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3章 機械の国
久々のコミュニケーション(回想)
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日本人と出会って5分後、俺は気持ちが高揚して今までに無いような幸福に満たされた。もともとコミュニケーションを取りたかったが取れなくてぼっちだっただけで別に話したくない訳じゃ無いので心の底から有り難みを感じていた。
日本語が通じるならばこの世界で気になっていた事だって恥を知らずに聞けるということだよな?と、いうわけで質問タイム。
「貴方の名前は何ですか?ちなみに私は草野誠という至って普通の人間です。」
「僕の名前はこの世界ではjfoeldbcowkkxとなっていますが、日本では山頭健という名前で日常を送っていました。」
「それでは二つ目。どうしてここに居るのですか?少なくとも普通の人ならこの世界自体の存在を知らない事が大多数ですよ?」
「それはこちらの台詞ですよ。貴方に同じ問いをかけるつもりでしたが・・・少なくとも私は魔王を討伐しろと、成人式のおめでたい式の飲み会の真っ最中に言われました。」
あ、これは長くなるな。直感的にそう思った。
「僕、健は飲み会の席で中学時代の友人らと初めてビールを飲みながら思い出話に花を咲かせていたんです。中学時代の恋愛とか、部活、今日来ることが出来なかったクラスメートの現状とか、全く会っていなかったら喋る内容が話しきれない程湧き出てくるんですね。初めてその感覚を体で味わいましたよ。」
あっ、こいつリア充だ。少なくとも陽キャの部類だ。本来ならば「爆発しろ」とか言うのが俺だが命を救ってもらった恩人であり、話し相手となってくれている相手であり、何より権力がある相手には下手に出ると命知らずとなって死後馬鹿にされるだろうから、失礼な事は言えない。というか、口を出す暇も無く話し続ける。
「突然目の前が真っ暗になり、話している声が消えたんです。音楽をイヤホンで聴いていると回線が切られたりするのと同じ感覚だと思います。そして後光が差している人間のような形が一瞬見え、真っ白の部屋にワープさせられていました。この場所で白髪のご老人と出会い、ある能力を持ってこの世界に魔王を倒せと命令されました。当初は混乱し、友人らの幻影を探し回っていましたよ。まあ、そんな気はさらさら無かったんですけどね。」
良かった、同類がいた。だが能力とは何だろう?
「事前にご老人に質問を繰り返していたのが功を奏したのでしょう。
一つ目はどんな言語を完璧に読み書き聞きができる能力。魔王なんてファンタジーな世界観には日本語は使われていないと仮定したため、念のためつけてもらえました。これにはやる気を感じ取れたのかご老人はにんまりといい笑顔で微笑んでいました。
二つ目は話している相手の心を読み取る能力。魔王や敵と対峙した場合に有利に状況を進められると判断したからです。ご老人も若干嫌そうな顔をしながら追加していました。ちなみに言うと今さっき貴方(リア充爆発しろ)と思っていたのも知っていますよ。」
バレていたのか。これは仕返しが来そうな予感がする。
「大丈夫ですよ。今のところは。
三つ目は地位を手に入れることですね。一番早く資金を集めて装備を整えられますからね。今回の場合はご老人はアホを見る目で追加していました。」
最初の一文が妙に引っかかったが・・・わかったことはこいつは頭が相当良いということだ。天才じゃないか?
日本語が通じるならばこの世界で気になっていた事だって恥を知らずに聞けるということだよな?と、いうわけで質問タイム。
「貴方の名前は何ですか?ちなみに私は草野誠という至って普通の人間です。」
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「それでは二つ目。どうしてここに居るのですか?少なくとも普通の人ならこの世界自体の存在を知らない事が大多数ですよ?」
「それはこちらの台詞ですよ。貴方に同じ問いをかけるつもりでしたが・・・少なくとも私は魔王を討伐しろと、成人式のおめでたい式の飲み会の真っ最中に言われました。」
あ、これは長くなるな。直感的にそう思った。
「僕、健は飲み会の席で中学時代の友人らと初めてビールを飲みながら思い出話に花を咲かせていたんです。中学時代の恋愛とか、部活、今日来ることが出来なかったクラスメートの現状とか、全く会っていなかったら喋る内容が話しきれない程湧き出てくるんですね。初めてその感覚を体で味わいましたよ。」
あっ、こいつリア充だ。少なくとも陽キャの部類だ。本来ならば「爆発しろ」とか言うのが俺だが命を救ってもらった恩人であり、話し相手となってくれている相手であり、何より権力がある相手には下手に出ると命知らずとなって死後馬鹿にされるだろうから、失礼な事は言えない。というか、口を出す暇も無く話し続ける。
「突然目の前が真っ暗になり、話している声が消えたんです。音楽をイヤホンで聴いていると回線が切られたりするのと同じ感覚だと思います。そして後光が差している人間のような形が一瞬見え、真っ白の部屋にワープさせられていました。この場所で白髪のご老人と出会い、ある能力を持ってこの世界に魔王を倒せと命令されました。当初は混乱し、友人らの幻影を探し回っていましたよ。まあ、そんな気はさらさら無かったんですけどね。」
良かった、同類がいた。だが能力とは何だろう?
「事前にご老人に質問を繰り返していたのが功を奏したのでしょう。
一つ目はどんな言語を完璧に読み書き聞きができる能力。魔王なんてファンタジーな世界観には日本語は使われていないと仮定したため、念のためつけてもらえました。これにはやる気を感じ取れたのかご老人はにんまりといい笑顔で微笑んでいました。
二つ目は話している相手の心を読み取る能力。魔王や敵と対峙した場合に有利に状況を進められると判断したからです。ご老人も若干嫌そうな顔をしながら追加していました。ちなみに言うと今さっき貴方(リア充爆発しろ)と思っていたのも知っていますよ。」
バレていたのか。これは仕返しが来そうな予感がする。
「大丈夫ですよ。今のところは。
三つ目は地位を手に入れることですね。一番早く資金を集めて装備を整えられますからね。今回の場合はご老人はアホを見る目で追加していました。」
最初の一文が妙に引っかかったが・・・わかったことはこいつは頭が相当良いということだ。天才じゃないか?
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