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白と色
白と色(過去)
しおりを挟む第一章 白と色
感崎沙織――小学校2年生まではごく普通の女の子だった。
笑顔で友達とお喋りをして外で追いかけっこをして遊ぶ可愛げのあるごく普通の女の子だったのだ。
だが、あの日を境に神崎沙織は感情とともに髪の色がなくなかった。
あの日、神崎沙織は浮ついていた、二年生最後の通知表を見て自然と口の端が上がり顔が紅潮した。そんなときに放送がかかった
ピーンポーンパーンポーン
「ただいま不審者が校内を徘徊中、生徒の皆さんは先生の指示に従って行動してください」
校長先生の言葉に学校全体が騒ぎ出す。
泣き出す者や、怒り出す者、走り出す者までいた、神崎沙織は顔の紅潮が静かに引いていきゆっくりといつものように椅子に座って平静を装う事しかできなかった。
神崎沙織の担任は事態について行けずに頭を抱えて縮こまっている。
そんな中教室のドアが思いっきり開く音がして反射的に顔がそちらを向いてしまう。
入ってきたのは例の不審者の男だ、手にはナイフを握っており今にも人を殺しそうな顔をしている。
「騒いだりしたら殺す、抵抗したら殺す、わかったら地に伏せろ」
男はそう言うと十数えだした
男の指示に例外の1人を除いた全員が従った、例外の1人神崎沙織は顔の向きを変えず男を見る
「おい!聞こえなかったのかガキ」
神崎沙織に男の声は届いていた、だが恐怖で身体が動かなかったのである。
男は沙織に近づき胸ぐらをつかんで立ち上がらせる
「ハッ、怖くて何も喋れねぇのか」
沙織は何も言わず何も行動をとろうともしない
苦しがる様子も見せない、
十五秒ほどして男は沙織の肩にナイフを刺す
「こいつ人間なのか?」
男は独りごちる
なぜなら沙織は肩にナイフを刺されたにもかかわらず騒ぎも泣きも市内のだ。
男はナイフを抜き取る、すると沙織の肩から赤い血がどばどばと流れていく。
そして沙織に変化が現れる、腰まである黒色の髪が真っ白の絹のように変化にしたのだ。
そして次の瞬間沙織の髪型はボブ、色は赤色に変わる。
「いった~、ナイフって刺されると痛いんだな」
沙織と思われる少女は肩をさすりながら感情豊かに言葉を口にする。
「ガキ、死にたくなかったら地に伏せろ!」
男はナイフを引き抜いてからずっとナイフについた血を目を光らせて眺めていた。
赤色の沙織と思われる少女は左肩を右手で押さえながら男を見て一言
「燃えろ。灰すら残さぬ灼熱に包まれて死ね」
そう言うと髪が腰まで伸びて色が真っ白になっていく
教室に駆けつけてきた他クラスの先生は皆目をこすって頬をつねる
何せ教室には直径2メートルの炎の球体が不自然にあるのだから
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