるいるのには理由がある2ヶ月前に外から聞こえたのだ、女の子と母親の仲の良い会話が。
親子は嬉しそうに笑いながらこの道を歩けば図書館につくよ、そうなの~。などと話していた。

天狐はそれを頼りに、冷たい道を裸足で歩いたのだ。

天狐は重いドアを開け図書館の中に入った。
受け付けには若い女性がいたが、こちらに気がついていないようだった。
天狐は構わずに本をめくっていった。

それから2年と2ヶ月、天狐はいつものように痣や傷だらけの体で図書館に向かい時間が経つとまた家に戻っていく。

家に帰るといつもなら天狐を睨む両親が倒れていた、倒れた両親の隣にはお酒やタバコの箱が、タバコの箱から数本流れ落ちている。
天狐は近くに倒れていた母の首に手の平を当てる、
「死んでる」
続いて父の首にも同じように手の平を当てる
「こっちも死んでる」
天狐の反応は少女らしからぬ反応だった。
天狐の死んだ目は少し光が灯り、口角が少しほんの少しだけ上がったことに天狐自身気が付かなかった。
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