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第3話
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よこになったまま、だんだんとよわっていくきりを、まにはどうすることもできませんでした。
つやつやだったきりのせなかのけは、ぼさぼさ。
目はうつろ。
さいきんでは、めったにしゃべることもなくなりました。
きこえるのは、まにが大すきなきりのわらいごえではなく、日に日に大きくなっていくきりのおなかのおとだけでした。
もう、目もあけられなくなったきりは、ゆめをみました。
なんと、ニンゲンにたべられていたまにのみぎっかわがもとどおりになっていたのです。
「まに、もどってる」
きりはうれしくて、さけぶようにいいました。
まにもうれしそうに、きりのまえでいっしゅうまわって見せました。
「きりちゃん、ぼくをなめてみてよ」
「いやだよ」
いやがるきりに、
「だいじょうぶだから」
と、まにはつよくいい、きりはしぶしぶ、そっとした先をちょこんとまにのからだにつけました。
そしてすぐにしたをひっこめると、じぶんがなめたところを見ました。
「まに、きえてない」
きりはまにを見ました。
まには大きくうなずきました。
「だから、だいじょうぶ、っていっただろ」
二ひきははじめてじゃれあいました。
きりは「大すき」というきもちをこめて、まにのあたまの先からしっぽの先までぜんぶぺろぺろとなめました。
まにもおれるしんぱいをせず、ちょこれーとのくちばしで、きりにけづくろいをしてやりました。
きりはまにのくちばしもぺろんとなめてみました。
くりーむとはちがうあまさがしました。
二ひきはうれしくて、かおを見あわせると、うふふ、とわらいあいました。
「きりちゃん、よこになって。
けをすいてあげるよ」
いわれたように、きりがよこになると、さっきとはぎゃくに、まにがきりのみみの先からしっぽの先までていねいに、くちばしてすいてくれました。
きりはうれしくて、にゃーにゃーなき、やがてきもちよくなって、うとりうとりとしはじめました。
「きりちゃん、きもちいい?」
「うん、きもちいいよ、まに」
「きりちゃん、こっちは?」
「うん、きもちいいよ」
まにのくちばしはいつもよりうんとやさしく、きりのからだじゅうをなでました。
きりはすっかりきもちよくなって、ときどきくすぐったくてわらいましたが、すっかりねむりこけてしまいました。
おなかのあたりがほんわりとあたたくなったのを、きりはおぼえています。
きもちよくて、しあわせで、とくべつなかんじがしました。
まにがきりのことが大すきだというのが、つたわってきました。
きりもまにのことが大すきだと、からだじゅうでつたえました。
きりのおなかがぷわんとおもたくなりました。
それはまにがじぶんにもたれかかってきたときの、ぽってりしたおもさににていました。
「…まに?」
きりは、じぶんがまにをよぶこえで目をさましました。
「まに?」
こんどは、しっかりと大きなこえでまにをよびました。
しかし、こたえはありません。
きりのまえには、ひどくがらんとして、おそろしくしんとしたへやしかありませんでした。
もう、きりのおなかのおとはしませんでした。
きりはおきあがれるようにもなっていました。
そして、まにのすがたを二どと見ることはありませんでした。
つやつやだったきりのせなかのけは、ぼさぼさ。
目はうつろ。
さいきんでは、めったにしゃべることもなくなりました。
きこえるのは、まにが大すきなきりのわらいごえではなく、日に日に大きくなっていくきりのおなかのおとだけでした。
もう、目もあけられなくなったきりは、ゆめをみました。
なんと、ニンゲンにたべられていたまにのみぎっかわがもとどおりになっていたのです。
「まに、もどってる」
きりはうれしくて、さけぶようにいいました。
まにもうれしそうに、きりのまえでいっしゅうまわって見せました。
「きりちゃん、ぼくをなめてみてよ」
「いやだよ」
いやがるきりに、
「だいじょうぶだから」
と、まにはつよくいい、きりはしぶしぶ、そっとした先をちょこんとまにのからだにつけました。
そしてすぐにしたをひっこめると、じぶんがなめたところを見ました。
「まに、きえてない」
きりはまにを見ました。
まには大きくうなずきました。
「だから、だいじょうぶ、っていっただろ」
二ひきははじめてじゃれあいました。
きりは「大すき」というきもちをこめて、まにのあたまの先からしっぽの先までぜんぶぺろぺろとなめました。
まにもおれるしんぱいをせず、ちょこれーとのくちばしで、きりにけづくろいをしてやりました。
きりはまにのくちばしもぺろんとなめてみました。
くりーむとはちがうあまさがしました。
二ひきはうれしくて、かおを見あわせると、うふふ、とわらいあいました。
「きりちゃん、よこになって。
けをすいてあげるよ」
いわれたように、きりがよこになると、さっきとはぎゃくに、まにがきりのみみの先からしっぽの先までていねいに、くちばしてすいてくれました。
きりはうれしくて、にゃーにゃーなき、やがてきもちよくなって、うとりうとりとしはじめました。
「きりちゃん、きもちいい?」
「うん、きもちいいよ、まに」
「きりちゃん、こっちは?」
「うん、きもちいいよ」
まにのくちばしはいつもよりうんとやさしく、きりのからだじゅうをなでました。
きりはすっかりきもちよくなって、ときどきくすぐったくてわらいましたが、すっかりねむりこけてしまいました。
おなかのあたりがほんわりとあたたくなったのを、きりはおぼえています。
きもちよくて、しあわせで、とくべつなかんじがしました。
まにがきりのことが大すきだというのが、つたわってきました。
きりもまにのことが大すきだと、からだじゅうでつたえました。
きりのおなかがぷわんとおもたくなりました。
それはまにがじぶんにもたれかかってきたときの、ぽってりしたおもさににていました。
「…まに?」
きりは、じぶんがまにをよぶこえで目をさましました。
「まに?」
こんどは、しっかりと大きなこえでまにをよびました。
しかし、こたえはありません。
きりのまえには、ひどくがらんとして、おそろしくしんとしたへやしかありませんでした。
もう、きりのおなかのおとはしませんでした。
きりはおきあがれるようにもなっていました。
そして、まにのすがたを二どと見ることはありませんでした。
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